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アベノミクス「異次元の金融緩和」の検証(メモ)

 7-9月の実質GDPは前期0.5%増と、「異次元の金融緩和」を開始して以来2期連続で鈍化。民間最終消費も鈍化。公共事業と消費税増税前の住宅の駆け込み需要などがなければ、マイナスになっている。

 すでに破綻が明確になり始めたアベノミクスの「異次元の金融緩和」策を検証した論稿の備忘録。
 「おまじない効果」では景気は回復できず、日本経済を「異次元の危険ソーン」に追いやると解明する。
  鳥畑与一・静岡大学教授 経済 経済2013.12より

【アベノミクス「異次元の金融緩和」の検証】

◇はじめに~「異次元の金融緩和」から半年

・黒田日銀総裁による「量的・質的金融緩和」(4/4)~「異次元の金融緩和」から半年
1/22政策決定会合の目標消費者物価上昇率2%ほの引き上げと「期限の定めない資産買入方式」導入まで遡れば1年近い。
・この「異次元の金融緩和」による「景気回復」で、安倍首相は、消費税率引き上げを宣言(10/1)
・黒田総裁は「強力にその効果を発揮しています」(デフレ克服 我々の挑戦 10/10 NY講演)というが、本稿は、その論理と現実の整合性を検証し、改めて「異次元の金融緩和」の危険性に警鐘をならすもの

【1】「異次元の金融緩和」とは何か

 岩田日銀副総裁講演8/28 「人々の期待」に働きかけるという私の説明を聞いて、おまじないのような話だと思われる方がいらっしゃるかも知れません。しかし、金融政策というのは、本来、「人々の期待に働きかける」ことを通じてその効果を発揮するものなのです。

・「異次元の金融緩和」が有効とする日銀の基本認識

 総裁講演「デフレからの脱却と量的・質的金融緩和」9/20 長年のデフレにより、人々や企業の間には「物価が下がる」「物価は上がらない」との認識が定着しており、これが日本経済の活力を奪ってきた」
→「病は気から」と同様、デフレ予想の継続こそ、デフレの原因。デフレ率は問題ないとさえされる。
→ つまり、デフレ予想をインフレ予想に転換すれば、デフレ不況は克服できる。/ 「インフレになると信ずればインフレになる」ということ。「おまじない」という言葉が出るゆえん。

・どうやってインフレ予想に転換させるか?

→ 日銀がインフレ目標率を明示し、目標達成まで金融資産購入による量的緩和を断固継続という「従前とは明かに一線を画する、大規模な金融緩和を行う」(黒田・デフレ克服)ことで「レジームの転換」を行う

●「異次元」ぶりの市場への衝撃

・この断固たる決意表明として、バズーカ砲と自賛した「量的・質的金融緩和」(4/4)が発動
①物価上昇率2%の達成期限を2年と明示 
②操作目標を金利(コールレート)からマネタリーベース(日銀の供給する通貨。当座預金+現金)に変更。目標達成まで年60-70兆円のペースで増加させると約束
③長期国債買入れの平均残存期間を3年弱から7年程度に延長し、長期金利を低下させる。
④ETF(上場投資信託)、JREIT(不動産投資信託)のリスク金融資産の購入で、資産価格のプレミアム(上乗せ金利)を低下させる。

→ インフレ目標率2%達成をめざし、日銀の国債保有残高を2倍の190兆円に増大、マネタリーベースも2倍の270兆円に増大させる、というもの/ リーマンショック後、急膨張した米FRBのマネタリーベースでさえ対GDP比20%。日銀は、それを56%まで倍増させるもの/ 市場に十分な衝撃を与えるもの

・「異次元の金融緩和」が、デフレ克服につながる波及経路
①ゼロ金利状態の短期金利だけでなく、長期金利の低下を実現することで、資産価格上昇、投資資金の調達コストの低下が進む

②金融機関保有の国債を買取ることで、株式、外債等のリスク資産への資金運用や貸し出しが増えていく--「ポートフォリオ・リバランス効果」が期待できる。

③経済主体の「予想インフレ率」を引上げることで、予想実質金利(名目金利-予想インフレ率)が低下し、投資増大、消費増が期待できる。

●期待を裏切る「効果」

・「異次元の金融緩和」政策の本質

 波及経路①と②は、過去の量的緩和でも強調されてきた経路であり、かつ効果があがらなかった波及経路
 新たな経路は、③「予想インフレ率」の引き上げのみ
→ 市場の予想に働きかけることが同政策の本質である。

