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宮城県・医療費免除打ち切りで受診抑制~復興予算のあり方が問われる

 宮城県は「国による財政支援がなければ財源が確保できない」として3月末で免除措置を打ち切っている。民医連、保団連の調査で、受診抑制が鮮明になった。国が全額負担から8割負担に切り替え、県が2割分を負担し、半年間継続していたもの。必要な予算は、年30億円とのこと。
 福島、岩手が継続しており、水産特区、仮設住宅、ガレキ処理の大手丸投げなど宮城県の姿勢も問題だが、2年度の復興予算約3兆4千億円が未消化。流用問題では、原発関連で輸出調査に5億円、核融合研究に42億円、原発停止による電力会社の負担穴埋めに基金100億円などが報道されてきた。国の姿勢ともあわせ、憲法にもとづく「人間の復興」・・・生活と生業の再建が後回しにされている。国も県政もあり方が問われる。
【医療費免除打ち切りで被災者の受診抑制鮮明 河北新報8/25】
【復興予算未消化 事業着手へ環境整備急げ 西日本新聞8/8】

【医療費免除打ち切りで被災者の受診抑制鮮明 河北新報8/25】

 東日本大震災の被災者を対象に3月末まで適用されていた医療費の窓口負担などの免除措置をめぐり、措置打ち切りが患者の受診抑制につながっているとの調査結果が相次いでまとまった。宮城県は「国による財政支援がなければ財源が確保できない」として免除再開は困難との見解を示しており、議論は今後も続きそうだ。

◎患者「続けられるか心配」47%
 県民主医療機関連合会(宮城民医連)が医療費窓口負担などの免除措置の対象だった患者に対して行った調査によると、回答者の47.8%(273人)が措置打ち切り前の治療を「続けられるか心配」と回答した。「続けられる」は43.1%(246人)だった。
 「心配」「分からない」と答えた315人のうち、検査回数や薬の数を減らすなど受診抑制を検討しているのは234人で、全体の41.0%に上った。内訳(複数回答)は「受診回数を減らす」が149人で最多。「薬を減らす」(114人)「検査を減らす」(117人)が続いた。
 住まいの形態別にみると、「続けられるか心配」の割合は、仮設住宅に住む人(120人)では58.3%に達し、自宅に住む人(400人)の43.5%を上回った。
 宮城民医連は「受診抑制で慢性疾患などが悪化する人が出かねない。治療が継続できる人でも生活費へのしわ寄せが懸念される」と話している。
 調査は5~6月、宮城民医連所属の病院や診療所で外来を受診した患者のうち、免除対象者だった人や一部の仮設住宅住民らを対象に実施。571人から回答を得た。

◎医師「来院しない人いる」49%
 医療費窓口負担などの免除措置が打ち切られた4月以降、医療機関の半数が、継続的な診療が必要なのに来院していない患者を抱えているとの調査結果を、県保険医協会がまとめた。協会は「処方された薬がなくなる人も増える。早急な支援が必要だ」と話している。
 調査は5月、協会加盟の医師や歯科医を対象に実施し、126件の回答を得た。
 医療費減免が打ち切られた診療継続中の患者について「来院していない人がいる」は49.2%(60件)に上った。科目別では歯科医では63.8%を占め、医師では40.0%だった。
 「来院回数が減った患者がいる」も全体の47.2%(58件)に達した。昨年度中の治療終了を要請されたり、長期間の薬の処方を求められたりしたとの回答も68.3%(86件)を占めた。
 調査では「リハビリを中断した患者がいる」「白内障の患者が来院しなくなり、失明しないか心配だ」などの声が寄せられたという。

