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秘密保護法~権力が国民を監視/自民改憲草案と同根

 自民党の改憲草案は、権力を国民が監視するという近代国家の原則をなげすて、国家が国民を縛るものになっている。やたら多い義務規定。「・・・を侵してはならない」という規定から「・・・を保障する」と国民から国家への主語の転換。「公益 及び公の秩序」による権利の制限。
 国民を監視の対象とする秘密保護法は、自民改憲草案と同根。
 TPP・新自由主義、集団的自衛権・海外派兵、原発・・・ 多国籍企業の利益第一、国民抑圧・犠牲の国づくりへの道である。

【「特定秘密の保護に関する法律案」についての意見 自由法曹団 9/17】
【秘密保全法制の制定を阻止しよう 9/8 全国市民オンブズマン大会】
【「特定秘密の保護に関する法律案の概要」に対する意見書 日弁連9/12】


「特定秘密の保護に関する法律案」についての意見 

1 特定秘密の保護に関する法律案の法案提出に断固反対する

 2010年11月に尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突映像が、現職海上保安官の手でインターネット上へ流出したことを「契機」に、当時の民主党政権において特定秘密保護法制定の動きが急浮上した。2011年1月に「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」(以下、「有識者会議」という。)が設置され、同年8月8日、上記有識者会議が「秘密保全のための法制の在り方について(報告書)」(以下、「有識者会議報告」という。)を政府に提出した。これを受けて、政府は、同年10月7日、12年通常国会に「秘密保全に関する法制の整備のための法案」を提出することを表明した。結局、民主党政権下において法案が提出されることはなかったが、特定秘密保護法制定の動きは第二次安倍政権に引き継がれることとなり、報道によると、国家安全保障会議設置関連法案の成立と同時期の成立を目指し、13年秋の臨時国会に、「特定秘密の保護に関する法律」として法案提出が目指されているとのことである。

 政府はこれまで、有識者会議における審議内容等の法案制定過程を、意図的に市民の目から隠蔽し、法案そのものはもちろんその概要すら明らかとしてこなかったが、13年9月3日にいたって「特定秘密の保護に関する法律案の概要」(以下「法案概要」という。)を公表し、意見募集を開始した。

 全国で2000名余の弁護士が加盟する法律家団体である自由法曹団は、「特定秘密の保護に関する法律案」(以下「特定秘密保護法案」という。)について、国民の憲法上の権利を侵害し、議会制民主主義や三権分立を脅かす重大な問題があると考えているので、特定秘密保護法の法案提出に絶対反対の意見を表明する。

2 特定秘密保護法は、日本の軍事・警察・治安国家化を目指すものである

 第二次安倍政権は、特定秘密保護法の制定とともに、国家安全保障基本法、国家安全保障会議設置関連法の制定を目指している。
 国家安全保障基本法は、自衛隊の存在を公認し、交戦権の行使を認めるとともに集団的自衛権の行使を全面的に可能とし、そのための軍事法制の整備等を国政の最重要課題とすることを目論む法案であるが、その第3条3項(自民党が公表した概要による)において、「我が国の平和と安全を確保する上で必要な情報が適切に保護されるよう、法律上・制度上必要な措置を講ずる。」と定めており、特定秘密保護法の制定を求める内容となっている。
 また、国家安全保障会議設置関連法案は、いわば国家安全保障基本法制定の先取りとして、13年通常国会に提出され、13年臨時国会での成立が目指されているが、同法では、国家安全保障会議の設置とともに、情報収集、政策立案等にあたる機関として内閣官房に国家安全保障局の設置が予定されており、国家安全保障局において、防衛省、外務省、公安調査庁、警察庁等の「情報コミュニティ」から機密情報等の提供を受け、国家安全保障会議に提供することが目指されている。政府は、国家安全保障会議設置関連法案の成立と同時に特定秘密保護法を成立させるとしている。それは、自民党改憲草案が、憲法9条を改悪して平和主義を投げ捨て、わが国を「戦争にできる国」に変質させ、9条の2で国防軍を創設したうえ、「機密の保持に関する事項」を法律で定めるとしているのと軌を一にしている。

 以上のとおり、第二次安倍政権においてより本格化した特定秘密保護法制定の動きは、一つには、日米軍事同盟強化という米国の要求に応じて、日本が米国と共同して武器開発や戦争を行うために、軍事秘密を共有・保全する体制を構築することを目指し、米国の軍事秘密を共有することとなる日本において、米国の納得する秘密保持体制を備えるという目的がある。
 また、国家安全保障基本法は、安全保障を国政の最重要課題とし、それ以外の国政課題を軍事上の要求に劣後させるいわば「軍事国家化」を目指す法案であり、特定秘密保護法は、そのための監視国家作りを担うものといえる。

