自民公約 「ブラック企業支援」か? ~ワタミ元会長公認
自民の公約 「産業の新陳代謝、規制・制度改革、官業開放により、民間活力を最大限に引き出します。」「日本を『世界で一番企業が活動しやすい国』にします。」
その意味を象徴しているのが、社員に月141時間もの残業を強いるなどして過労死に追い込んだワタミ元会長の公認。田中龍作氏のレポート。
解雇自由、残業代ダダ、みんな非正規、ブラック企業が蔓延する社会への道。
“米国の勤労世帯は現在、「賃金危機」にある。仕事の質は低下し、低賃金労働者層は増加、そして米国の賃金格差は紛れもなく恥ずべきレベルにある。”とロイターのコラム。日本もしっかり追随。
【「どうしてワタミを候補者にするんだ?」 過労死した社員の両親、自民党に抗議 6/28】
【コラム:米国が直面する「賃金危機」 ロイター6/28】
【「どうしてワタミを候補者にするんだ?」 過労死した社員の両親、自民党に抗議 6/28】社員に月141時間もの残業を強いるなどして過労死に追い込んだ居酒屋チェーン店「和民」。創業者で苛酷労働を賛美していた渡邊美樹元会長(53歳)が、参院選全国比例区に自民党公認候補として立候補する。
過労の末に自殺した元和民社員、森美菜さん(当時26歳)の両親がきょう、渡邊氏の立候補取り消しを求めて自民党本部を訪れた。
両親は選挙対策の政治家との面談を求めていたのにもかかわらず、自民党は職員を出して対応した。それも門の外側で、だ。
あまりにも不誠実な対応に父親の豪さん(65歳)は職員の胸ぐらをつかんで詰め寄った。「どうしてワタミを候補者にするんだ? 私たちは5年間、毎日毎日苦しんできたんだ…」。
母親の祐子さん(59歳)は、美菜さんの遺影を抱いて夫に寄り添った。「私たちは政治家に会いに来たんです」。もの静かな口調に深い怒りが込められていた。
「門の外ではなくて党本部の中で(選挙対策の)政治家に会わせろ」。両親と支援者が中に入ろうとしたが、制服警察官がピケを張って入れさせまいとした。自民党本部の正門前は緊迫した雰囲気に包まれた。母親の祐子さんは娘の遺影を抱いて抗議に訪れた。後ろのプラカードは「和民 殺人企業」。
週刊文春によると、渡邊氏はグループ全社員に配る社内文書で「365日24時間死ぬまで働け」「勤務時間にとらわれず仕事をしろ」と呼びかけている。
森美菜さん(当時26歳)は、入社後2ヶ月余の2008年6月、抑うつ状態になり自殺。時間外労働が月141時間あったとして、2012年2月、過労による自殺と労災認定された。
NPO法人・労働相談センターによれば、「娘を死に至らしめたワタミの業務を知る会長、本社の社長、ワタミフードサービスの社長と直接話し合いたい」として、昨年9月ワタミ側に面談を申し入れたが、実現していない。
参院選後、労働法制の大幅緩和を目指す安倍政権にとって、渡邊氏は是が非でも当選させたい候補だ。渡邊氏が当選すれば、「残業規制の撤廃」も「首切り自由化」も、国民から御墨付きを与えられたことになるからだ。
「法律違反を重ねて若者を過労死させた経営者が国会議員になる資格があるのか?」。父豪さんの抗議を安倍首相が聞いたとしても意に介さないだろうが、多くの有権者の心には重く響いたはずだ。
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