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懐疑論乗り越え「疑う余地なし」 温暖化対策

 温暖化について「今回の報告は、様々な批判や懐疑論を踏まえたうえ、世界の気候学者らが改めて温暖化の進行と脅威を確認した点で意義が大きい。」「気温上昇の鈍化の原因も近年は海が熱を吸収し温まっているためだとわかった。海の生態系への悪影響が心配なうえ、いずれ大気の温度上昇も避けがたい。」(日経)。
これが世界の到達点である。

 「原発推進論者の陰謀」説を恥ずかしくもなくく主張するテレビ番組の特異性には唖然とした(改憲、慰安婦も同様だが・・・)。

 その上で、熱効率の向上の上昇による省エネルギーこそ当面の要であり、それに再生可能エネルギーの推進がセットがすすむ(再生エネは、地域分算型経済による持続可能な地域社会をつくるという点、エネルギーの安全保障の点で別の重要性がある。)
こうした規制の強化は、コンバイントサイクル発電、自動車などで高い技術をもつ日本にとってチャンスとなりうる。最近では、東京都のディーゼル規制はそのよい例である。

【懐疑論を超え温暖化抑止に行動を  日経10/1】
【IPCC第五次評価報告書 危機を回避するために日本でも叡智ある選択と行動を 気候ネット9/27】
【温室効果ガス排出削減目標の大幅後退は容認できない 10/2 気候ネット】

【懐疑論を超え温暖化抑止に行動を  日経10/1】

 地球温暖化の進行は「疑う余地がない」とする報告書を国連の作業部会が公表した。
 猛暑や豪雨など異常気象が頻発し温暖化はもはや現実の脅威といえる。世界各国が足並みをそろえて温暖化ガスの削減に取り組むことが急務だ。日本政府は新たな削減目標を早く決め、必要な政策を講じる責任がある。
 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第1作業部会が報告書を公表したのは6年ぶり。21世紀末の地球の平均気温は2000年ごろに比べて、最も高いケースで4.8度上昇するなどとした内容は、前回報告とおおむね同じだ。同じであることに、今回は重要な意味がある。
 前回の報告書が出た後、記述内容に誤りが見つかり、IPCCは報告の作成手順を改め、点検を厳正化した。また気候学者らが私的にやりとりした電子メールが暴露され、温暖化の科学への信頼を揺るがせかねない誤解を生んだ。
 さらにここ10年ほど世界の気温上昇のテンポが鈍っているため、温暖化の進行そのものに疑問を投げかける声もあった。
 今回の報告は、様々な批判や懐疑論を踏まえたうえ、世界の気候学者らが改めて温暖化の進行と脅威を確認した点で意義が大きい。
 気温上昇の鈍化の原因も近年は海が熱を吸収し温まっているためだとわかった。海の生態系への悪影響が心配なうえ、いずれ大気の温度上昇も避けがたい。
 一方、この6年間、世界の温暖化対策は停滞した。国連の会議は各国の利害調整ができず、今世紀末までの気温上昇を「2度未満」に抑えると決めたものの、その達成は年々難しくなるばかりだ。
 日本政府はいったん国際社会に約束した「20年までに温暖化ガスを1990年比で25%削減する」目標を白紙に戻す方針だが、代わりの目標を打ち出せないでいる。
 原子力発電所の稼働数が見通せず、原子力や火力などの電源構成が決まらないからだという。しかしこれは考え方の順序が違う。
 温暖化ガスの削減目標は将来の電源構成が定まった後に決めるものではない。削減目標が先にあり、火力や原子力、再生可能エネルギーをどう組み合わせるかの判断基準とするのが本来だ。
 政府は新削減目標と対策を早期に示し、温暖化抑止に向けた国際協力体制の強化を後押しする役割を果たすべきだ。

【IPCC第五次評価報告書 危機を回避するために日本でも叡智ある選択と行動を 気候ネット9/27】

認定NPO法人気候ネットワーク 代表 浅岡美恵

 本日27日、スウェーデンのストックホルムにおいて、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書第一作業部会による最新報告書が発表された。新しい報告書では、気候変動が人間の温室効果ガスの排出によって起きていることが、これまで以上に確実であると示された。今まさに地球の気温が上昇し、北極海氷や氷河が溶け、海面上昇が加速化しており、日本国内でも洪水や各地最高気温の記録更新など異常気象が多発している事態の深刻とともに深く受け止めなければならない。加速的に進行する気候変動の脅威を防ぐために残された時間はなく、温室効果ガス排出削減対策の先送りは決して許されない。

 今、日本政府の地球温暖化対策は、気候変動の深刻な影響や緊急性に対する認識が極めて希薄だと指摘せざるを得ない。2009年9月に国連で鳩山首相(当時)が2020年に1990年比25%削減を表明したが、その後、実効ある対策には踏み切らず、キャップ&トレード型排出量取引など包括的な対策を実施するための地球温暖化対策基本法の制定にも至らなかった。2013年からはじまった京都議定書第二約束期間の下で排出削減義務を負わず、自民党に政権が交代してからは、2020年の中期目標もゼロから見直すと安倍首相が公言し、未だに中期目標すら示せていない。そして、石炭火力発電所の稼働を増やし、2009年度にリーマンショックの影響下で一時的に減ったCO2排出量は翌年から増加に転じ、2011年度には90年比3.7%の増加となった。2011年の東日本大震災以降、原発の停止は火力発電所の稼働につながり排出増の一部要因にはなっているものの、グリーン経済を成長させ大幅削減に向けるための抜本的対策を先送りしてきたことが、排出増の最大の要因である。

 日本は、原発問題や温暖化対策の課題が山積する中で、2020年に東京にオリンピックを招致することになった。まず、節目となる2020年の削減目標を国際社会にしっかりと示し、2050年80%以上削減するという長期目標に向けた道筋を描いていくことが必要だ。

