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TPP日米並行協議 「守るべきは守る」は一切成立していない  大和総研コラム

 TPPと並行して行われている日米協議について、大和総研のコラムは「協議事項はすべて米国側関心事項に沿ったもの」「明らかに一方的・片務的な交渉」「対等な貿易交渉とは言えない」「『守るべきは守る』・・米国に対しては一切成立していない」と指摘。
【片務的なTPP日米並行協議の問題点 8/21 大和総研・長谷部 正道】
 あらためてTPPとは、米日多国籍企業の合作による国民経済の収奪と実感。日本郵政(政府は株式の100%を所有)とアフラックの業務提供を見れば、政府に「国益」の概念がないのは明白。アメリカと財界の使い走り内閣である。
【安倍政権が孕む危険〜アフラック・日本郵政提携とTPP交渉で公約違反が露呈?8/12ビジネスジャーナル】
【国民益を根幹から侵害するTPP交渉からの即時脱退を求める要望書 8/2 大学教員の会】

コラムの中から・・・保険分野
・医療特約がん保険は、米国系の保険会社が8割のシェアを占める(メモ社 これは、日本政府が、第三分野の保険の国内企業の販売を規制し、外資に独占的活動の便宜を与えていた結果である。)
・アフラックは74%のシェアをもち、同社の営業利益の8割は日本から挙げている。
・日本政府は、米国の要求にそって日本郵政の新規のがん保険発売を停止
・日本郵政は、日本生命との提携をあきらめ、アフラックと提携
・圧倒的な寡占企業が、全国の郵便局の強力なネットワークを獲得。
・独占禁止法に抵触? 今後は、共済にまとが絞られる。

→(メモ者 /日本郵政の郵便と金融の全国のネットワークは金融事業の収入が支えている。その収益が傾くと、ユニバーサルサービスは崩壊する。)


【安倍政権が孕む危険〜アフラック・日本郵政提携とTPP交渉で公約違反が露呈?8/12ビジネスジャーナル】

2月22日の日米首脳会談後に発表された「日米の共同声明」(「外務省HP」より)
 安倍晋三首相が、日米首脳会談後の記者会見で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について「聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になった」と述べたのが2月のこと。
 マレーシアで開かれた、日本が初参加した第18回TPP交渉の全日程が7月25日に終了した。そしてその翌日26日に、日本郵政とアフラックの業務提携が発表された。

 日本郵政は、2008年10月からアフラックのがん保険を販売しており、13 年 7 月現在、1000 局 の郵便局でがん保険を取り扱っているが、今回、新たに業務提携を強化することに合意したという。具体的な内容は、アフラックのがん保険を現在の20倍にあたる約2万局で販売することを目指し、順次、取扱局の拡大に取り組むとしている。また、日本郵政傘下のかんぽ生命はアフラックと代理代行契約を締結し、アフラックは日本郵政及びかんぽ生命にて取り扱う専用商品(がん保険)の開発を検討するとしている。

 TPPについて、米国は日本との共同声明の中で、保険分野を残された懸案事項のひとつとしている。これは要するに、「かんぽ生命と民間企業との間での対等な競争条件を求めている」ということだ。そこで、米国資本であるアフラックが、水面下で業務提携の強化の働きかけを日本郵政に対して行ったのは間違いないだろう。また4月には麻生太郎財務相が、「かんぽ生命が新商品を申請しても認可しない」と異例の表明を行っている。
 そして、日本が初参加したTPP交渉会議の翌日の、アフラックと日本郵政の業務提携強化の発表である。この提携強化は、日本政府がTPPに向けた米国への配慮であることがわかる。しかし、国と国との間の配慮であれば、国益の上にたつ配慮でなくてはならない。いや、日本郵政は民間の会社ではないか? と思う人もいるだろう。表面上は、確かに民間であるが、日本郵政の株は100%、政府が保有しているのである。

 さて、それでは今回「配慮」が示されたTPPについて、改めて考えてみよう。ここかしこで、幾度も問われていることだが、そもそも日本のTPP参加は、国益に敵うのだろうか? まずは参加するタイミングが常軌を逸している。今回のTPP交渉はすでに「第18回」目なのである。これまでに決まったことは当然ながら変えられない。重要事項を決める会議に、あとから参加して主張をしても、通る可能性は低い。そして、日本は重要5品目、すなわちコメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、サトウキビなど甘味資源作物を守ると言うが、守るだけなら、なにも最初からTPPに参加する必要などないのだ。この参加によって日本が勝ち取れるもの、国益に敵うものはなんなのか? 

