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高知県 絶対的貧困率21.7%、ワーキングプア率10.9%〜07年

山形大の戸室健作准教授(社会政策論)の研究結果。厚生労働省の相対的貧困率と違い、生活保護の基準となる最低生活費(各地域の生活扶助・住宅扶助・教育扶助・一時扶助の合計)が基準。基準以下の収入がない人の割合を示す「絶対的貧困率」と、就業世帯のうち所得水準が基準以下の世帯(貧困就業世帯)を示すワーキングプア率としている。沖縄タイムスの報道。
 高知県は「貧困率」絶対的貧困率21.7%(2位/全国14.3%)、ワーキングプア率10.9%(3位/全国6.7%)。
リーマンショック前の数字なので、現在はさらに悪化しているのでは・・・
【沖縄の貧困率、ワーキングプア率全国最悪 沖縄県12/14】
 もとのレポートがありました。後藤道夫先生つながりの研究です。
【近年における都道府県別貧困率の推移について ―ワーキングプアを中心に 戸 室 健 作 2013/2】

Data270
 (戸室レポートより)


◇高知県   到達も高いが、伸びも高い。
「貧困率」は、97年16.5%→21.7% (全国10.1%→14.4%)
「ワーキングプア率」は、97年6.05%→10.9% (全国4.2%→6.7%)

◇レポートは、なかなか興味深い。

①地域間格差
 地域間格差の検討方式は、貧困率上位10の地域の合計貧困世帯数を合計世帯総数で除して得られた貧困率を、貧困率下位10(38位~47位)の地域の同様の方法で得られた貧困率で比較。
 
 “地域間格差(上位10地域貧困率/下位10地域貧困率)は、2.94倍(1992年)→2.36倍(1997年)→1.97倍(2002年)→1.91倍(2007年)と年を経るごとに縮小している。
 これは、上位10地域の貧困率が17.1%(1992年)→20.4%(2007年)と1.19倍の伸び率だったのに対し、下位10地域の貧困率は5.8%(1992年)→10.6%(2007年)と1.83倍という大きな伸び率を示したことが原因である。したがって格差縮小といっても歓迎すべきものではまったくなく、その実は、貧困率の高位平準化が進んだということである。”

②捕捉率 高知県92年19.14%→07年16.3% (全国97年14.9%→14.3%)
レポートの指摘は重要

“相対的に高貧困率であった地域でも捕捉率の高低によって2つに区分できる。たとえば福岡・高知・大阪・青森・北海道等が典型のように、高貧困率であるが相対的に捕捉率が高くなっている地域がある。ただし、そうした地域においても福岡・高知・北海道等では、この間、捕捉率が急減していることについては警戒する必要があるだろう。
 実際に、徳島や秋田はこれまで高貧困率・高捕捉率地域だったが、捕捉率急減の結果、2007年には低捕捉率地域となってしまっている。その一方で、高貧困率であり、なおかつ恒常的に低捕捉率という最も深刻な地域が存在する。後者の地域の例としては沖縄・鹿児島・大分・愛媛・島根があり、加えて同様地域の宮崎・熊本・佐賀・香川・岡山・和歌山・岩手では捕捉率がこの間、急減している。”


【沖縄の貧困率、ワーキングプア率全国最悪 沖縄県12/14】
 必要最低限の生活を保つための収入がない人の割合を示す「絶対的貧困率」と、就業世帯のうち所得水準が最低生活費以下の世帯(貧困就業世帯)を示すワーキングプア率が、沖縄県は都道府県別の2007年の数値がいずれも全国ワーストとなっていたことが13日までに分かった。山形大の戸室健作准教授(社会政策論)の研究で明らかとなった。(安里真己)
 
戸室准教授は総務省の「就業構造基本調査」などのデータを用いた。
 「絶対的貧困率」は、生活保護の基準となる最低生活費を基に算出。同年の県内は29・3%で、2位の高知県の21・7%を大幅に上回り、全国平均14・4%の2倍以上となっている。

 同年の全国の貧困率は厚生労働省が相対的貧困率(国民を所得順に並べ、中央値の半分に満たない人の割合)を15・7%(09年は16・0%)と発表しているが、都道府県別はこれまで発表していない。県も独自に数値を出す予定はないという。
 ワーキングプア率も沖縄県は20・5%で、2位大阪府の11・3%を大きく引き離している。戸室准教授によると都道府県別でワーキングプア率が出されるのは初めてという。

 貧困世帯のうち、生活保護を受けている世帯の比率(捕捉率)が県内は9・8%と全国平均の14・3%よりも低かった。

 県内では特にワーキングプアの中で「賃金・給料が主な世帯」の貧困率が1人所帯では9・8%(全国6・3%)なのに対し、5人以上世帯では26・6%(全国5・9%)となり全国とは異なる傾向を示していることも分かった。

 戸室准教授は「貧困率もワーキングプア率もここまで高いのは異常。沖縄県では貧困が問題だといわれていたが、この結果であらためて浮き彫りになったと思う」と指摘する。
 賃金収入が主な世帯で多人数世帯の方が貧困率が高いことについては「低賃金の仕事がまん延しているからではないか。県外から低賃金労働力を求めて企業が進出することで、低賃金が維持固定化されている恐れがある」と危惧する。

 全国的に07年以降、非正規労働者は増えており、さらに貧困率は悪化している恐れがあるとみている。 


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