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沖縄海兵隊は不要〜運用と米軍再編の実態から(メモ) 

 屋良朝博・元沖縄タイムス論説委員の「沖縄・米軍基地と日米同盟」(「改憲と国防」)からのメモ(最初のハワイ州知事の海兵隊誘致発言は略)。最後に鼎談での柳澤協二氏の発見のメモも・・ 軍事・安全保障面からの論稿は、日ごろ接していない情報なので得るところが多い。 

 米軍再編で中核部隊はグァムなど移転。沖縄は、ハワイ、グァム、オーストラリアの分散する各部隊の集合地で、佐世保からの艦艇に乗船して、1年のうち9ヶ月遠征巡回している。その間、基地は、ガラアキとなる。
 「抑止力」「地理的優位性」を、沖縄の基地集中の「理由付け」につかうこの事実を語らない。

 そもそも海兵隊は定位置をもたない部隊。また「抑止力」は、核兵器を含む米軍全体が存在にあるのであって、中国に近すぎる沖縄に基地を集中させる意味はない。
 米戦略が変わっているのに沖縄に固執するのは、日本側で進めてきた人の自己保身、予算削減におびえる海兵隊の組織の論理でしかない。
 
 沖縄の負担軽減を政治の優先課題にすれば、解決策は様々ある。
 以下、備忘録

【沖縄・米軍基地と日米同盟】

 屋良朝博・元沖縄タイムス論説委員。改憲と国防」から上記タイトル(第三章)のメモ。

◇沖縄 「地理的優位性」のウソ

・海洋進出を阻むのは、常識的に艦艇、潜水艦、戦闘機。強襲上陸が専門の海兵隊ではない。洋上で敵艦艇とにらみ合うことはない。
→ 米軍再編の日米合意~沖縄海兵隊の中枢部隊がグアムへ移転が決まっている。/中国の海洋進出と沖縄駐留は結びつかない。

◇合理的な「解」を求める~海兵隊の任務と何か

①海兵隊の沖縄駐留の経過

・1775年、独立戦争当時に発足。海軍艦艇に乗船し、英軍の野営地を急襲。艦艇の接近戦ではマスト上から敵兵を狙撃。組織的にはいまも海軍に付属する部隊。

・二次大戦/ 太平洋で日本領の諸島を攻略、沖縄戦に投入された。/戦後、本国に引き上げ。沖縄に基地を構えたのは陸軍と空軍。
→リストラで解体の危機に。陸軍「核戦争を想定する時代に、砂浜から駆け上がり陣地を確保する部隊は不要」
/事実、最後の大規模に上陸作戦は、1950年朝鮮戦争・仁川上陸。/常に存在意義が問われる

・朝鮮戦争を契機に米陸軍が韓国駐留。在韓米軍の後方支援部隊として派遣されたのが海兵隊/岐阜県と山梨県に駐留し、朝鮮情勢の警戒を主任務にした。

・50年代、基地拡張に対する反対闘争が高揚/ 石川県内灘、長野県妙義山、東京立川基地拡張の計画がことごとく阻止され、海兵隊も岐阜、山梨にいられなくなり、米施政下の沖縄に。
→ 本土の反基地運動が、結果として沖縄への基地集中を生み出した(メモ者 だから、沖縄と本土は基地反対でつながっており、連帯する必然性がある。)。

・海兵隊は、沖縄に移設しても主要任務は、朝鮮情勢の警戒監視。

②現在の運用

・米軍総兵力140万人、陸軍50万人、海軍・空軍各30万人、海兵隊19万人 /予算的にも冷遇され、海軍予算の一部を海兵隊の回す仕組
・冷戦時、重装備でソ連と対峙。/冷戦後は、大国との戦闘を想定せず、小規模な紛争への対応にシフト
~その最終とりまとめが2000年代の米軍再編。