・が、「異次元の金融緩和」がフル回転しはじめた4月以降、効果はその期待を裏切るもの

①3月末~9月末まで、約35兆円の長期国債の買取を中心にした金融資産購入で、マネタリーベースは約40兆円増など、量的緩和策の進捗具合は、目標に向かい予定通り進展
②マネーストックはほとんど増加せず /長期金利も直後に急上昇した後、低下したとはいえ導入時よりも高水準 /銀行の貸出金利も導入時より高水準、貸出ものびていない。
③「政策」転換の成果とされる円安、株高は、「異次元の金融緩和」の全面導入以後、逆に停滞
④昨年来の円安、株高で改善された企業収益も優先的な配当にまわり、賃金上昇につながっていない
⑤実態経済の波及効果も、公共投資増加の効果が多く、消費者物価のプラスへの転嫁もその9割が円安によるコスト増加
→ 効果と言えるものは確認できない。にもかかわらず「効果」に乗じてアベノミクスの本格展開で、日本経済をさらに危機に追いやろうとしている。

(メモ者 経済指標から

・2013年7~9月期のGDP速報値。 前期比0・5%増、年率換算1・9%増と年率で3・8%増だった前期から大きく鈍化。輸出は0・6%減少
個人消費は前期比0・1%増、企業の設備投資0・2%増、雇用者報酬0・6%減、消費税増税の駆け込み需要で住宅投資は2・7%増加。大型の補正予算の効果で公共投資が6・5%増、輸出0・6%減。
実質GDP成長に対する実質公的固定資本形成の寄与率0.4%、実質民間在庫品増加(在庫投資)の寄与度が0.4%であり、在庫投資と住宅投資、公共投資の寄与率をゼロならマイナスであった。
・厚生労働省の毎月勤労統計「決まって支払われる給与」16カ月連続で前年同月比マイナス。
・この間の輸出増は、円安によって円建て計算額の増加による。数量は増加していない。
・6月以降4カ月連続で消費者物価指数が前年同月比プラス)

【2】なぜ、「期待」に働きかけるのか?

・リフレ派の理論的基礎「貨幣数量説」~ デフレは貨幣供給量不足による貨幣価格の上昇の反映として物価下落という貨幣的減少として捉える点に理論的特徴

 「貨幣供給が過大であるか過小であるかは、インフレかデフレかで判断」(岩田則久男)、「貨幣を増やせばデフレは止まるというのは…正しい真理」(浜田宏)

●リフレ派、破綻から「おまじない」効果へ

・リフレ派の2つの主張の破綻を確認する

①「日銀のマネタリーベースの増大が、欧米中央銀行に比べ不十分」という主張
  日本、リーマンショック以前から対GDP比で20%超え、その後30%超
  アメリカ リーマンショック後、4倍近く増大。が、対GDP比20%に届かず
  日米とも、リーマンショック後の資産増加は、対GDP比で同規模の10%程度

2013

②マネタリーベース増が一定の倍数でマネーストックを増大~安定的な貨幣乗数が存在するとの主張
  日本、欧米の量的緩和が示したのは、マネタリーベースを増大させても、マネタリーストックは増大しないという現実。貨幣乗数の崩壊

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→ マネタリーベースを4倍化したFRBでも、マネーストックは増やせていない。/ つまり、「異次元の量的緩和」のバズーカ砲は「空砲」だった。「空砲」を自覚しつつ、その音の大きさに効果を期待したのが「異次元」の強調 

・貨幣乗数の存在を前提に、日銀の政策を批判してきたリフレ派の現実的根拠が喪失

→ 根拠喪失を否定できなくなり / 貨幣乗数という直接的経路ではなく / マネタリーベースを増やせば、インフレ予想に変わるという間接的経路を強調することになる。
*岩田「これまで日本銀行は、インフレ目標を設定せず・・マネタリーベースを増やしてきた。・・・目標を設定して、その目標達成に責任をもってコミットし、マネタリーベースを増やして行けば、予想インフレ率が上昇し…デフレを脱却できる」 

→ つまり、マネーストックの増加そのものは重要ではなく、市場のインフレ予想の変化という「おまじない」効果に依拠する政策になっていく

(メモ者 「政策」や「理論」と言えない。「信じるものは救われる」「イワシの頭も信心から」という宗教の世界。さすが「神国」の経済「政策」)

【3】「インフレ期待」への転換がなぜ重要なのか?