 関税の撤廃で貿易の自由化が進んで日本製品の輸出額が増大するとか、貿易障壁の撤廃で大手製造業企業にとっては企業内貿易が効率化し、利益が増えるというが、そんなに単純なことではないだろう。しかもTPPそのものが孕む、ラチェット規定、TPP離脱に対する訴訟リスク、スナップバック条項、NVC条項など、数えたらきりがないほどの問題点があるのだ。 ではなぜそんなものに参加するのか。米国の圧力に屈しただけとの見方もある。

●「聖域なき関税撤廃」のまやかし
 今回のTPP参加への道筋を、おさらいしてみよう。自民党は昨年12月の総選挙では、農業関係者の票をとりこぼしたくなかったのだろう、TPPについては一定の距離を置いて様子をみるようなふりをしていた。政権に就いてからも、林芳正農水相は「聖域なき関税撤廃を前提条件としているならば交渉には参加しない」と公約通りの答弁を、2月の日米首脳会談の直前にしている(ただし、安倍首相は、「『6項目』をしっかりと念頭に置いて首脳会談に臨まなければならない」と曖昧な答弁だった)。これは裏を返せば、「聖域なき関税撤廃」にほんのわずかでも例外があるならば参加しますよ、という意味である。
 そして、日米首脳会談直後の共同声明では、「日本には、一定の農産品、米国には一定の工業品というように、両国ともに二国間貿易上のセンシティビティ(重要品目)が存在することを認識しつつ、両政府は、最終的な結果は交渉の中で決まっていくものであることから、TPP交渉参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではないことを確認する」と謳い、さらに「両政府は、TPP参加へのあり得べき関心についての二国間協議を継続する。これらの協議は進展をみせているが、自動車部門や保険部門に関する残された懸案事項に対処し、その他の非課税措置に対処し、及びTPPの高い水準を満たすことについての作業を完了することを含め、なされるべき更なる作業が残されている」と表明している。
 いまひとつ理解しにくいのだが、よくみるとこれは「仮訳」とされているものだった。公式文書が5カ月たっても「仮訳」のまま放置されているとも思えなかったので、正式な翻訳を外務省のウェブサイトを探したがみつからなかった。そこで、外務省の北米第一課に問い合わせをしてみると、なんと「仮訳」しかなく、「本訳」される予定もないとのことだった。

●安倍政権の公約違反
 ともあれ、「一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではないことを確認」した安倍政権はこの時点で、TPP参加への道を加速させ、一部のメディアも政府と足並みを揃え始めるが、これはとても不思議だ。なぜならば、TPP参加への可否は「聖域なき関税撤廃」だけで決まるものではないのだ。
 なによりも自民党自身が、昨年の衆議院解散総選挙における政権公約集「J-ファイル 2012 総合政策集 自民党」というリーフレットの中で、「聖域なき関税撤廃」だけではないことを明記しているのだ。それは、「TPPに関しては、政府が国民の知らないところで、交渉参加の条件に関する安易な妥協を繰り返さぬよう、わが党として、判断基準を政府に示しています」として、
 1、政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。
 2、自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標を受け入れない。
 3、国民皆保険制度を守る。
 4、食の安全安心の基準を守る。
 5、国の主権を損なうようなISD条項は合意しない。
 6、政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。
としている。