 加えて、特定秘密保護法は、軍事関連情報にとどまらず、外交に関する情報および、外国の利益を図る目的で行われる安全脅威活動の防止に関する事項、テロ活動防止に関する事項に関する情報という、極めて公汎かつ無限定な情報について、「秘密」として国民の目から隠蔽しようとしており、単に日米の軍事共同行動のための秘密保持を目指す法案ではなく、警察権力による「治安・警察国家化」の要請や、財界による新自由主義的政策推進の要請にも応えるものであるといえる。

 政府は、原発の再稼働やTPP加盟等の反国民的な政策を推進するにあたって、重要な情報を国民から隠蔽している。新自由主義国家の破綻が次々に明らかとなる中で、政府そして財界にとって不都合な情報を国民の目から隠蔽し、反国民的な政策に反対する国民の声を抑圧しなければ、更なる新自由主義国家化を目論む政策の実現が不可能であるからである。特定秘密保護法は、このように、国政に関するあらゆる重要情報を国民の目から隠蔽する目的でも制定が急がれているのである。

3 秘密の範囲が広汎かつ不明確であること

 特定秘密保護法は、保護する秘密(「特定秘密」)の範囲を「①防衛に関する事項、②外交に関する事項、③外国の利益を図る目的で行われる安全脅威活動の防止に関する事項、④テロ活動防止に関する事項」の四分野としており、1980年代に国が制定を目論んだ「国家機密法案」以上に「秘密」の範囲は広範で、無限定にも等しいものである。その上、秘密とするか否かを決定するのは情報を保有する行政機関の長で、第三者によるチェックの機会もなく、政府の都合で、自衛隊、原発、TPP交渉などといった、あらゆる重要情報が隠蔽されることになる。たとえばTPPについては、一連の交渉経緯、交渉内容がすでに情報非開示で、交渉自体きわめて問題であるが、さらにその上に、交渉後においても一連の情報が「外交に関する事項」として特定秘密になれば、農業、食の安全、医療、労働、保険その他、国民生活の諸分野にわたる重要な情報が全て隠蔽され、半永久的に国民の「知る権利」を侵害し続けることになるのである。

 なお、有識者会議報告においては、保護する秘密の範囲(同報告においては「特別秘密」と呼称されていた)を「①国の安全、②外交、③公共の安全および秩序の維持」の三分野としており、特に「③公共の安全および秩序の維持」について、極めて抽象的であり「秘密」の範囲が無限定とされることが懸念されていたが、法案概要においては「公共の安全および秩序の維持」が削除された。しかしながら、法案概要における「③外国の利益を図る目的で行われる安全脅威活動の防止に関する事項、④テロ活動防止に関する事項」という「限定」についても、例えば、原発その他の各施設の設計、立地に関する事項や原発事故の被害に関する情報等、国民にとって重大な関心事である事項が、「テロ活動防止」などの名目で、「特定秘密」とされ、国民の目から隠蔽される危険性は全く払拭されていない。

4 処罰の範囲が不当に広汎でありかつ法定刑が重すぎること

 特定秘密とされた情報については、公務員をはじめとした幅広い市民に重い秘密保持義務が課され、その漏えいは内部告発や過失によるものであっても刑事罰の対象とされる。また、漏えいだけでなく、メディアによる取材活動や一般市民による情報公開要求など情報を取得しようとする行為も刑事罰の対象としている。しかも、結果として情報が取得できなくとも、あるいは情報取得行為を実施しなくとも、教唆、共謀、扇動行為として正犯とは独立に刑事罰の対象にするとしており、市民のあらゆる行為に官憲による捜査の手や処罰の危険が及ぶことになる。また、法定刑は最高で懲役10年とされており、メディアによる取材活動等に与える萎縮効果は甚大なものになる。現行法制下でも、自衛隊法(5年以下の懲役)、国家公務員法(1年以下の懲役または50万円以下の罰金)で刑罰をもって秘密の保護はなされているわけで、これを更に厳罰化して秘密を保護する必要姓はない。

5 適性評価制度が国民のプライバシーを著しく侵害し、差別を助長すること

 行政機関や警察が、秘密を取り扱わせようとする者について、本人及び配偶者をはじめとする関係者の職歴、活動歴、信用状態、通院歴等の極めて高度なプライバシー情報について調査・監視を行い、差別・選別を可能とする「適性評価制度」は、公務員だけでなく、秘密を扱う民間企業の労働者等も対象となり、多くの国民がプライバシー侵害、思想・信条による差別といった重大な人権侵害の危険にさらされることになる。すでに2012年通常国会において「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(共通番号法)が成立しているが、共通番号法と特定秘密保護法が結びつくことで、政府は保有する情報を国民から隠す一方で、「適性評価制度」の名の下に膨大な個人情報等を収集して管理・利用することが可能となり、国家による徹底的な国民の監視体制が構築されることになる。

