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暴力団排除と公契約条例

 今年度より公共工事の設計労務単価が約16%アップした。ここのアップ分がきちんと労働者に届くには、重層下請け構造(それ自体を解消する直接発注の方法もあるが・・・アメリカは確か、電気配線工事などのように種類毎に発注している)のもとでの元請と下請け、孫請けとの契約にきちんとチェックを入れる必要がある。
が、「民民の契約だから」「労使の問題だから」と、なかなか公契約法にハードルが高い。
 ところでみずほ銀の問題、高知県では土電の問題など暴力団との関係が問題になり、また復興工事など公共工事への暴力団関与についての報道も相次いでいる。
 暴力団排除の観点でも「公契約法」が必要ではないか。新たな切り口として行政に提起していきたい。
【暴力団、仮設工事関与か 下請けとトラブル 河北新報10/5】
【公共事業の工事現場 暴力団の違法派遣相次ぐ 静岡新聞10/5】

【暴力団、仮設工事関与か 下請けとトラブル 河北新報10/5】

 岩手県が発注した東日本大震災の仮設住宅工事に暴力団関係者が関わった疑いがあることが4日、複数の関係者への取材で分かった。暴力団とつながりがあるとみられる関西の男ら数人が県沿岸部の現場で働き、1次下請け業者との間で賃金支払いをめぐるトラブルが起きていたという。

 関係者によると、工事は東北の建設会社が元請けとなり、ともに関東の業者が1次、2次の下請けに入った。
 男らは2011年3月の震災後、国内最大規模の日雇い労働者市場がある大阪市西成区で、仕事をあっせんする手配師から「仮設住宅の工事がある」と声を掛けられたという。
 勧誘に応じ、同年夏ごろの数カ月間、沿岸部の建設現場で資材を運ぶなどした。そこで計数十万円の賃金不払いが生じたらしい。
 男らは東北の労働団体に相談し、団体が工事関係者に掛け合った。元請け会社は「賃金は支払った」と説明し、1次下請け業者は不払いを認めて支払いを約束した。
 男はその後、1次下請け業者と会い、「この電話に出てくれ」と携帯電話を手渡した。声の主は暴力団関係者で「俺を抜きに勝手なことはさせない。このままでは済まさない」と暗に支払いの増額を求めたという。
 やりとりを聞いた団体側は「男らが1次下請け業者をゆすろうとしている」と察し「暴力団の肩を持つわけにはいかない。不払い問題から手を引く」と警告した。
 男は「(暴力団との関与を)分かられたら仕方がない。なかったことにしてほしい」と答えたという。
 河北新報社の取材に団体側は「元請け会社と1次下請け業者、県に『不払いの事実はあったが、男らとの縁は切った』と伝えた」と説明。元請け会社の担当者は「団体側から結論についての連絡はあった」と話した。1次下請け業者は連絡が取れなくなっている。
 岩手県の担当者は「暴力団との関与が疑われる人物が沿岸部の現場で働いたとの情報は聞いていない。県警などと連携し、暴力団関係者が復興事業に入らないよう注意している」と話す。

◎地元暴力団 「中抜き」して利益 「必ず仕事入ると思った」

 岩手県内では震災後、地元の暴力団関係者が復興事業などの現場に違法に労働者を派遣し、賃金を「中抜き」したケースが相次いでいる。
 「必ず、岩手で復興の仕事が入ってくると思っていた」
 指定暴力団系幹部で土建業の60代の男は岩手県警の聴取に断言した。2007年の新潟県中越沖地震から約1年間、復興工事に携わり、もうけた経験があったという。
 幹部は岩手県大槌町の仮設住宅建設現場など3カ所に従業員9人を派遣したとして11年9月、労働者派遣法違反の罪で有罪となった。
 供述などによると、震災後、幹部の携帯電話には取引先から労働者の派遣依頼が相次いだ。地震で倒れた建物の工事、屋根瓦の撤去など仕事はさまざまだった。
 幹部は「日当は1万2000円。従業員は3人以上でないと出せない」などと交渉。従業員の日当は最大で約1万4000円に上り、幹部は約4000円ずつピンハネし、少なくとも約20万円を手にしていた。
 指定暴力団系組員で元人材派遣業の30代男は震災後、作業員の派遣を取引先の建設業者に打診。北上市の商業施設の復旧工事現場などに10人を送ったとして12年2月、労働者派遣法違反の罪で実刑判決を言い渡された。
 組員の供述などによると、報酬から自身の取り分を差し引き、作業員に給料を渡した。残金は生活費や車のローン返済などに充てた。
 捜査関係者は「反社会的勢力を追放する機運が高まっていて、暴力団は資金源に執着している。被災地に労働需要がある限り、違法派遣が繰り返される恐れがある」と警戒を強めている。


【公共事業の工事現場 暴力団の違法派遣相次ぐ 静岡新聞10/5】

 公共事業の建設工事現場に作業員を派遣したとして、暴力団関係者が労働者派遣法違反容疑で摘発される事件が今年、県内で相次いでいる。全市町が暴力団排除条例を定めて締め出しを図る中、公共事業が依然として暴力団の資金源となっている現状がうかがえる。違法な労働者派遣が横行すれば現場の安全管理が脅かされる恐れもあり、専門家は行政による監視強化の必要性を指摘している。
 県警は9月15日、浜松市発注の下水道工事の現場に従業員を派遣したとして、同法違反などの容疑で市内の暴力団組員らを逮捕した。組員らは市の事業を受注した会社に従業員を送り、約150万円の報酬を得た疑いが持たれている。7月には静岡市などが発注した工事の現場に労働者を派遣した疑いで、同市の組員らを逮捕した。
 労働者派遣法は建設工事に関し、他社が指揮する現場への従業員派遣を禁じている。安全管理に対する責任の所在が不明確になるためだ。ただ、下請け構造が入り組む現場では複数社の従業員が混在し、違法派遣は発覚しにくいとされる。
 静岡労働局は年間数百件の現場で調査や是正指導をしているが、「工事は何千件とあり、全ての調査は困難」(同局)。県警捜査員は「発覚しないケースも相当数あるはず。反社会勢力が入りやすい環境がある」とみる。
 暴力団絡みの違法派遣事件はこれまでも頻発してきたため、県や市町は公共事業からの暴力団排除を強化している。暴力団と無関係であることを入札参加の条件としたほか、関係が発覚した場合は契約を打ち切るとの規定も一般化してきた。
 しかし、県建設業課によると、規定の対象は県と直接契約を結ぶ元請け会社のみ。仮に下請けに法令違反や暴力団との関係が見つかった場合でも、元請けには是正や通報の努力義務が課されるにすぎず罰則はない。市町もほぼ同じ内容だ。
 県弁護士会民事介入暴力対策委員会の松田隆広委員長は「下請けを含めた監視を強化し、元請けの監督責任も厳しく問う流れが必要。県や市町が率先して暴排の姿勢を示すべき」と指摘している

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