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原発停止による燃料費増 経産省が水増し

 原発停止で、2012年度の燃料費が3.1兆円増えたと経産省が示している。が、これは節電や省エネルギーの取組により、電力需要が少なくなった現実を無視した数字である。
 政府の試算は、2008~2010年の原発発電量の平均2592億kW時をもとにしているが、実際の火力発電の炊き増しは1827億kW時。
 自然エネルギー財団は 実際の発電量らもとづいた計算では、2010年度比2.2兆円増。原油やLNG自体の価格上昇や為替の変動の影響を除外すれば、さらに約0.7兆円少なくなり、約1.6兆円と半分にとどまることを示している。
 なお、発電ゼロの全国50基の原発の固定費は、年間1.2兆円。それに除染・賠償費用がかかっている。
【 エネルギー基本計画 3つの論点 自然エネルギー財団2013.9】

以下の提言は、電力構成によるコストの影響は少ないとしたうえで、低下する事前エネコスト、増加する原発コストなど解明している。
【提言書「原子力コスト再検証-2030年に向けた視点から」2013.9】

【エネルギー基本計画3つの論点】

 公益財団法人 自然エネルギー財団は、2013年中の策定をめざして検討が進められている、新しい「エネルギー基本計画」に関して、「エネルギー基本計画 3つの論点」を発表いたしましたのでお知らせいたします。この「3つの論点」は、 原子力、自然エネルギー、省エネルギーという、計画策定のもっとも重要な要素について、現在の基本政策分科会の議論の中で十分に示されていないデータや事実、論点を提示し、より幅広い議論を促進することを目的としたものです。

「エネルギー基本計画3つの論点」ポイント

1.原子力発電に未来はあるのか

•日本でも世界でも福島原発事故の前から 原発による発電量は減少している
•原子力発電の建設コストは増加を続けている

コラム1:目途の立たない使用済み核燃料処分問題

2.自然エネルギーは電力供給の主役になれるか

•急速に低下している欧米の自然エネルギー価格
•日本でも価格低下は始まっている
•世界全体の自然エネルギーの発電量は原発を上回り その差は拡大している
•欧米先進国では、既に国の基幹電源に
•気象予測システムで自然エネルギーを活用
•太陽光発電は需要のピークをカバーする

3.省エネルギーの可能性は汲みつくせているのか

•「電力不足」を克服した賢い節電が継続
•産業部門の省エネルギーは停滞している
•火力発電:電力供給側にも大きな省エネルギーの余地

コラム2:原発停止による燃料費増加分の検討
 省エネルギーの徹底と自然エネルギーの普及加速化こそ もっとも確実な燃料費対策

コラム3:自然エネルギーの賦課金額は妥当か
 再生可能エネルギー賦課金(再エネ賦課金)は 消費者から過剰に徴収されている


【提言書「原子力コスト再検証-2030年に向けた視点から」】

 公益財団法人 自然エネルギー財団は、政府の原子力コスト試算について、2012年に行った検証にもとづく報告書をとりまとめましたのでお知らせいたします。
 2012年、経済産業省総合資源エネルギー調査会基本問題委員会は、将来のエネルギーのあり方について議論を行うとともに、広く市民から意見を聴取しました。この議論を受け、政府は、2012年9月「革新的エネルギー・環境戦略」を発表し、2030年代までの原子力ゼロを目指すとしました。しかし、2012年12月の政権交代でこの政策は頓挫し、以来、東京電力福島第一原子力発電所の事故から2年半がたつにもかかわらず、国のエネルギー政策の方向性は定まらぬまま、化石燃料や原子力中心の議論へと回帰しようとしています。
 2012年、自然エネルギー財団は、政府の原子力の発電単価の検証を行い、「原子力0%シナリオで電気料金が2倍になる」という主張の妥当性を検討しました。この検証・検討結果については、一部は外部への発表を行い、一部は、大阪府市 エネルギー戦略会議などのエネルギー政策検討の場へ、検討材料として提供してまいりました。
 今回、今後の日本のエネルギー政策についての議論が加速され、深められること願うとともに、今後の議論の基礎資料の一助とするため、検討をしてきた上記内容について、とりまとめを行い公表いたします。持続可能なエネルギーシステムの実現を目指す見地からの建設的なコメントやご意見をいただくことを期待しています。

論点:原子力コストと電気料金の検証
1.1 電源構成による電気料金の差は小さい
1.2 電気料金が急上昇する原因:モデル間の差を生む限界削減費用の設定
1.3 各電源のコスト設定は妥当か
1.4 2030年の省エネルギー見通しの妥当性
1.5 自然エネルギー財団による検証と試算
1.6 財団試算検証のまとめ

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