JR 老朽化対策の手抜きとリニア投資〜インフラ危機
JR北海道のレール異常の放置につづき、四国では橋の補修を放置・・・いづれも地方線。一方、JR東海は、採算がとれるかどうかわからないリニア新幹線に9兆円の投資。分割・民営化すればこうなるのはわかっていたのだか・・・
【橋50本補修せず3年以上放置/JR四国 四国新聞9/28】
【リニア新幹線 無謀な見切り発車は許されぬ 赤旗8/21】
新規投資をする余裕があるのか・・・ 安全とともに膨大な老朽インフラを未来の残していいのか・・・。
パラダイムの転換が必要なのだが、原発と同じ・・・目先の利益だけの資本の論理。
【「国土の長期展望」中間とりまとめ概要 2011/2】
【日本のインフラが危ない~東京五輪に備えた大量整備から50年「物理的な崩壊」が日本列島を襲う ――東洋大学経済学部 根本祐二教授 ダイヤモンド2012/5】【人口減 社会資本の維持管理の危機 野村総研 08/11】
【橋50本補修せず3年以上放置/JR四国 四国新聞9/28】JR四国が管理する鉄道橋約2700本のうち、約50本で補修の必要性が見つかりながら3年以上放置されていたことが27日、分かった。全体の45%に当たる約1200本について点検記録に不備があることも判明した。鉄道の保守管理をめぐっては、JR北海道で多数のレール異常を放置していた問題が発覚したばかり。インフラ設備の老朽化対策が思うように進んでいない現状の一端が浮き彫りになった。
JR四国の昨年度の定期検査状況を会計検査院が調べ、明らかになった。検査院は改善を求め、文書で指導した。同社は国が出資する独立行政法人から出資を受けているため、検査院の検査対象となっている。
JR四国は、国土交通省の省令などに基づき、橋の定期点検を2年に1度実施。目視が基本だが、ひびや腐食などの異変があれば打音検査も行っている。
同社によると、橋の健全度は安全性に応じてランク付けし、補修の必要性が最も高いものを「A」としている。「A」は緊急度に応じてさらに「AA」「A1」「A2」の3段階に分類。AAは直ちに、A1は翌年度中に、A2は異変の度合いを見極めた上で、と補修する基準を独自に定めている。
JR四国では、Aとランク付けした約100本のうち、3年以上補修していないままのものが約50本あった。このうち、3本は20年以上放置していた。50本はいずれもA2で、補修の実施時期を未定にしたままだった。
また、将来的に健全度がAになる恐れがある異変が見つかった健全度「B」の橋約1200本のうち、大半の点検記録にひびや腐食などがある箇所を図面に残していなかったり、社内で記録内容が統一されていないため、記録漏れがあったりした。
このため、定期検査で、前回の検査に比べて異変がどう変化しているかを確認できず、結果を生かせない状況だった。
JR四国は「3年以上放置していた橋はいずれもすぐに運行に支障が出るものはないが、検査院の指摘は重い。補修を進め、Aにランク付けした橋を減らすよう努め、点検記録も統一するなど対策を図りたい」としている。
【リニア新幹線 無謀な見切り発車は許されぬ 赤旗8/21】JR東海が、リニア中央新幹線の2014年度中着工をめざして環境影響評価などの手続きをすすめています。東京―大阪間を1時間強の「超高速」で結ぶことをうたい文句に9兆円以上の巨費を投じ、国民生活や日本経済、自然環境などに重大な影響を与える巨大プロジェクトです。問題は建設の是非について国民的議論が尽くされていないことです。関係する地方自治体の住民から疑問や中止を求める声が上がっています。将来に禍根を残す“見切り発車”は許されません。
◆要望も必要性もない計画
リニア中央新幹線(27年に東京―名古屋、45年に名古屋―大阪の開業予定)は、東京―大阪をほぼ直線でつなぐ新路線を建設し、超電導磁石の力で車体を浮上させた列車を時速500キロの猛スピードで走行させるという、従来の新幹線(時速300キロ程度)とはまったく異なる“未知の鉄道”です。
東京、神奈川、山梨、長野、岐阜、愛知、三重、奈良、大阪の9都府県が沿線ですが、80%以上がトンネルです。平野部でも地下40メートル以上の深いところを通ります。運転手は乗らず遠隔操作のため、事故や災害など緊急事態が発生した時の安全確保への不安を指摘する意見が続出しています。
建設費用はJR東海が全額負担します。しかし、JR東海は公共交通を担う公的企業です。リニア計画が失敗すればJR東海自体が経営難に陥り、現在運行中の東海道新幹線の保守・点検・改修などの安全費用にしわ寄せされ、在来線の廃止など利用者の足を奪いサービス低下につながる事態を引き起こしかねません。リニア計画は国民の強い要望から生まれたものではありません。東海道新幹線の輸送人員はここ20年間ほとんど横ばいです。これから日本は人口減少にさしかかります。それにもかかわらず東京―大阪間の45年の輸送需要が現在の1・5~1・8倍にも増加する見込みはあまりにも楽観的すぎます。
巨費を投じてまで1時間半程度の「時間短縮」を国民が求めているとはとてもいえません。中間駅への移動などを含めれば現在とそれほど時間は変わらない場合もあります。中間駅建設予定地などで進む“リニア効果”を狙った開発計画に見通しはなく、自治体の新たな財政危機を招く恐れがあります。
もともと約40年前の計画をほぼそのまま推進していることが深刻です。大トンネル(22キロ)を建設する南アルプス地域は複雑な断層や構造線が走る地震多発地帯ですが、その危険についてまともな検証はありません。新幹線の3倍以上といわれる使用電力は、省エネ社会への転換が求められている時代に逆行するものです。
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