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秘密保護法~国会の自殺行為

・「特定秘密」を国会議員に見せるかどうかは官僚の裁量
・見せてもらった国会議員が他の人に見せたり話したりしたら5年以下の懲役刑(専門家の意見を聞く、党内で論議する・・は不可能)。
・国会(議員)は行政機関の不正などを追及することはできない。
→ 国会(議員)が自ら国権の最高機関性(憲法41条)を放棄するもの。

 関連して、軍事ジャーナリストの田岡氏の秘密情報をとりあつかう「適正評価」の指摘も興味深い。“官僚が予算や政策への支援を求めて国会議員会館を訪れ、党の幹事長、政調会長、有力な族議員などに「ご説明」に回る慣行”もアウトになる。

国会議員も蚊帳の外におかれ、官僚の追認機関になりさがる。「そういう国会(議員)でよい」と考える時点で、そもそも国会議員失格である。そういう議員が法案審議するこの矛盾。

【特定秘密保護法案の成立は国会の自殺行為だ!だれが切望している法律なのか 清水勉・日弁連対策本部事務局長 10/28】
【点検 秘密保護法案】 <6>国会 政府監視 自ら放棄 東京10/9】
【日本に「スパイ防止法」がないは誤り 焦点ボケの「特定秘密保護法」は古色蒼然 田岡俊次10/31】

【特定秘密保護法案の成立は国会の自殺行為だ!だれが切望している法律なのか 】 

清水勉さん(弁護士・日本弁護士連合会情報問題対策委員会委員長・秘密保全法制対策本部事務局長)

去る10月25日、政府は、特定秘密保護法案(「法案」)を閣議決定し,衆議院に提出しました。

 法案の骨格は、官僚が、一定の情報を「特定秘密」に指定して、これを適正評価制度で適性と判断された者だけを取扱者とし、それ以外の者に内容を知らせることを漏えいとして処罰し、「特定秘密」を「著しく不当な方法」で取得したり、取得しようと計画したりすることも処罰するというものです。
 この法案に対する国会議員の態度はとても不思議です。

 民主党政権のときから法案の準備が始まっていましたが、どのような法案が作られようとしているのかを知っている国会議員はほとんどいませんでした。自民党・公明党政権になってからも同じです。ですから、積極的に賛成と言えるはずなどなかったのです。しかも、最近になって明らかになった法案の内容によると、「特定秘密」を国会議員に見せるかどうかは官僚の裁量。見せてもらった国会議員が他の人に見せたり話したりしたら5年以下の懲役刑という罰則が用意されていました。これでは、国会(議員)は行政機関の不正などを追及することはできません。そのことがはっきりしているにもかかわらず、法案の内容もはっきりわからない時点から、与党の国会議員のほとんどが、さらには野党議員の一部も賛成するだろうと予想されています。

国会(議員)が自ら国権の最高機関性(憲法41条)を放棄してしまおうというのですから、驚きです。まるで、行政監視は自分たちの仕事ではないと言わんばかりです。小選挙区制のゆえ公認候補、政党助成金がほしいばかりに、思考停止になって考えないようにしているとしか思えません。

 我が国にはすでに秘密保護法はあります。国家公務員法、外務公務員法、自衛隊法、MDA法、刑事特別法などです。処罰されることになれば、懲戒免職になるでしょうから、経済的困窮は必至です。それを更に広く重く処罰する必要があるのか疑問です。

 法案では、「出版又は報道の業務に従事する者の取材活動」を尊重するような規定が設けられていますが、「業務」にしていない人の取材活動は尊重されませんし、取材する側が処罰されなくても、取材対象者が重く
処罰されるのでは、取材の自由、報道の自由が守られたことにならないのではないでしょうか。

 そもそも法案の第1条によれば,「高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴いその漏えいの危険性が懸念される」ことが立法の動機になっています。そうであれば,情報管理システムの適正化こそが法案の中心になるべきです。ところが,法案ではこの点に関する基本構造や管理ルールなどの規定は全くありません。取り扱う者の監視や処罰の強化ばかりを強調する規定内容になっており,第1条の目的にまったく適合していません。
 
このような乖離が起こるのは,なぜでしょう。この法案を作った官僚たちの目的が,そもそも「高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴いその漏えいの危険性」に対抗することにないからです。「特定秘密」を指定する官僚たちにしてみれば、自分たちが秘密指定した情報に国会議員も国民も近づけさせないことこそが目的なのです。

 かつての国家秘密法との対比で見ると、法案の特徴は、公安警察が扱う情報が広く「特定秘密」にできることになっていることです。「特定有害活動」の定義には、「公になっていない情報のうち・・・その他の活動であって、外国の利益を図る目的で行われ、かつ、我が国及び国民の安全を著しく害するおそれがあるもの」という無限定なものが含まれ、「テロリズム」の定義には、「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要するための活動」が含まれており、反原発活動や反TPP活動も含まれるようになっています。

