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民主国家、主権国家なのか・・・オスプレイ追加配備

“8割超がオスプレイ配備に反対した。大半の県民が普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する中でオスプレイを強行配備し、危険との共存を強要するのは民主国家にあるまじき暴挙である。”(琉球新報)
“外国軍である米軍機が日本の空を自由に飛び回る。その軍用機は安全性に疑念が残るから、配備をやめてほしいと基地周辺住民が再三求めても聞き入れられない。これが安倍晋三首相が思い描く「主権」国家なのか。”“国内では住民の意見に耳を傾け、国外では聞く耳を持たないというのでは二重基準だ。”(東京)
【オスプレイ追加配備 この国は民主国家か 人道に反する危険強要 琉球新報8/4】
【オスプレイ 民意顧みぬ配備強行だ 東京7/31】

【オスプレイ追加配備 この国は民主国家か 人道に反する危険強要 琉球新報8/4】  米海兵隊は岩国基地(山口県岩国市)に一時搬入していた垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ12機のうち2機を3日、宜野湾市の普天間飛行場に追加配備した。  県民は、オスプレイの安全性や常駐配備に伴う騒音激化を強く懸念している。7月中旬の県民世論調査では8割超がオスプレイ配備に反対した。大半の県民が普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する中でオスプレイを強行配備し、危険との共存を強要するのは民主国家にあるまじき暴挙である。  日米はオスプレイを米本国へ撤収させた上で、新たな普天間返還合意を模索するべきだ。

◆現実離れの神話

 オスプレイは虚飾にまみれ、米軍の事故対応なども過小評価、情報隠しが際立ち信頼性が疑わしい。
 米海兵隊は、2009年に被害が甚大なクラスAの損害額の評価基準を「100万ドル以上」から「200万ドル以上」に引き上げた。
 この見直しで従来の評価基準なら3・98となるオスプレイの事故率が、1・93と低くなった。この作為を指摘すると、米側当局者は「事故が多いのは試作段階の話。今は安全だ」などと反論する。
 だが現実に事故は起きている。オスプレイは開発段階で30人が死亡し、昨年4月にモロッコ、6月には米フロリダ州で墜落事故を起こし計9人が死傷した。海兵隊のオスプレイに限っても06年以降30件以上事故が起きた。日米の「安全宣言」は神話にすぎない。
 10年にアフガニスタンで起きた墜落事故に関しては、事故調査の責任者だった空軍准将(当時)が「機体に問題があった」との報告を作成したところ、空軍上層部の圧力で「人為ミス」に書き換えさせられたことが分かっている。
 09年まで17年間、米国防分析研究所の主任分析官としてオスプレイ開発に関わってきたレックス・リボロ氏は本紙の取材に対し、ヘリモードでエンジンが停止した場合に通常のヘリならオートローテーション機能(自動回転機能)で着陸できるが、オスプレイには同機能が欠如して「どこにでも墜落する」と証言。安全性に「深刻な穴がある」と指摘した。
 米本国と海外基地の運用で対応が異なる、アンフェアな実態もある。米ニューメキシコ州で予定された米空軍のオスプレイの低空飛行訓練は、住民の反対で延期され訓練内容が見直された。ハワイの二つの空港でのオスプレイの着陸訓練が、住民の反対で撤回されたこともある。命をめぐる「二重基準」など人道上許されない。

◆国民への印象操作

 防衛省は先月30日、オスプレイをめぐり県が日米合意の運用ルールや安全確保策に違反すると指摘していた318件の飛行について、「合意違反の確証は得られていない」との検証結果を公表した。
 防衛省の担当者は「米側も日米合同委員会の合意に基づいて飛行していると繰り返し述べている。政府としてそれを否定するような立場にはない」と会見で説明した。
 防衛省のこの対応は、検証結果公表の狙いが県民への説明ではなく、国民への印象操作にあると自白しているに等しい。根拠もなく「安全」を触れ回り、国民をミスリードする国の手法は姑息(こそく)である。
 普天間飛行場へのオスプレイの配備理由として、日本政府関係者は「抑止力の向上」を重要視する。
 だが、オスプレイの安全性や採算性を疑問視する非営利組織「米政府監視プロジェクト」のベンジャミン・フリーマン博士は、「オスプレイは超音速の戦闘機ではなくただの輸送機。日本への攻撃や侵略を防ぐ能力はない。抑止力なら既に存在する空軍が担っている」と指摘。「オスプレイの沖縄配備は不要」と断言する。
 米議会有力者や安全保障専門家からも辺野古移設見直し論や海兵隊のオーストラリア移転、米本国撤退論が出ている。日米は民主主義を踏み外した安保政策から脱却すべきだ。オスプレイ、普天間飛行場を沖縄から撤去させるときだ。


【オスプレイ 民意顧みぬ配備強行だ 東京7/31】

 沖縄県の米軍普天間飛行場に追加配備されるMV22オスプレイ十二機が山口県の米軍岩国基地に搬入された。仲井真弘多知事ら沖縄県民の多くが配備強行に反対している。なぜ民意を顧みないのか。
 外国軍である米軍機が日本の空を自由に飛び回る。その軍用機は安全性に疑念が残るから、配備をやめてほしいと基地周辺住民が再三求めても聞き入れられない。これが安倍晋三首相が思い描く「主権」国家なのか。
 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイは、八月上旬にも岩国基地から普天間飛行場(宜野湾市)に移動し、配備済みの十二機と合わせて二十四機態勢が整う、という。
 住宅地に囲まれ、かつて米国防長官が「世界一危険」と認めた普天間飛行場に、開発段階から実戦配備後まで墜落事故を繰り返す軍用機を、なぜ配備できるのか。日本政府もなぜそれを許すのか。
 事故の危険性が指摘される飛行方法を米軍施設上空に限定し、人口密集地上空の飛行は避けるなどの日米合意も守られていない。
 仲井真知事は九日、菅義偉官房長官らに追加配備の見直しを要請した。沖縄県議会も十一日、全機撤収を求める意見書と抗議決議を全会一致で可決している。二十一日の参院選では、配備に反対する糸数慶子氏が当選したばかりだ。
 日米両政府は直近の民意がオスプレイ配備反対であることを、重く受け止めるべきではないか。
 米国内ではオスプレイの低空飛行訓練計画に周辺住民から懸念が出て、中止や見直しが行われたという。米国内では住民の意見に耳を傾け、国外では聞く耳を持たないというのでは二重基準だ。
 これでは自由と民主主義を「人類共通の価値観」と位置付ける米国が世界の民主化の先頭に立とうと意気込んでも、信用されまい。
 米太平洋空軍のカーライル司令官は、空軍仕様のオスプレイCV22の、嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)や横田基地(東京都福生市など)への配備に言及した。
 CV22は陸軍特殊部隊の輸送など特殊作戦機として運用されるため、MV22に比べて事故率が高いという。昨年六月には米国内で訓練中に墜落事故を起こしている。
 危険な軍用機が日本中を飛び回り、その配備も止められない。オスプレイは沖縄にとどまらず、「国の在り方」にもかかわる重い課題だ。日本国民全体が自らの問題として考えなければならない時機に来ているのではないか。

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