 そして今、私たちに求められているのは、IPCCの新しい報告書で示された気候変動の深刻な状況を受け止め、持続可能な社会に向けた未来に向けた選択をし、エネルギー多消費型の重厚長大な産業構造から大きく社会の舵をきる覚悟をし、行動をとっていくことである。日本政府が、これまでのように原子力や化石燃料に依存するのではなく、再生可能エネルギーと省エネルギーを温暖化対策の柱に位置づけ、大胆なエネルギー・環境政策の転換に向けてイニシアティブをとることに期待したい。

以上

【温室効果ガス排出削減目標の大幅後退は容認できない 10/2 気候ネット】

 認定NPO法人気候ネットワーク 代表 浅岡美恵

 昨日、10月1日の関係閣僚会議において、日本の温室効果ガス削減目標を2020年までに2005年比6%か7%減程度とする方向で調整に入ったと報じられました。同日の記者会見で菅義偉内閣官房長官はこの報道内容を否定していますが、ここで示された削減は実質1990年の基準年よりも増え、京都議定書第一約束期間の6%削減よりも緩いものであり、もしこのような方向での検討をしているとすれば、到底、市民社会や国際社会から受け入れられる数字ではありません。

 先週、IPCC第5次評価報告書第一作業部会の報告書が発表され、地球温暖化が人類の活動によるものであることはほぼ確実で、気温上昇や海氷や氷河の融解、海面上昇の推移などについての非常に厳しい現状と将来予測がつきつけられました。この報告書に基づき、各国政府は、温室効果ガスの大幅削減に向けた行動と選択をすることが求められています。
 気候の危機を回避するために、気温の上昇を産業革命よりも前に比べて2℃におさえるという国際合意がなされています。そして、世界第5位の温室効果ガスの大量排出国である日本には自ら削減する非常に大きな責任があり、そのための目標設定と行動を示すことが重要です。
 2009年に国際的に発表された1990年比25%削減という日本の2020年目標を、安倍首相はゼロから見直すと表明し、来月ワルシャワで開催されるCOP19 までに日本として新しい削減目標を提示するかが注視されています。しかし、報道のような後退する方向で検討されるなら、気候変動問題へも国際交渉にも全く貢献できないものになりかねません。

 2009年の麻生政権時、中期目標検討委員会で示された中期目標の選択肢でCO2排出量を90年より増やすオプションや京都議定書の目標値よりも低いオプションが提案され、国際的にも非難の声があがりました 。その当時よりもさらに後退する目標を提示するようなことになれば、世界からさらなる批判を浴びることは明白です。

 日本として、COP19前に2020年の削減目標を設定することは不可欠です。そして、その際には、以下のポイントを踏まえるべきです。

1.科学が示す必要なレベルの削減目標であること
 気候変動による破滅的な状況を回避するためには、産業革命以前からの全球平均気温の上昇幅を2℃未満に抑えることが不可欠です。「気温上昇幅を2℃未満に抑える」という目標は、2015年頃までに世界の排出量のピークを迎え、その後急速に減少方向へ向かわせることを意味します。この達成に向け、先進国は、全体として、最低でも1990年比で2020年までに25~40%の削減という目標を設定する必要があるとされています。
しかし世界各国の削減目標水準はこの目標に届かず、国際交渉では2020年までの削減レベルの引き上げが議論されており、COP19の重要なテーマとなっています。その中で、日本が「1990年比25%削減」を下回る削減目標に引き下げれば、排出削減努力の引き上げによって排出ギャップを埋めようとする世界の取り組みに水を差すだけです。日本の目標は、科学に基づく野心的なものとすべきです。

2.「原発ゼロか温暖化対策か」の二者択一ではない方向性を示すこと
 東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、今国内の原発はすべて停止しています。福島原発事故で多くの人たちが避難生活を強いられ、現場では命がけの作業が行なわれています。また、福島原発事故の原因は解明されず、いまだに放射性物質が大量に環境中に垂れ流され、きわめて深刻な事態になっています。そのような状況下、原発再稼働を前提とする議論は到底受入れられず、かつてのように温暖化対策の柱にすることは全く現実的ではありません。
他方、原発ゼロとすることで火力発電所を増やしCO2排出を増やしていいということにはなりません。2020年に原発ゼロを前提に、再生可能エネルギーの導入と省エネルギーの積極的な強化によって、温暖化対策を犠牲にせず、削減可能性を最大限引き出す目標とすべきです。

3.基準年は1990年比で示すこと
 京都議定書では1990年を基準年としてその削減目標が定められ、日本は第一約束期間(2008年から2012年)において、6%削減の義務を負い、「2020年25%削減」の目標も1990年を基準年としていました。
しかし、今回報じられたような2005年を基準年とすることは、1990年の排出量から7.8%も増加している年であり、削減数値目標を大きく見せるためのごまかしでしかありません。姑息な「基準年ずらし」はしないよう求めます。

4. 透明性のあるプロセスで決定すること
 安倍首相の指示を受け、現在、環境省の中央環境審議会と経済産業省の産業構造審議会の合同部会において審議が行われています。しかし、これまでの審議では具体的な削減目標数値についてのオプションなどの検討は一切行われていません。公開の議論が全くない中で、報道では、10月1日の関係閣僚会議において目標の調整について議論が行われ、そのプロセスも根拠も全く不透明です。今後の環境・エネルギー政策方針にとって極めて重要な中期目標に関する議論は、このような形で密室で審議し、決定すべきではありません。上記の論点もふまえ、経済界など一部のステークホルダーだけではなく、NGOや市民の参加の機会をつくり、透明性を確保したプロセスを通じて民主的に決定するべきです。

以上

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