 安倍政権は今回、「6」の公約違反を犯した。前述した日本郵政とアフラックの業務提携強化である。これは明らかに「金融サービス(等)のわが国の特性」を踏まえていない。事実、かんぽ生命と現在提携している日本生命は、「5年以上にわたり、さまざまな面で協力を行ってきた経緯もあり、今回の話については遺憾です。今後については、かんぽ生命と話をしていきたいと考えています」とコメントしている。

 一方、アフラック日本は「この提携は(政府保有企業と民間企業の)対等な競争条件が実現されている事例だ。日米間の交渉にもいい影響がある」と述べているが、わが国の金融サービスの特性を踏みにじっただけである。

 しかも、これがTPPに関する最初の公約違反ではない。「4」の公約もすでに破られている。安倍政権発足からわずか1カ月で、BSE(牛海綿状脳症)対策で実施している米国産牛肉への輸入規制が、10年ぶりに大幅に緩和されたのだ。輸入条件だった月齢を「20カ月以下」から「30カ月以下」に拡大した。米国では月齢16~22カ月での食肉処理が一般的なので、今回の措置は規制緩和ではなく事実上の規制解除、野放しになったといっていい。確かにBSEはピーク時には世界全体で年間約3万7000頭も発生していたが、昨年はわずか12頭だった。規制緩和に踏み切った背景に、発生が世界中で激減して、感染リスクがなくなったとの判断があるのもわかる。

 しかし米国には前歴がある。05年に「20カ月以下」の輸入が解禁された直後に、危険部位が混入していることが発覚し、再び輸入を停止したことがあるのだ。その間に米国で根本的な改善が行われたとは到底思えない。安倍政権が成立してから7カ月だが、すでにTPPに関するたった6つの公約のうち、2つも反古にされている。TPPをめぐる安倍政権の動きは、危険を孕んでいるといえよう。
(文=久保田雄城/メディア・アクティビスト)

【国民益を根幹から侵害するTPP交渉からの即時脱退を求める要望書 8/2 】                TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会

(1) 日本はこの7月にマレージアで開催された第18回参加国交渉会合の中途からTPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉に参加した。しかし、この間、さまざまな情報媒体から伝えられた事実を総合すると、TPP交渉が米国内外の一握りの多国籍企業に日本の国民益を売り渡す屈辱的な壊国交渉であることが一層明白になった。

(2) その最たるものは、日本郵政がアメリカンファミリー生命保険:アフラック)との提携を大幅に拡大して、全国の郵便局約2万箇所とかんぽ生命の直営店80箇所でアフラックのがん保険を売り出し、さらに商品の共同開発を行なうことにしたという事実である。今年の4月、日本はTPP交渉への参加を求める「入場料」としてアフラックのシェア拡大のため、かんぽ生命は「がん保険に参入しない」ことを約束した。それに続く今回の決定は対等の「提携」ではなく、米国企業の販路拡大のために日本郵政を販売下請け機関化するという全面屈服の内実を、日本郵政の「自主的な」経営判断かのように糊塗する姑息極まりないものである。

(3) さらに、報道機関が伝えたところでは、TPP交渉の「知的財産権」の分野で米国は医薬品の特許期間の延長を主張し、「環境」の分野ではいくつかの国が漁業補助金の全面的な禁止を要求しているとのことである。しかし、先発薬の特許期間の延長は安価な後発薬の普及率を2017年までに60%以上に引上げ(現在21.0%)、医療保険財政の立て直しを目指している厚労省の医療財政政策にとって決定的な障害となる。また、漁港整備や経費高騰を補填するための漁業補助金まで禁止されると、震災復興のために不可欠なインフラ整備や燃油費高騰により操業の継続さえ危ぶまれているわが国の漁業は壊滅的な打撃を蒙ることになる。

(4) これに加えて、外国投資家・企業に進出先・投資先の政府に対して損害賠償等を求める訴訟の権利を与えるISD条項が協議のテーブルに載せられる怖れがある。このISD条項は、独立国家としてのわが国の立法・行政による規制を国際的裁判所の判断に従属させ、国民による民主主義的自己決定を放棄させるものであり、かつ、司法権を侵害するものであると同時に、実際に日本の国会や政府が多額の損害賠償請求を恐れて外国企業やそのエイジェントとして行動する米国政府等の要求に順応しようとする委縮効果を生む。