・貨幣量(マネーストック)が増えないのにインフレになるという主張自体が、リフレ派の理論的基礎である「貨幣数量説」から乖離
・では、なぜ、マネーストックが増えないのにインフレが実現するのか~「予想インフレ率」が役割

●「予想インフレ率」「予想実質金利」へのスリカエ

・「マネーストックが十分なのに、デフレが発生している」という事態に、視点の転換を行う

①デフレ予想下では貨幣を保有しているだけで貨幣価値が上昇。貨幣は支出されず退蔵。需要不足が発生
→ この退蔵されている貨幣を支出に向わせば巨大な需要が生まれる、というもの。

②「予想実質金利の低下」というキーワード
 実質金利=名目金利-インフレ率 / 予想実質金利=名目金利-予想インフレ率 
→ 予想実質金利が、デフレ化では上昇したことが投資を抑制。十分なマネーストックが需要を生まなかった。

・今回の「量的・質的金融緩和」の狙いは、大量の国債購入で名目長期金利を引下げつつ、予想インフレ率を引上げることで、予想実質金利を引上げるというもの(黒田「デフレ克服」講演)

(メモ者 池田信夫氏は「実質金利は市場で資本収益率によって決まるのだ。実体経済が変わらないのに、中央銀行が自由自在に金利や物価をコントロールできるというのは、リフレ派の脳内だけにある妄想だ。」と述べている)

●「金利低下」を描くデータ根拠のずさんさ

 リフレ派の主張は、現実と一致しない。

①名目金利だけでなく、実質金利も極めて低水準で推移

 消費者物価下落率は、過去15年の累積で、わずか4.1%/年率では0.3%
→ その結果、実質金利も1%台という歴史的にも極めて低水準で推移
→ この低水準の実質金利負担で投資できない。/ 投資による収益水準が極めて低いことを意味する。

②マネタリーベースの増大は、予想インフレ率も上昇させることはできなかった。

 FRB(リフレ派が模範と推奨) リーマンショック後に、マネタリーベースを4倍増
→ 金融システムの崩壊を回避し、いっそうの経済危機深刻化を阻止するのには貢献した
→が、予想インフレ率は上昇しなかった FRB経済レター2012/7/9

・が、日本では急上昇、10月時点で1.6%に/ 予想実質金利低下の根拠とされた
予想インフレ率 BEI(ブレーク・イーブン・インフレ率 国債名目金利-物価連動国債金利)

・データのずさんさ~ BEIは、市場の実態を反映していない
岩田副総裁 BEIが唯一の正しい予想インフレ率。「日銀当座預金残高が10%増えると、予想インフレ率は0.44%上がる」と主張してきた
→ 確かに米国ではBEIは、予想インフレ率の1つのモノサシとして重視されている/その市場規模は国債市場の8%。が、それでも市場の小ささ、流動性の低さから正確ではないとされている

→ 日本では米国以上に、物価連動国債の市場が成立していない。
2013.9時点 発行算高3.4兆円/さらにBEI計算に使用する最も残存期間の長い第16回債は、残額は3600億円しかない。/しかも日銀が買いオペで1/3にあたる1230億円を保有し、価格操作している。
⇒ 市場規模3000億円程度の物価連動国債で、予想インフレ率を見ることに到底合理性はない

・しかも、そこには消費税増税の要因の反映/ さらに通常の長期国債の利回り自体が、発行額の7割相当を日銀が購入し、低金利に誘導
⇒ 通常の市場による利回り形成とは言えないもの

・マネタリーベースとマネーストックの連動が崩壊した現実のもと、マネタリーベースの増大のみをもってインフレが発生すると予想しろ… 経済的合理性の欠如 / かつ、いびつな市場のデータを持って、予想インフレ率を算出しても、そんな「おまじない」を誰が信じるのか。


【4】デフレが不況の原因なのか?

・リフレ派  実態経済における需要不足の結果としての物価下落を、物価下落ゆえの不況にすりかえ

・現実 日本の消費者物価の下落 年平均0.3%、インフレ率2%を物価安定というなら、日本の現実は、極めて物価が安定して状態と呼べる
→ 賃金(所得)が不変なら、デフレは家計の購買力の向上を意味する/ 0.3%程度の貨幣価値の上昇が貨幣退蔵を生み出すのは現実的でなく説得力を欠く。購買力増大による消費活性化効果を無視するのも間違っている。

