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秘密保護法案 ~戦争する国づくりのへの布石(メモ)

 自公政権がめざす「特定秘密保護法案」。
 国家機密の情報漏えいを防ぐための「防衛」「外交」「安全脅威活動の防止」「テロ活動防止」の4分野のうち、秘匿の必要性が特に高い情報を行政機関の長が「特定秘密」に指定し、故意に漏らした公務員など最高懲役10年(現在の国家公務員法では最高一年、自衛隊法では五年)の罰則を科すというものです。
 
学習会の要望もあり、ざっくりしたところをまとめたみた。

≪法案の問題点≫

1.「特定秘密」の範囲を指定的に拡大できる

 「特定秘密」は、行政機関の「長」が別表で指定しますが、中身が「自衛隊の運用」とか「安全保障に関する外国政府との交渉」など抽象的でいくらでも拡大解釈できる危険があります。
しかも、そうした情報の漏洩(内部告発)や取得(取材活動)が処罰されることになれば、国民は政策選択における必須の重要情報を知る機会を失うことになります。

例① 原発の安全性に関わる問題は、原発に対するテロ活動防止の観点から「特定秘密」に指定される可能性があります。
 現に、福島原発事故では、東電は地震による影響を分析するためのデータを隠しつづけています。また政府は「混乱を避ける」として、メルトダウンを「燃料の損傷」と言い換え、スピーディの情報を隠し、住民の被曝を拡大しました。

例② イラク違憲判決では、外務省の黒塗り資料を、情報公開法にもとづき明かにし、米兵輸送を実施していた事実を明らかにしています。

2. 市民の知る権利、取材・報道の自由が侵害される

 「特別秘密」を漏えいする行為だけでなく、それを探る行為(「未遂、共謀、教唆、扇動」)も、「特定取得行為」として、処罰の対象とされます。
 「未遂、共謀、教唆、扇動」としていくらでも拡大解釈ができます。法案は「正当な取材行為は保護される」としていますが、何が「正当な取材行為」であるかは裁判所の事後的判断になります。重罰による威嚇効果のもと、政府による訴追リスクの増大は、取材者や内部告発者への大きな萎縮効果を及ぼし、取材・報道の自由を侵害するものとなることは明らかです。

例① 特定秘密を扱う取材対象者が、「記者に欺かれました」と証言しただけで、取材者は訴追される危険性があります。

3. 「特定秘密」は追及もできない・・・国会を形骸化

 国会の委員会などに示された公開されない秘密情報も対象となります。つまり国会議員が秘書や政党に情報を話しても罪に問われる可能性があります。
重要政策について国会追及もできない、国権の最高機関である国会が形骸化させるものです。

4. 行政情報の情報公開の流れに逆行する

 政府は、「各国に秘密保護法が存在する」と説明していますが、   各国での秘密保護法の存在は、行政情報に関する徹底的な情報公開制度の整備が前提となっています。また、一定期間が過ぎれば開示したり、個別の指定に対する異議や不服を受け付けて裁定する機関が存在し、秘密の指定が妥当かどうか検証する仕組があります。
 ところが、同法案は、ある情報が特定秘密に本当にあたるかどうか、国会でも裁判所でもチェックを受けません。政府に都合の悪いことは何でも隠すことが可能となります。

例① アメリカでは秘密文書を開示する仕組があり、核兵器持ち込みや在日米軍の活動に関し多くの密約の存在があきらかになっています。が、日本は密約の存在を認めていません。開示の仕組がないからです。
例② 誰が特定秘密の取扱者で、何が秘密かも秘密のため、公務員はあらゆる情報について口をつぐむように仕向けます。

5.  新法を作る理由(立法事実)がない。

 職務に応じ公務員には、国家公務員法ほか情報の漏洩を防ぐための法制度が完備されており、今日に至るまで制度不備が具体的に指摘された事実はなく、新たな法をつくる必要性がそもそもありません(日弁連意見書は漏洩事件について判決とその後の対策強化などを詳しく明かにしています。)

6.「適正評価政治」は、プライバシー侵害

 特定秘密情報を扱う人物を管理する制度。外国への渡航歴や、ローンなどの返済状況、精神疾患などでの通院歴等々多岐にわたり、公務員や業務受託を受けた民間人本人に留まらず、その家族や友人、恋人にも及ぶ可能性があります。

≪  法案の検討過程も秘密 ≫

 法案検討会議は非公開で議事録も作成されていません。毎日新聞は“関係省庁に情報公開請求をしたところ、法案の内容に触れる部分は「不当に国民の間に混乱を生じさせる恐れがある」として、ほとんどが黒塗りだった。”(10月3日)と報じています。国民から隠れてコソコソ作業すること自体が「不健全な体質を物語っている」(ペンクラブ声明)と言えます。 

≪ 「知る権利」は、憲法の前提 ≫

 国民が権力を縛る ・・・ 憲法が立脚する近代国家の原則です。その前提は、権力の行動をチェックできる国民の「知る権利」の保障です。その「知る権利」を制限しようとする「秘密保護法」は、憲法原則をまっこうから否定するものです。
 改憲、集団的自衛権行使とも一体となった「戦争できる国づくり」への布石です。

【反対の声次々と・・・】

・パブリックコメント 2週間に9万通。8割が反対。
・日弁連・意見書9/2「日本国憲法の基本原理を尊重する立場から強く反対する」
・日本ペンクラブ 9/17 「反対声明」
・オンブズマン全国大会9/8「行政監視活動を著しく妨害」と決議
・新聞協会・意見書10/2「国民の知る権利が損なわれる恐れ。強い危惧を表明する」
・東京新聞社説9/13「秘密保護法案 軍事国家への入り口だ」
・高知新聞社説9/26「秘密保護法案危険な本質は変わらない」
・女優の藤原紀香さんの発言(9.13)が話題になっています。
「もし国に隠したい問題があって、それが適用されれば、私たちには知るべき術もなく、真実をネットなどに書いた人が罰せられる…なんて恐ろしいことになることも考えられ、不安です」。

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