・海兵隊は、宗教、民族紛争など不安定な国際社会に対応できるとアピール。/9.11後、「テロとの戦争」に進む米戦略の中で、海兵隊新開地を見出す
→ 「テロとの戦い」の一環として、民生支援活動、災害救助活動に力点 / アジア太平洋の同盟国を巡回し、共同軍事訓練のかたわら、医療、工事、災害復旧などで活躍 ~ソフトパワーを駆使しながら、テロリストが潜伏しそうな山村の住民の信頼を得て、テロを防止する。~最新兵器を持っていても自爆テロは防げない/ テロ防止には、民生支援活動が最も効果的と考えられている。

・同盟国軍との軍事交流とソフト戦略を両輪に、アジア全体に安全保障の大きな網を形成
→ そのグローバルな役割を担っているのが沖縄の海兵隊/ つまり沖縄に常駐していない。

◇基本は2000人の海兵遠征隊

・海兵遠征隊(MEU)~2000人の機動展開部隊/ 強襲揚陸艦4隻(佐世保・母港)とともに洋上展開
→ 米軍再編によって半減させられる沖縄の海兵隊は、このMEUにほぼ特化(国相手に戦う体制ではない)。
・海兵隊/戦闘規模で、海兵遠征隊(MEU)、1万5千人の海兵遠征旅団(MEB)、4万人の海兵遠征軍(MEF)の3段階に。通常は、最小編隊のMEUで洋上を常に巡回
→ 朝鮮有事では、二個MEFか、4-5個MEBを投入するといわれている/ 本土も含め総動員が必要

・沖縄の部隊1.8万(実数は1.2~1.4万)~かろうじて小規模紛争に対処するMEBの編成可能
→ 日米合意2012/2 /定数9千を、グアム、豪州、ハワイほ移転 /沖縄の部隊は、MEUをサポートする組織に縮小

・部隊は、ローテーションで本国から派遣され、佐世保の艦艇でアジア太平洋をパトロール/ 1年のうち9ヶ月はアジア諸国を遠征~ イラク、アフガンの激戦中は、沖縄の海兵隊基地はガラアキ。
→ 再編後も、MEFの司令部は残る予定/ 有事にはグアム、ハワイに分散配置する歩兵部隊を指揮し、MEB、MEFを動かす。いざとなれば現地集合する

・巡回して不在なら/ 沖縄問題に解決に、MEUを別の場所に移設できないか? 

◇海兵隊配置の大混乱

・米軍再編の中で二転三転した配備計画 ~ 配置はいかようにでも工夫できることを自ら証明

①05.06年日米合意~ グアムへ海兵隊司令部の要員、補給部隊8千名を移転する計画
→が、演習場が確保できない。上下水道などインフラ整備に予算が掛かりすぎると、連邦議会が問題視し何度も予算が凍結。開発費が2倍になると会計検査員が指摘。/ 米政府に日本に見直しを申し出

②2012年。グアム移転を5千人にし、豪州北東部へ2500人を常駐ではなく、本国からのローテーション配備させる。ハワイにも1000~1500人を振り向ける /沖縄には、指令部を残し、戦闘要員を分散配置。
→ 司令部は上官が多く家族つれも多く、日本の駐留経費で整備された施設のある沖縄に残し、若者が多い戦闘部隊を、グアムに移転するほうが安上がり、というもの。

③米軍再編2012年版改訂版~グアムに移転に、地上戦闘部第の中核・第4海兵連帯(歩兵)を明記/普天間の航空部隊、キャンプキンザーの補給部隊は、地上部隊を動かすサポート役。/補給部隊もハワイ、ガァムに分散移転 
~ つまり、どのパーツも沖縄以外に移転できることを証明したもの。

・オスプレイの強行配置~ 読売、産経など「中国脅威に対抗する新兵器配備」と歓迎の論説
→ 根拠なし / 兵士と物資を運ぶ輸送機。確かに輸送性能は向上するが、兵士はグアムなど、物資・補給部隊はハワイなども運ぶ中身が沖縄からごっそり移転。
→「海兵隊抑止論」に立つ言論人は、なぜ米軍再編を問題視しないのか? /中国脅威論とむすびつけて沖縄負担を肯定する知識人はいい加減で犯罪的