・経済学の価格メカニズムのイロハ ~価格の下落が需要を増大させる /リフレ派はその逆を主張する
→ リフレ派 デフレにより、売上げが落ち、収益を低下させ、実態経済の不況を引き起こす
→ が、価格低下により販売量が増大すれば販売額は低下しない/ デフレにより債務の名目返済額の実質負担が増大するとリフレ派は主張するが、仕入れ価格や借入資金額が減少し相殺される

・デフレが、リフレ派の言う貨幣的現象であり、貨幣価値の変動による物価変動であるなら、それ自体は「デノミ」と変わりなく、実態経済には中立的
→ 実際、日銀「生活意識に関するアンケート」では、物価下落は低下する賃金のもとで歓迎されている。

【5】異次元のリスクへの突入

●「インフレ抑制」と「デフレ克服」の非対象性

*岩田副総裁 インフレ目標採用国は高いインフレだけでなく、デフレを阻止することも低インフレを維持すことも同じように重要であると考えている」(「インフレとデフレ」)

・インフレターゲット政策は、高インフレの抑制策として導入され成果を発揮してきた
→ そこから「目標インフレ率」だけを取り出してデフレ克服にも有効と主張するのがリフレ派

・「デフレ克服にも成果をあげている」(リフレ派)という主張のごまかし

 NZ 1990年にインフレターゲット政策を導入したときには、スタグフレーション(不況と物価上昇の同時進行)の克服を目的にし、高インフレの克服と不況の克服を実現したのは事実
→ これを根拠に「デフレ克服」にも有効と主張する際、「デフレ克服」を「不況克服」の意味で使っている
→ アジア通貨危機後の98-99年に物価上昇率がマイナスに陥ったのを金融緩和で克服した、と主張するが、NZでは物価上昇率がマイナスになったことはない。/インフレ率の低下を「デフレ」とすりかえている。
⇒ デフレ下での成功例がないにもかかわらず「日本がはじめて実施する政策ではなく」とごまかし。

・現実には、金融政策はインフラ抑制とデフレ克服では全く政策効果が異なる

①インフレ抑制  
 中央銀行は名目金利の引き上げを上限なく実施でき、実質金利をコントロールできる。/ マネタリーベースの縮小を通じて直接に銀行の貸出能力に抑制をかけることができる。

②デフレ克服  
 名目金利をゼロ以下に下げることが出来ず、実質金利をコントロールできない。/ マネタリーベースを増やしても銀行の貸出行動そのものを操作できない。

→ そこで、予想インフレ率の操作を通じて、実質金利をコントロールするという主張な流れるが/ 予想インフレ率の操作自体が不可能。

・インフレの危機を軽視するのもリフレ派の特徴

 岩田「どれだけインフレ目標付きで長期国債買いオペを進めれば、デフレが終息し、2%のインフレになるかは、最終的には『やってみなければわからない』」「2%を恒常的に超えるような…場合には、日銀は金融政策引き締めに転じればよい」「インフレ目標を設定して運営している国で、ハイパーインフレになった国は1つも存在しない」(「まずデフレをとめよ」)

●予想される危険

①名目金利の上昇

・国債の大量買取で生じたインフレの昂進を食い止めることは極めて困難
 仮に「異次元の金融緩和」で、目標どおりマネタリーベースが270兆円に倍増、物価目標も達成すると
→ 名目金利の上昇は避けられない(リフレ派は、デフレギャップが存在するもとでは、予想インフレ率上昇が進んでも名目金利は上昇せず、実質金利の低下が実現する、と主張する/ とすれば、デフレギャップが解消され、インフレが現実に発生すれば、名目金利の上昇は避けられない)
→ 名目金利の上昇とともに、国債価格の暴落が発生
→ 民間金融機関、日銀に巨額の損失をもたらす

②80年代を上回るバブル膨張

・リフレ派/ 現在、マネタリーベースの増加がマネーストックの増加に結びつかないのは、ゼロ金利では「流動性の罠」で金融緩和策の有効性が失われているから。/実際、ゼロ金利政策で貨幣乗数が崩壊
→ 名目金利上昇、ゼロ金利状態が終われば「流動性の罠」が消滅
→ 金融緩和政策の効果が「正常化」し、貨幣乗数が、ゼロ金利政策以前の98年に水準になると/ 270兆円のマネーベースは、2900兆円のマネーストックに相当する。

・このマネーストックは、98年当時のマーシャルのK(一国の経済活動を表すGDPにとって、通貨供給量が適正水準にあるかどうかを判断するための指標)で言えば2500兆円のGDPに相当
→ 現在の475兆円のGDPに対し、凄まじい過剰流動性が発生し、実態経済で吸収できないマネーが貨幣市場に流れ込み、巨大バブルを引き起こす危険は明瞭