 政府は、「適性評価制度」を先取りするかのように、既に秘密を扱う公務員の身辺調査を行っていることが明らかとなっている。すなわち政府は、「カウンターインテリジェンス機能の強化に関する基本方針」(2007年8月)に基づき、一定の範囲の秘密を「特別管理秘密」に指定した上で、「特別管理秘密」を扱う公務員について「秘密取扱者適格性確認制度」を実施し、6万4361人(2012年6月末現在)の国家公務員を、本人の同意なしに身辺調査している。特定秘密保護法の制定は、このような国家による重大なプライバシー侵害にお墨付きを与える結果となりかねない。

6 立法権・司法権を侵害し、三権分立に反すること

 法案概要によると、「特定秘密」の国会への提供について、「各議院若しくは各議院の委員会若しく参議院の調査会が行う審査若しくは調査で公開されないもの・・・であって、当該特定秘密を使用し、若しくは知る者の範囲を制限すること、当該業務若しくは手続き以外に当該特定秘密が使用されないようにすることその他当該特定秘密を使用し、若しくは知る者がこれを保護するために必要なものとして政令で定める措置を講じ、かつ、我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めたとき」に限り、提供できるものとされている。このように、「特定秘密」の国会への提供の範囲を著しく限定した上で、政令において国会での「特定秘密」の扱い方に制限を加えることは、憲法で唯一の立法機関と定められる国会の立法権を侵害し、議員質問や国政調査権の行使による行政へのチェック機能を著しく減退させるものである。

 また、裁判所に対する「特定秘密」の提供の範囲も、文書提出命令のインカメラ手続等に極めて限定されており、国が当事者となった訴訟において「特定秘密」であることを理由に国が情報を隠蔽することが可能となり、司法権の行使による違法な行政行為の是正が極めて困難となることも危惧される。

 上記のとおり、特定秘密保護法により、「特定秘密」は国家機関内部においても行政機関に独占されることとなり、立法権・司法権を侵害し、三権分立が崩壊する結果につながるのである。

7 国民の憲法上の権利を侵害し、国のあり方を変質させる特定秘密保護法に断固反対する

 上述したように、特定秘密保護法は、日本を軍事・治安・警察国家化する目的で、国民の知る権利、表現の自由といった憲法上の重要な権利を奪い、プライバシー侵害や思想・信条による差別といった重大な人権侵害が生じさせるものである。国政に関する情報はすべて主権者である国民に公開されるべきであるのに、逆に隠蔽され、国民はそれを知ることも議論することもできなくなってしまう上、行政機関がこれらの情報を独占し、立法・司法機関による行政のチェック機能も著しく損なわれることとなる。
 これは日本国憲法の基本原理である国民主権、民主主義の原理を形骸化させ、三権分立を崩壊させて、国のあり方そのものを変質させるものである。

 自由法曹団は、基本的人権をまもり民主主義をつよめ、平和で独立した民主日本の実現を目指す法律家団体として、特定秘密保護法の法案提出・制定に絶対反対の意見を表明する。

2013年9月17日
自由法曹団


【秘密保全法制の制定を阻止しよう 9/8 全国市民オンブズマン大会】

 市民オンブズマン活動の基盤は情報公開請求である。私たちは、情報公開請求を通じて、行政のムダ使いや不正追及を実践してきた。こうした活動が、それまでの官僚による情報独占政治を、国民に開かれた真の民主政治に変革させるために役立ってきたと自負している。ところが、これが今、大きく変わろうとしている。政府は、民主党政権下で審議されなかった情報公開法改正案を国会に提出しないばかりか、10月から始まる臨時国会に
特定秘密保護法案を提出することを明らかにした。

 私たちはこの大会で、過去20年間の活動に対して、「秘密保全法アセスメント」の議論を行った。その結果、法案が対象とする国の行政機関が保有する情報だけでなく、地方自治体の情報公開や独立行政法人の情報公開にも影響が及び、法制度が私たちの行政監視活動を著しく妨害することが必至であることを確認した。これは、法制度の制定が市民オンブズマン活動への支障となるだけでなく、この国の情報公開の流れを著しく後退させることを意味する。

 政府は濫用を防止するために、「特定秘密」の対象情報を限定するなどの説明をしているが、これまでの情報公開訴訟において、政府の情報開示に対する解釈が的確でないことは、原告となった市民の勝訴率の高さが何よりも物語っている。秘密保全法制が政府にとって都合の悪い情報をより強固に秘密化することは明らかだ。
私たちは、秘密保全法制の制定に強く反対する。私たちは、この制度の問題をより多くの市民に伝えるとともに、今大会の資料と質問状を送付することを通して国会議員に働きかけ、秘密保全法制の制定を阻止するために尽力することをここに決議する。

2013年9月8日
第20回全国市民オンブズマン京都大会参加者 一同

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