◇海兵隊のローテーション

・上記のように海兵隊は、任務の形態、規模により、変幻自在に機動展開部隊を編成できる。/常態的に編成している機動展開部隊はMEU。海軍の強襲揚陸艦艇とともに世界の海を巡回

・米軍再編で、沖縄に残る海兵隊は、MEUを編成する規模に縮小。その任務は、民間人救出作戦、民生支援・災害救援活動
→ 要員は、沖縄に常駐していない。半年のローテーションで派遣され、沖縄で所定の訓練の後、佐世保の強襲揚陸艦艇に乗り、豪州・アジアを巡回。/沖縄は、MEUを編成する各種部隊の集合場所、一時訓練場

・米軍編成/ 沖縄は、第4海兵連隊(歩兵)を中核とする第三師団、普天間の第36航空団、キャンプキンザーの第三役務支援軍の駐留演習場
→ 第4海兵連隊はガァム、第三後方支援連隊がハワイ、第9工兵支援大隊がグァムへ。/しかも、湾岸戦争に出撃した沖縄海兵隊の戦車大隊がそのまま本国へ撤退(その時から沖縄だけでMEB編成は不可能)

☆司令部だけ、沖縄におきMEBの集合場所は、ハワイ、ガァム、オーストラリアなどへ移すことは可能では? 、あるいは05.06年番の米軍再編のように司令部も移転し、荒唐無稽ではない。

◇沖縄基地がなくても海兵隊は前方展開任務を保持できるか

・全MEUは7個/ カリフォルニア3、ノースカロライナ3、沖縄1

・カリフォルニア部隊~ インド洋からアメリカ大陸東海岸までで展開
・ノースカロライナ部隊~ 大西洋から地中海で展開 
 ~ 各MEUは、一回の派遣6ヶ月、帰国後1年間を本国の基地で過ごす

・太平洋地域だけは、輪番を組まず本国から沖縄に派遣する地上部隊に普天間の航空部隊を組み合わせ展開

⇒ つまり太平洋についても、米本国から展開可能なことは自明 /今も佐世保の艦艇が、沖縄で部隊をピックアップし、グァム、フィリピン、タイなどへ展開している。~ 例)艦艇がフィリピンにつくころに、部隊を米本土から空路移動し乗艦すればよい。

・ブルッキングス研究所主任研究員マイク・モチヅキ「沖縄の海兵隊は撤退すべき」(95年12月「世界週報」)
~「部隊を米本国から九州に空輸し、佐世保で乗船させて展開すれば、沖縄に大規模な部隊を貼り付ける必要ない」

☆海兵隊が沖縄に固執するのは、海兵隊の組織の論理~ ただでさえ予算確保がむつかしい「少数部隊」にとって、海外の主要拠点を失うことは、組織論でいえば阻止すべき最大のミッション。(メモ者 「トモダチ作戦」など、防災の積極アピールもその一貫)

◇国防費削減のもとでの配置

・海兵隊が沖縄に駐留する利点~ 思いやり予算など日本の潤沢な駐留負担経費
05.06年再編計画~8千人をグアムへ移転すると年4億6500万ドルのランニングコストが追加的に必要

・財政難で、米国防予算は、10年間で4900億ドル削減される(1年分で日本の防衛予算に匹敵)
~2012年度 海兵隊予算259億ドルは、海軍省予算の16%。国防省予算全体の4.7%/ 海兵隊は、兵力数14%、戦闘攻撃機12%、攻撃用へり19%を占めるが、予算の少なさは米軍内の立ち位置を示している/ 国防費削減により、海兵隊はさらに切り込まれる可能性に直面している。

・そんな中で、海兵隊は、グアム、オーストラリアを含めた分散配置の計画を推進
→ 海兵隊の太平洋での位置づけを高める手法を提案すれば、交渉は成立するばす
 
☆3条件
①日本の駐留経費負担を、海外の移転先でも使えるようにする
②高速輸送船の提供(現在は、豪の民間からのチャーター。/ただしそのお金の用途は、戦闘行為の使用を認めず、共同訓練・民生支援・災害救援に限定する必要がある)
③民生支援、災害救援分野でのアジアでの日米協力の拡充(これは、自衛隊の平和的な国際貢献をより効果的に発揮(その場合、非戦闘地域、後方支援など自衛隊のPKO五原則の厳格な実施)~ 

