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「高校中退率 全国一」〜ミスリードな取り上げ方

 文科省12月10日発表「平成24年『児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査』結果について」として、いじめ、不登校、中退、自殺などのついての数字や傾向を明かにしている。
 このうち高校中退率で、高知県が全国トップということで地元紙が報道しているが、どうなのだろう。また自民党などが色々言いそうなので、数字の意味を考えてみた。
【平成24年『児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査』結果について 12/10】


①中退率の幅 1000人中1.0人〜2.2人
 中退者の1000人当たりの数は、高知県は2.2人。確かに全国最高だが、平均は1.5人、最少は1.0人。
 百分率なら0.1〜2.2%の間の数字であり、その差に「全国トップ」と響きがもつほどのものなのか、というのが第一印象だか、詳しく見ると、「ある意味」が見えてくる。

②中学不登校率、高校進学率との関係から
 中退率を下げようと思えば、「リスクが高い」と思われる子どもを門前払いすれば下がる。それで中退率が低くなって何の意味があるのか・・・。

◇不登校率(1000人中の出現数)は、小学、中学、高校の順で

・高知 3.6人、31.0人、19.5人
・全国 3.1人、25.6人、17.28人

◇高校進学率(2011年3月)

・高知 98.13% 
・全国 98.24%
 と進学率はほとんど差がない。これを登校している子どもの率(中学)と比較すると以下のようになる

・高知 98.13、96.90% 差1.24%
・全国 98.24、97.44% 差0.80%
  差は、不登校児のうち、高校に進学したミクロの数である。千人あたりにすると全国とは4.4人の差がある。

◇不登校児の「包摂」

 全国よりも1000人当たりで4.4人多い不登校児を受け入れながら、中退率で、0.7人の差しかないとうことは、高卒がシビルミニマムに事実上なっているもとで、「包摂」のための努力をしているということではないか?
全国が定時制高校をなくしているもとでも高知県はしっかり位置づけている。また教育費負担を軽減する努力をしている。

 なお、いじめや暴力の件数、出現率も出されているが、「いじめ防止の基本的な方針」で指摘されているように、有無や数字の寡多のみを評価すべきではない。早期発見、防止のとりくみを阻害し、隠蔽の誘引をつくり出し、解決を難しくするだけだ。
メディアの取り上げ方には細心の注意が必要だ。

★なんといってもオールジャパンの問題である。

不登校、中退の多さは、貧困の拡大、競争的な教育制度、非正規雇用の拡大・地域経済の衰退で学校から社会に接続していく道が不明瞭で希望を持ちにくいという、この国のあり方が関係している。

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