「参拝は平和主義からの離脱」 ニューヨーク・タイムズ
二ューヨーク・タイムズが、国際面のトップに「神社への参拝によって日本のリーダーは平和主義から離脱する姿勢を鮮明にした」という見出しの論説記事を掲載した。
靖国神社は、日本の過去の戦争を「自存自衛のための戦争」、「アジア解放のための戦争」と美化。「避けられなかった戦争」「開戦の責任は米国と中国にある」と内外に宣伝することを目的とする、戦後の国際秩序の土台、価値観を否定している施設・運動体である。そうした施設であることを政府も国会答弁で認めている(下段に引用)。
だからこそ参拝が、国際的批判を浴びている。
【米有力紙「参拝は平和主義からの離脱」NHK12/28】
以下の赤旗記事が、05年の不破氏の講演による「靖国史観」の全面暴露により、国際的な批判がひろがった様子をつたえている。
【「靖国史観」追及から1年余 いま どこまできたのか “侵略正当化”批判 世界に広がる 赤旗06/8/10】
【05年、6月2日 予算委員会、日本共産党の志位和夫委員長の質問と小泉首相の答弁から】
◆志位
靖国神社とは一体どういう神社なのか。これは、靖国神社の中心的な刊行物で、宮司が特別のあいさつを書いている靖国神社「遊就館図録」という本であります。
遊就館というのは、靖国神社がその境内に設置している日本の戦争史の展示館でありますが、この本の冒頭で、靖国神社の宮司は、日本の過去の戦争についてこう述べております。「近代国家成立の為、我国の自存自衛の為、さらに世界史的に視れば、皮膚の色とは関係のない自由で平等な世界を達成するため、避け得なかった戦ひ」、このように述べています。あの戦争を、「自存自衛」のための戦争、「自由で平等な世界」、すなわちアジア解放のための戦争としております。ここにはむき出しの形での、日本の戦争は正しかったとする歴史観、戦争観が述べられております。
そこで、首相に伺いますが、首相は、靖国神社がこういう歴史観、戦争観を持った神社だという事実を御存じでしょうか。御存じかどうか、端的にお答えください。
●小泉
靖国神社がそのような考えを持っていろいろな発言をされているということは承知しておりますが・・・
◆志位
先ほどの、靖国神社「遊就館図録」を読みますと、太平洋戦争の開戦の事情についてこのように述べております。この部分でありますが、「大東亜戦争 避けられぬ戦い」という表題で、次のような叙述があります。
大不況下のアメリカ大統領に就任したルーズベルトは、昭和十五年十一月三選されても復興しないアメリカ経済に苦慮していた。早くから大戦の勃発を予期していたルーズベルトは、昭和十四年には、米英連合の対独参戦を決断していたが、米国民の反戦意志に行き詰まっていた。米国の戦争準備「勝利の計画」と英国・中国への軍事援助を粛々と推進していたルーズベルトに残された道は、資源に乏しい日本を、禁輸で追い詰めて開戦を強要することであった。
こう述べられているんですね。
すなわち、ルーズベルト大統領が、不況から脱出できないことと、ドイツとの戦争計画が米国民の反戦意志に阻まれていたことに悩んで、その行き詰まりから脱出する活路を日本に開戦を強要することに求めたとはっきり述べております。ここでは、日米開戦の責任がアメリカ政府の側にあるとあからさまな形で主張しているわけであります。
この主張というのは、当時、日米開戦、すなわち真珠湾攻撃に当たって、日本の軍国主義の戦争指導者たちが述べたことそのままではありませんか。
首相に伺いたい。靖国神社は、日米開戦の責任はアメリカにありという立場をとっている。この歴史観、戦争観も、日本政府は到底これを受け入れることができないものであると思いますが、総理の認識を伺いたいと思います。
●小泉
戦争をした責任ということについては学者の間でもいろいろ議論がありますが、日本は戦争を起こしたんですから、戦争責任は日本にある。
【米有力紙「参拝は平和主義からの離脱」NHK12/28】安倍総理大臣の靖国神社参拝について、アメリカの有力紙のニューヨーク・タイムズは日本が戦後の平和主義から離脱しようとしているという論説記事を掲載し、日本と中国や韓国との関係が一層冷え込み、アメリカの対アジア政策にも悪影響を及ぼしかねないと懸念を示しています。
27日付けのニューヨーク・タイムズは、国際面のトップに「神社への参拝によって日本のリーダーは平和主義から離脱する姿勢を鮮明にした」という見出しの論説記事を掲載しました。
記事には安倍総理大臣が靖国神社参拝に先立ち、野党やメディアの反対にもかかわらず特定秘密保護法を成立させたほか、自衛隊の装備を拡充する防衛大綱をまとめるなどして、政治的なリスクを負いながら日本の戦後の平和主義からかじを切ろうとしているとしています。
また、外交的には今回の靖国神社参拝が日本と中国や韓国との関係を一層悪化させ、アメリカにとってももはや日本は、中国に対抗するうえで頼りになる存在ではなく、中国との緊張を高める「アジアの問題」になろうとしていると指摘し、アメリカの対アジア政策にも悪影響を及ぼしかねないと懸念を示しています。
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