公安警察が様々なこじつけをして、様々な人々の様々な個人情報を勝手に収集し、勝手に利用し、これに疑問を抱く人が公安警察活動を暴こうとすると、逮捕され、家宅捜索をされ、携帯電話やパソコンなどを押収され、中の情報をすべて見られ、すべてコピーされ、何に利用されるかわからないという事態が、平然と起こります。検察が起訴猶予にしてくれれば、公安警察は特定秘密の内容を公開法廷に出さなくて済みます。
 公安警察の強化が必要な時代なのでしょうか。そのことからまず考えるべきです。


【点検 秘密保護法案】 <6>国会 政府監視 自ら放棄 東京10/9】

 政府が指定する「特定秘密」は、憲法で「国権の最高機関」と位置づけられる国会や国民の代表である国会議員でも原則として中身を知ることはできず、議論もできない。
 国会には憲法で定められた国政調査権があり、政府は「正当な理由」なく資料提出要求などを拒否できないが、今回の法案は国政調査権より「国の安全保障に著しい影響がある」として、秘密保全を優先している。
 閣僚などの政務三役は特定秘密を扱えるが、漏えいすれば罰則の対象になり、公務員と同じく最高懲役十年。同じ政党の同僚議員に教えることもできず、議論さえできない。
 法案では、例外として、非公開の委員会など(秘密会)に提供できるとしている。出席した国会議員がその情報を漏らせば、最高懲役五年だ。
 ただ、議員の調査活動を補佐する秘書や政党職員に伝えた場合が違法になるかどうかは決まっていない。
 さらに問題を複雑にしているのは、「両議院の議員は、議院で行った演説、討論について、院外で責任を問われない」と規定する憲法五一条との関係だ。
 例えば、秘密会で特定秘密を知った議員が国民に伝えるべきだと判断し、本会議や委員会で明らかにしても罪にならない。政府から見れば秘密会の意味がなく、最初から特定秘密を提供しなくなる恐れがある。
 法案に反対する伊藤真弁護士は「国会が行政を監督するのに必要な情報を得られなくなり、議院内閣制は崩れてしまう。情報を持つ者が、持たない者を支配する『官僚政治』が進み、国民が主人公の国ではなくなる」と警戒する。
 重要な情報が「特定秘密」にされてしまえば、国民の代表が政府を監視する国会の機能は削(そ)がれ、政府の歯止め役にならない。国会がこの法律を成立させることは、自らの手で憲法で与えられた役割や権利を放棄することになりかねない。

【日本に「スパイ防止法」がないは誤り 焦点ボケの「特定秘密保護法」は古色蒼然 田岡俊次10/31】

だが冷戦時代と異なり、ロシアは日、米ともまずまずの友好国だし、中国は日本の最大の輸出市場だ。今日の米国は「財政再建・輸出倍増」を国家目標とし、そのために重要な中国に対し「封じ込め」(コンテインメント)は考えず「抱き込み」(エンゲージメント)を目指すことを表明し、努力している。その状況の中で公務員の親族がどの国の国籍なら「適性なし」と判断するのか疑問がある。たとえば配偶者が日本国籍を得ていても、その父母、兄弟、姉妹が中国にいれば秘密は扱わせず、事実上昇進で差別するのだろうか。 また国際関係では敵味方が逆転することもよくある。たとえばイランが米国の友邦だった時代にイラン女性と結婚した日本外交官はイランが革命後米国と敵対関係になり、妻の親族がイランにいれば、米国は情報漏れを警戒するから、秘密取扱い資格を失い、辞職するか離婚するかを迫られるのか、また最近イランと米国は和解しそうで、そうなれば「適性」が回復するのか、などなど極めて厄介な問題を抱え込むことになる。

また大臣、副大臣、政務官など政治家や、官僚出身でない補佐官らの「適性評価」をどうするか、も問題だ。彼等の就任後、親族や行状を調査し、もし、酒グセが悪いなど「適性を欠く」となれば、この法案別表にある防衛、外交、警察行動に関する秘密は伝えないなら、決裁も貰えなくなる。
彼等を例外にしても、官僚が予算や政策への支援を求めて国会議員会館を訪れ、党の幹事長、政調会長、有力な族議員などに「ご説明」に回る慣行は、秘密の取り扱い資格のない人に秘密を漏らす行為だ。もし政治家がこれまでにもよくあったようについ記者などに話し、漏洩問題が生じると、官僚は最高で懲役10年になりかねない。「自縄自縛」の法案だ。 

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