③インフレ阻止が不可能に

・金利引き上げによる金融引き締めは、リフレ派の言うように、すでに過剰に存在しているマネーが支出、投資に向うことを促進し、いっそうのインフレを招く危険性が高い。

(メモ者 金融引き締めによる債券価格への影響が大きすぎると目されれば資産バブルへの対応が遅れ、それを市場に見越されればますます資産バブルは加熱する。 特にインフレ率が低いまま資産バブルが加熱した場合は中銀の対策が後手に回ることが見えており、非常に困難な舵取りが迫られることになる。)

・さらに実質的な日銀による国債の直接引き受けにより支えられている国債市場は/ 買いオペの停止どころか、売りオペによる資金吸収への転換で崩壊する~ 過剰流動性を吸収するために日銀は売りオペでマネタリーベースを縮小させなければならない。が、暴落状態の国債を日銀から買う金融機関はない。

→ 資産パブル発生下では、日銀が大量に保留している国債の売りオペは機能しえないし、強行すればそのリスクに見合う高利回りでの売りオペが余儀なくされ巨額の損失を日銀にもたらし、中央銀行としての信認を
崩壊させる。

・異常な金融緩和によるバブル依存のインフレ経済は、わずかな金融引き締めにも過剰な反応を示し、バブル崩壊による実態経済の崩壊を結果とする。/GDP20%に満たない現在のFBRの金融緩和の縮小に対する市場の反応の大きさを見たとき、その困難さは理解されなければならない。 

(メモ者 景気後退の原因になるまでインフレが進行したら、金利引き締めによるさらなる景気悪化をもたらすので/ さらに国債の暴落となれば新規国債が発行できるのか、高利回りの発行による国債費の拡大など国家財政の破綻に直結する)

●スタグフレーションの軽視

・リフレ派の特徴/ インフレの危険性の軽視~ インフレ発生でデフレを克服するという論理には、インフレのマイナス面が欠落。/が、2%のインフレ率のコントロールが不可能な場合、スタグフレーションを招く危険性が極めて高い

①給与が下がったままでの物価上昇先行
→ 輸入商品価格の上昇で、消費者、中小企業を困難にする

②予想インフレ率上昇に対応した長期金利の上昇
国債の売買は、投資需要とは独自の国債ビジネスの需給で行われる。/日本の国債の収益率(実質金利)が低下するとみなされれば、国債ば売却され、他の金融資産へ資金移動が発生/ この意味で実質金利は国際的な金融取引で決定される
→  予想インフレ率分だけ名目金利が上昇 / それどころか、国債価格の下落リスクを回避したい金融機関の国債売却が増大し、長期金利の急騰が発生

・期待によるバブル依存のインフレ率上昇は、実体経済を活性化させず、むしろ破壊的影響を及ばすのであり、スタグフレーションを招く。

◆終わりに

・「異次元の金融緩和」が円高と株高をもたらしたという唯一の明確に見える「成果」も、海外の投機的なマネー運動に依存したもの / アベノミクスの期待がはげ落ちる中、「異次元の金融緩和」の発動以降、逆に停滞

・現実には外国為替相場は 
①購買力平価の変化 ②貿易収支の黒字・赤字の変化 ③各国間の金利差や経済的ファンダメンタルズの変化に基づく国際的取引によって決定される。

→ 重要なのは、基軸通貨ドル体制の下での過剰ドルによる外国為替取引の膨張のもとでは、巨額のマネーの通貨・金融資産の選択が外国為替相場を決定していおり、円の増加そのものは直接には影響を与えない。


・突出した「異次元の金融緩和」にもかかわらず、その効果が乏しい中、さらなる金融緩和策が日銀内部で議論されているという

→ が、国債購入で民間銀行に流れ込んだ資金は、国内の実態経済に向わず、グローバルな登記の資金源となり、量的緩和の縮小を模索するFRBの出口戦略を補完する役割を担わされる危険性を持つ
→ また、「異次元の金融緩和」は、期待による株価上昇を推進するため、短期的利益最優先の経営戦略、新自由主義の政策実行の圧力を高め / デフレの原因である「構造改革」を促す役割をもつ。
(メモ者 インフレ昂進による長期金利の上昇は、財政出動の抑制、財政再建への圧力=消費税増税、となる)

・「異次元の金融緩和」は、日本経済を「異次元の危険ゾーン」に追いやっている。

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