(5) 政府は農産物などの関税撤廃の分野では交渉は進んでおらず、日本が要求を主張する余地は十分残されているといった楽観論を振りまいている。しかし、フロ-マン米国通商代表部代表は、7月18日に下院歳入委員会が開催した公聴会で、「日本の農業に関し、〔特定の品目について〕前もって除外することに同意したことはない」と明言している。実際、交渉参加国の中には、わが国が重要5品目に挙げている穀物、肉類、牛乳・乳製品の自給率が100%をはるかに超える輸出大国がひしめいており、これらの国々を相手に日本が重要5品目を関税撤廃の例外扱いとする要求を実現することは不可能と言って間違いない。
 その一方で、衆参農林水産委員会は本年4月に開催された各委員会で、わが国がTPP交渉に参加するにあたって8つの要望項目を列挙し、これらの実現を図るよう政府に強く求める決議を採択している。これらの決議はわが国の国権の最高機関である国会の意思として極めて重い意味を持つものであるが、われわれはこれらの決議に盛り込まれた次の3点を特に注視すべきと考える。

 第1に、これらの決議が農産品5品目の例外扱いを求めただけでなく、残留農薬・食品添加物の基準、遺伝子組み換え食品の表示義務等、食の安全・安心に関する規制の維持、漁業補助金等における国の政策決定権を維持すること、ISD条項に合意しないことなど、非関税分野の事項にも及ぶ広範な要望を含んだ決議になっていることである。

 第2に、「農林水産分野の重要五品目などの聖域の確保を最優先し、それが確保できないと判断した場合は、脱退も辞さないものとする」と決議していることである。その際、「十年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も含め認めない」と決議していることを注視すべきである。

 第3に、交渉により収集した情報をすみやかに国会に報告するとともに、国民への十分な情報提供を行い、幅広い国民的議論を行うよう措置することを求める決議をしていることである。
(6) 以上を踏まえ、われわれは政府に対し、次のことを強く要請する。

 ①これまで指摘してきた諸事実に照らして、わが国がTPP交渉に参加し続けても得るものはほとんどない反面、ひとにぎりの内の多国籍企業の権益のために、日本の食料、環境、健康、司法等に関する国民主権の根幹が侵害される懸念が現実のものとなることはほぼ間違いない。これほどまでに深刻な悪影響が日本国民に降りかかるTPP交渉から脱退することこそ、わが国の国民益を守る最善の道であることを改めて政府に訴えるものである。併せて、われわれはTPPに固執することなく、東アジア包括的連携協定(RCEP)といった代替政策の検討を政府に強く求める。

 ②わが国政府は7月にマレーシアで開催された参加国交渉に参加する際に守秘協定に署名したことを理由に挙げて、国会議員にも国民にも交渉の経過を明らかにすることを拒んでいるが、こうした説明は、上記の衆参農林水産委員会の決議の第7項に違反している。われわれは政府がこれらの決議を遵守して、衆参農林水産委員会の8項目の決議に沿って交渉に当たるよう求めるとともに、これら8項目が実現できるめどがあるのかどうかを国会はもとより、「国民への十分な情報提供を行い、幅広い国民的議論を行うよう措置すること」を強く求める。

 ③もう一点、注視しなければならないのはTPP交渉と並行して進められる日米二国間での非関税分野の協議の成り行きである。特に、日米の事前協議の結果、両国のいずれかが要請すれば、交渉事項を随時追加できることになっており、現に米国議会ではこの間の円安の動きを理由にして自国通貨安を誘導する為替政策の禁止条項を盛り込むよう求める声が上がっている。
 こうした日米二国間交渉の成り行きについても、われわれは協議の経過を適時に十分に国民に公開するよう求めるとともに、米国の強硬な要求にわが国が次々と屈服してきた経緯に照らし、国民益を米国に売り渡す日米二国間協議を直ちに打ち切るよう、政府に要望する。                  

 以 上


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