普天間・県外移設 「公約守るな」と自民本部
自民党にとって公約とはこの程度のものなのだろう。自民本部が、沖縄の国会議員が公約した「県外移設」の放棄を迫っている。県外移設の公約を知りながら公認したのは自民党本部である。
琉球新報は、「有権者との約束を守る。こんな初歩的なことすら妨害する政党とはいったい何か。公約など反古にしても構わないという姿勢を、これほど露骨に示して恥じない自民党本部には、政党を名乗る資格も民主主義を語る資格もない。」
こんな党が、「道徳教育」とおしつけようとしている。
【自民選挙公約 「苦渋の決断」は通用しない11/23】
【「道徳」を持ち出す真意 コラム・東京11/20】
【自民選挙公約 「苦渋の決断」は通用しない11/23】自民党本部と政府が米軍普天間飛行場の辺野古移設を容認するよう、同党の県選出・出身国会議員や県連に強要している。圧力に屈するか否か、県民は固唾(かたず)をのんで見守っている。
それにしても、だ。有権者との約束を守る。こんな初歩的なことすら妨害する政党とはいったい何か。公約など反古(ほご)にしても構わないという姿勢を、これほど露骨に示して恥じない自民党本部には、政党を名乗る資格も民主主義を語る資格もない。民主党政権は公約をあっさり翻した。同党支持の県内での現状を見れば、その影響は明らかだ。「苦渋の決断」などという美辞麗句は通用しない、と知るべきだ。
自民党県連と県関係国会議員には自覚してほしい。あなた方は歴史法廷に立っている。琉球・沖縄の歴史に照らして恥じない姿勢を、毅然(きぜん)として示してほしい。
4月にあっさりと辺野古移設容認に転じた西銘恒三郎衆院議員は、昨年12月の衆院選で「県外移設を求める」と公約にはっきり書いた。島尻安伊子参院議員も「県民の総意である県外移設を求め、日米合意の無効を訴える」とうたった。公選制は、公約を媒介に議席を委託する行為だ。その公約を反古にすれば、議席の委託も無効になるのが論理的帰結であろう。あらためて言うが、西銘、島尻両議員は辞職するのが筋だ。
国場、比嘉、宮崎3衆院議員も「県外移設と言ったのに一気に崩れた政権(民主党政権)にはもう任せておけな
い」(比嘉氏)などと述べ、県外移設を公約した。党本部の石破茂幹事長は「離党すべきだとの声も出ている」と述べたが、脅迫以外の何物でもない。菅義偉官房長官が「県外などとんでもない」と言い放つに至っては、沖縄の民意を侮蔑するに等しい。国場氏ら3氏は、沖縄の誇りにかけて公約を貫いてほしい。
菅氏らに聞きたい。党本部は、県内の候補者が県外移設を掲げているのを十分知りながら公認とした。その時点で県内有権者と契約を交わしたに等しいのではないか。それを反古にすれば、間接的ながら党本部も公約違反なのだ。それを公然と表明して恥じないのは民主主義を否定する行為であろう。
県連の県議も、無投票と回答保留を除く12人全員が県外(国外)移設を主張した。県民との約束の重みをかみしめてもらいたい。
【「道徳」を持ち出す真意 コラム・東京11/20】子どものいじめが後を絶たないのは命を慈しみ、人を思いやる心が養われていないからだ。そう言って国は道徳の教科書を作り、学校でみっちり学ばせるようにするらしい。
広辞苑に、道徳とは「人のふみ行うべき道」とある。そんな高尚な精神世界を説く教科書を誰が書くのか。聖人君子でもない先生はその神髄を教え、成果を評価できるのか。私ごとき凡人には想像が及ばない。
道徳教育の重要性を訴えてやまない国の有識者会議の面々が、まずは手本を示してはどうか。全国の学校にネットで授業を配信し、優しい心が一斉に培われるなら効率的この上ない。
もっとも、どんな徳育のプロの言葉も、子どもの心には響くまい。何しろ道徳心を欠いた大人ばかりが跋扈(ばっこ)する世の中だ。食材を偽装したり、暴力団に融資したり。危ない線路を放置する鉄道会社まで現れた。
最たるものは、憲法違反の選挙で選ばれながら改憲を唱える国会議員ではないか。自らの存在の違憲性を棚に上げ、子どもの徳育の大切さを強調する不道徳ぶりはもはや滑稽だ。
夏目漱石は「道徳は習慣だ。強者の都合のよきものが道徳の形にあらはれる」と記した。いじめから友を守り、敵から国を守るためなら喜んで犠牲を払う。道徳をうまく仕込めば、そんな習慣も身につこう。習慣化すれば、人々は無頓着になる。現代の強者の都合が気にかかる。 (大西隆)
« 秘密保護法案、「日本は国際基準を逸脱」と批判 元米国防省高官 | Main | 沖縄の自民国会議員は辞職すべき 「県外移設」の公約反故 »
「選挙・政党」カテゴリの記事
- 「立憲民主」の選挙政策を見る (2024.10.09)
- 24総選挙~前回の共闘の到達点をリアルに見、大切にする(2024.09.26)
- ダイバーシティ&インクルージョン 組織のアップデート(2024.08.11)
- 「空白の90年代」考~前進を目指して(2024.08.08)
- 日本のジェンダー平等を考える ~家族モデル、政治、教育、賃金格差、DV(メモ)(2024.05.05)
「米軍基地」カテゴリの記事
- 岸田首相「日本は米国とともにある」~恐ろしい米国への約束(2024.04.29)
- 国に指示権 地方自治法改定~「米軍の戦闘への支援」に対応?!(2024.03.16)
- 特定利用港湾 知事 重要影響事態を「平時」と詭弁(2024.03.07)
- 様々な人々が新しい社会の探求に乗り出しえる時代(メモ)(2024.02.19)
- 行政法学者が声明 「9.4 辺野古最高裁判決および国土交通大臣の代執行手続着手を憂慮する」(2023.10.07)
« 秘密保護法案、「日本は国際基準を逸脱」と批判 元米国防省高官 | Main | 沖縄の自民国会議員は辞職すべき 「県外移設」の公約反故 »
Comments