オスプレイで防災訓練? どの点から見ても不適格
今年二度も重大事故をおこし、その原因も不明なまま飛ばし続ける・・・民間機ではありえないのではないか。米本国では住民の反対で次々と訓練を中止している。その機体を活用した自衛隊と米軍の合同訓練の予定が発表された。防災訓練は重要であり、災害時には、ある限りの力を動員するのは当然である。が、一方で、住民を危険にさらす米軍機の夜間、低空飛行訓練の中止の声を無視しているのはいかがなものか。米本土では許されない危険な低空飛行訓練をまず中止してもらいたい。そして、最低、事故の具体的様子と原因をきちんと説明し、住民の理解を得る努力を「トモダチ」であるなら実施すべきである。問答無用はいかがなものか。
ところでオスプレイはCH-46と比べて速度が2倍、積載重量が3倍、航続距離5〜6倍と言われてるが、
本当に災害時に威力を発揮するのか・・・
この性能は同時に発揮されるわけではないし、しかも「目標」であって運用実績ではなく、誇張があり、高性能は実証されたことがないとのこと。
以下のサイト参照
オスプレイ固有の根本的な危険性(その三)
オスプレイはCH-46よりも性能が上か?
・ボーイング社のウェプサイトの数字を比核すると、速度2倍、積載量2.3倍、航続距離4倍とのこと
・運用実績ではさらに下がる(上記サイトのもとは元海兵隊将校で軍事評論家のカールトン・メイヤー氏のHP)
オスプレイの巡航速度388キロ、兵員14名、最大搭載量2.7トン(50海里の運用?)、価格59億円
CH47F 287キロ、33名、7.2トン、26億円
◆物資輸送
・物資を輸送するなら大型ヘリのほうがはるかに有利である。CH-46と比べるからわかりにくい。オスプレイは、格納庫は狭く、ジープも運べない。
・一般に公表されている数字でも、垂直離陸では、最大積載量は低下する。
機体重量の限界は、垂直離陸時: 23.981 t、短距離離陸時: 27.442 t。この差3.5トン。積載重量でCH-46とも大差がなくなるのでは・・・
このため「オスプレイの運用実績との比較で米空軍は、当初のオスプレイ採用方針を撤回し、在来型HH-47ヘリコプターを救難用途に使用することを決定した。その理由は、HH-47(姉妹機は陸上自衛隊も所有している)がオスプレイの半分の価格で2倍の搭載量とより長い航続距離を持つことを認めたためである。」としている。
◆救助・搬送
強い下降気流と高い排気熱で、一般人をつりさげて救助するとか、担架を吊り下げて飛行することは不可能である。
また、ガレキが散乱する場所への着陸は、ガレキが吹き飛んだり、火災の心配もされ、通常へりより運用地域が制限されると思われる。
直接、負傷者を収容し、救急病院のヘリポートにおりることのできるヘリ(ドクターヘリなら尚よい)がより有効だろう。
◆海上探索
ヘリモードなら、最高時速は180キロとヘリコプターとしては遅く、航続距離も大幅に短くなるだろう。(長いのは固定翼モードに転換するため)
固定翼モードなら、普通の飛行機のほうが性能がよい。US2飛行艇という世界に誇る優秀な機体もある。発見しすぐさま救助・搬送できる。
◆速度・・・
速度が速いというが・・・海兵隊は1年のうち9ヶ月は海外を巡回して訓練している。
3.11でも、マレーシア、インドネシア沖に遠征していた31MEUは6日かけて秋田県沿岸部に駆け付けた。現在沖縄にはオスプレイ2隊24機が配備されようとしているが、1隊はMEUで行動。残りの1隊も米軍再編の関係でオーストラリアへの移設が検討されている。
速度が速くても・・・と思う。まっさきにくることにはならない。
また、長距離を飛ぶには最適高度は18000フィート。与圧構造がなく、酸素マスクと防寒服が必要で、そんな運用はされていない。実際は、エセックスに搭載されて移動している。
自衛隊が持てば・・・というのには、そんなお金があれば、別の資材を整備したほうがよい。
以前「メモ」で紹介したように、軍事費削減の中で、海兵隊は、組織防衛として存在意義を示すことにやっきになっている。そのための実績づくりの面があり、強引な運用に、その狙いが透ける。
そのメモでも触れていたが、東アジア、東南アジアは、自然災害の多い地域である。国際的な災害救援のネットワークを確立する、そのような九条にもとづく外交力発揮してもらいたい
3.11では、中国も医療船の派遣を申し出た。(政府は、港が壊れていて、横付けできないとことわったが)。
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