◎知事「国の全額負担で再開を」
 医療費窓口負担の減免措置をめぐっては、県議会が6月定例会で仮設住宅住民らが提出した請願を全会一致で採択している。ただ県は「財源がなく、要望に応じられない」と説明している。
 国が事業費を全額負担する仕組みから8割負担に切り替わった昨年10月以降、県は残りの2割を拠出して制度を継続してきた。
 県の試算によると、支援継続に必要な予算は年間約30億円。県は昨年度、被災市町と事業費の分担を協議したり、対象世帯の絞り込みを検討するなど継続の道も探った。
 ただ市町から財政事情を理由に負担は難しいとの意向が示され、「県単独では財源が確保できない」と3月末で免除措置を打ち切った経緯がある。
 村井嘉浩知事は「減免措置の必要性は認識している」と言うものの、再開には国の財政支援が不可欠との姿勢だ。「引き続き、国の全額負担による事業の再開を求めていく」と話している。

<医療費窓口負担などの免除措置>
 東日本大震災の被災者に対し、国民健康保険加入者の医療費窓口負担と介護サービス利用料を免除する国の支援策。国は当初、事業費を全額負担し、昨年10月以降は補助率を8割とし、県内では県が残り2割を賄っていた。県はことし3月末で措置を終了させた。岩手、福島両県は昨年10月から市町村と1割ずつを負担し、措置を継続している。


【復興予算未消化 事業着手へ環境整備急げ 西日本新聞8/8】

 巨額の予算を付けても事業に着手できず、被災地の復旧・復興が遅れている実態があらためて浮き彫りになった。
 2012年度予算に計上された東日本大震災の復興費約9兆7千億円のうち、35・2%に当たる約3兆4千億円が未消化で実際には使われなかった。
 11年度も復興費のうち39・4%に当たる約5兆9千億円が未執行だった。2年連続で計上した4割近い予算が活用できなかったことになる。
 一日も早い生活再建を願う被災者の期待を裏切るものだ。
 多くの被災地では人口の流出が進んでいる。復興への取り組みが遅れれば遅れるほど、地域再生への道のりは険しくなる。国はもっと危機感を強め、事業に着手できる環境整備を急ぐべきだ。
 12年度の復興費のうち、とりわけ災害復旧の公共事業費と東京電力福島第1原発事故に伴う除染費では計画の4割弱しか執行できなかった。実に6割以上の予算が未消化だったという。
 背景には、復興計画をめぐる国と自治体の調整や事業への住民の同意取り付けが遅れているのに加え、建設資材や作業員の不足が深刻化している問題がある。
 被災地を再生するには当然、インフラの復旧が欠かせない。例えば、道路復旧と漁港整備など発注元が異なる複数の事業で全国から資材調達を集約して調整するなど、国は積極的に動くべきだ。
 用地取得も難航の大きな要因となっている。一定の手続きは必要だとしても、地権者の同意を促す仕組みや地権者不明の場合の特例措置などを検討すべきだ。
 会計検査院の調べでは、被災自治体が昨年9月までの1年間に発注した予定価格1千万円以上の工事で21・1%の入札は不調に終わった。
 事業の質を確保することは大切だが、入札参加の要件緩和や弾力的な運用なども必要ではないか。事業着手の障害となっているさまざまな課題の解決に向け、国と地方、官と民がお互いに知恵を出し合い、復興事業に弾みを付けたい。
 復興費は一般会計とは切り離して、復興特別会計で管理されている。安倍晋三政権は、5年間の予算総額を民主党政権下での19兆円から25兆円へ拡大した。せっかく予算枠を広げても、未執行が目立つようでは意味がない。その財源の多くは復興増税などで国民が負担していることも、忘れてもらっては困る。
 一部の予算が被災地と関係のない事業に使われていたことも判明している。流用は論外だが、復興費の未消化も深刻な問題である。
 政府は来年度予算の概算要求基準でも復興関連の予算要求は上限を設けない方針という。被災者の生活支援やインフラ整備などを推し進める考えだが、予算さえ確保すれば後は何とかなる‐という安易な発想とは決別しなければならない。計上した予算はきっちり執行する。そんな行政の基本を政府は厳守すべきだ。

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