◇変化の兆し

・沖縄に残る予定の31MEUのオーストラリア移転の可能性〜米海軍トップのグリナート作戦部長が、豪州にローテーション配備される海兵隊2500人がMEUになる可能性に言及

・沖縄のオスプレイをオーストラリアへ派遣する案 〜海兵隊航空戦力担当の副指令官補・グレイビー准将/豪州にローテーション配備される海兵隊員の急患輸送用として活用を検討/ 豪州の演習場は広大で人里を離れており医療機関がない 「1つのオプションは、沖縄の普天間飛行場に配備されたオスプレイをまわすことだ」(2013/3/31)

・沖縄のオスプレイ2隊24機。MEUで展開するのは1隊のみ。残りは沖縄で保守点検、訓練
→ グレイビー准将の提案は、この予備飛行隊の活用 /MEUは1年のうち9月遠征、地上部隊の中核である第4歩兵隊がガァム移転すると、MEUが遠征中、連携訓練する地上部隊がいない沖縄より、オーストラリアの方が訓練もでき、急患輸送にも活用できる、ということ。
→ 「抑止力の維持」はますます空疎になる

◇米政府が苛立つのは無策だから・・・ 何も新たな合理的な提案をしてこない。
沖縄の怒りを無視し、現行案に固執し、一歩も事態解決に知恵を出さない日本側の無策

【対談での柳澤氏の発言】

・軍隊をどこにおくかは、政治が決める軍隊の任務による。

・96年、橋本総理とモンデール駐日大使の普天間返還合意
〜背景は、ナイ国防次官補がまとめた東アジア戦略報告。北朝鮮など地域の不安定要因の対し、10万人の在外軍事プレゼンスの維持 /安定した「入れ物」の確保が必要で、沖縄への過度の集中は安定駐留に害するという問題意識/ 橋本首相は、フローティング、桟橋方式など「撤去可能」と盛んに言っていた。

・06年、ブッシュ、小泉会談での共同声明〜 米国の対テロ戦争の対しグローバルに日本が協力
〜 基地提供の意義づけ/アジアでの10万人体制の維持から、グローバルな米国の展開サポートに変化。/撤去可能ではなく、安定的な機能強化した「新基地」へ

・現在、対テロ戦争戦略は破棄され、アジアでの中国との軍事均衡が焦点に。
→重要な特徴/ 中国のミサイルの射程外、射当てのアウトリーチから攻撃する能力の重視/ エア・シー・バトル・コンセプト /中国に近すぎる沖縄に、なぜ基地をおくのか。という戦略的意義が不明に。

・米戦略の変化の中で、沖縄の基地の位置づけは当然変化する・・・が、政府は「抑止力」という説明しかしない。実態がまったく見えてなく、「抑止力」という言葉だけが使われる。そこに基本的な矛盾がある。

◇「抑止力」とは・・・

・事があれば世界中から米軍が動員されてい集中してくる。事によっては核ミサイルも飛んでくる。それが嫌ならば手を出すな・・・というのが本質
・戦争を抑止するという意味での抑止力であれば、基本的に部隊がどこにいるかは大きな要因ではない。/まして、機動性、機動力を重視している海兵隊は3つの遠征軍で全世界をカバー。
→ 海兵隊が抑止力の一環ということを一応是認したとしても、どこか特定の場所にいなければならないというのは、軍事的常識として成り立たない。

◇沖縄固執は、自己保身

・沖縄の負担軽減を政治の優先順位にすれば、様々な案が出てくるはず
・が、現実は、06年の現行案に固執。軍事的に説明がつかない以上、やっている人の自己保身でしかない。/ 勉強して知恵を出して、自分でリスクを背負って新しいことを提案していく勇気がない
 

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