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深層防護・第5層を無視する新規制基準と電力会社~再稼働申請

 本日、電力会社が再稼働の申請をする。が、福島事故を教訓とせず、国際的な深層防護に学ばない、あまりにも無責任な対応である。
原発を利用するなら(私は反対だが)、そのリスクに正面から向き合うというのが国際的な安全基準の考え方、深層防護である。国会事故調もふくめ、日本では4層(シビアアクシデント対策)、5層(原子力防災)が無視されてきたことが指摘されている。30年近い遅れである。
 今回の新基準は、4層では、格納容器の設計からは見直さず追加するだけのものであるが、事業者まかせから国の基準になった。しかし、第5層は完全に無視されている。これは深層防護に値しない。これを基準にすると、日本で原発が不可能になるからである。
 少なくとも3つ論点があると思う。 

再稼働に「同意」するのか・・・国まかせでなく、住民の命に責任を負う自治体として、福島事故の反省、国際的な安全基準に対する姿勢が問われる。

【原発再稼働・自治体アンケート/ 6割が「政府判断求める」  再稼働「認める」は3割 共同7/7】

①立地指針~ 国際基準の「原発敷地境界」の被曝量を不採用 

 原発の「立地審査指針」には、「非居住地域」「低人口地帯」を考慮して立地すると定められている。スリーマイル事故の避難範囲は10キロ。チェルノブイリ事故では30キロ。仮に、非居住区域を10キロに広げると日本での原発立地はほとんど不可能となる。場所がなく、用地買収費用も高額となる。
 が、今までは、「格納容器はこわれない」という論理を採用し、原発周辺の非居住地区、低人口地域を無視してきた。原発立地指針を充たすため、「格納容器は壊れないこと」にした。その前提で、「深層防護」を無視する安全基準をつくった結果が福島原発事故だった。

 国際基準は、10キロ時点の「原発敷地境界」の“年間”被曝量が100mSV以下。国会で、この状況を指摘した吉井英勝衆院議員の質問に対し、原子力規制委員長は、日本の全原発は原発立地審査指針「不適合」で「福島事故のような放出がおこらない対策を取らなくてはならないと動かせない」とのべていた。
「指針を国際基準並みに厳しくして建設済みの全原発に適用する」と発言している。

 が、新規制基準では、「重大な事故を起こさないことが第一」として「目安線量のような考え方は今回は採用してない」(田中委員長)。

 → 国際基準を採用するとすべての原発が立地できなくなるから、国際基準の採用をさけた。

②集中立地の規制なし

 原発事後において、放射性物質の放出量は出力に比例します。リスクを下げるためには、集中立地の規制が必要だが、規制委員会も途上では言及していたが、結果的にスルーされた。

③再稼動の条件でない防災計画~ 実際に避難できない計画

 防災計画は、計画策定だけでよく、「再稼動の条件としない」と、深層防護の考えを否定している。

 → なぜ基準にしなかったか・・・ 実際に避難できる計画が不可能だからである。 「格納容器はこわれない」との虚構の前提で、非居住区域、低居住区域の設置を事実上無視してきたために、避難対象区域に多くの住民が住んでいるために安全対策の確立を極めて困難になっている。

  夜の場合、昼の場合、地震で道路などが崩壊した場合・・・
  入院患者や介護施設、学校、保育園での避難対策は・・・
  東西南北のルートと避難先は・・・     

  膨大な予算と時間が必要になる。

 100万人が対象となる茨城県では、「避難はとても無理」(水戸市長)「50人乗りバスが1000台以上必要。一刻一秒を争うことを考えれば不可能」(那珂市長)/毎日新聞4月24日。

 07年に出版された「原子力防災─原子力リスクすべてと正しく向き合うために」は、福島事故を予見した本として注目を集めた。著者の松野元(げん)氏は、四国電力の元技術者で、伊方原発にも勤務し、その後、原子力発電技術機構・緊急時対策技術開発室長として、SPEEDI設計・運用にたずさわってきた原子力防災の第一人者である。

 松野氏は、「原子力災害対策特別措置法」15条通報(全部電源喪失・冷却機能喪失)から格納容器の破壊に至る最短時間25時間以内(メルトダウンに数時間+格納容器破損に約20時間弱+放射性物質が住民に到達までに1~2時間程度)に、30キロの範囲の住民を、現場を知る自治体が主体となって風下に避難させる必要を、チェルノブイリ事故では、当初は屋内避難でよいとされていたものが36時間後に避難することになり、貴重なタイミングを失ったことを教訓にすべきとして指摘している。
 避難所・避難経路は、できるだけ遠隔地にあって、放射性物質の拡散は風向きに影響されるので、東西南北それぞれの方位についてあらかじめ選定しておく必要があるとし、プルサーマル炉は、その影響が、採用してない炉の「数倍になることも認識すべき」と指摘していた。

 同氏は、(「全員避難、保証無理なら廃炉に」毎日新聞4月25日)は、「原子力防災体制の整備は原子炉設置許可の条件とならず、原子力防災は『飾り』のような存在だった。」「これだけの事故が起きたのに、日本は従来の考え方と体制からまだかじを切れていない」とし、「今各地で行われている避難訓練の決定的な問題は、30キロ圏の住民全員が事故時に本当に避難できるのかを確認していない点だ」と問題点を指摘し、「全員避難の保証が出来ないのなら廃炉に」と述べている。


【原発再稼働・自治体アンケート/ 6割が「政府判断求める」  再稼働「認める」は3割 共同7/7】

 電力会社が原発の再稼働に向けた安全審査の早期申請を表明した7原発周辺の73自治体のうち、6割の44自治体が、運転再開には原子力規制委員会の審査終了後、地元の同意に加え、政府の責任で判断する必要性があると考えていることが6日、共同通信社のアンケートで分かった。再稼働について「認める」「今後認める」の回答は合わせて3割弱にとどまった。
 原発の新規制基準が施行される8日以降、速やかな申請を目指すのは、北海道電力泊原発、東京電力柏崎刈羽、関西電力の大飯と高浜、四国電力伊方、九州電力の玄海、川内の7原発14基。アンケートは立地自治体のほか、原発から半径30キロ前後で、事故時の対策が必要となる「緊急防護措置区域(UPZ)」に入る自治体を対象にした。
 規制委が新基準に適合していると認めた場合の再稼働の是非は、44自治体が「政府が判断する(地元の同意も必要)」と回答。「政府が判断する(地元の同意は不要)」も5自治体で、合わせると7割近くが政府の責任の明確化を求めた。
 脱原発の世論が根強い中、規制委が基準適合を認めるなど条件が満たされた場合でも、自治体側から再稼働の是非を言い出しにくいためとみられる。
 規制基準の整備が先行する一方、再稼働手続きには不透明な点が残るため、対応に慎重な自治体が多い。再稼働を「認める」の回答は11自治体、「今後認める」が8自治体に対し「当面認めない」5自治体、「認めない」3自治体で、「判断できない」が29自治体と最も多かった。
 新基準については「安全対策として十分」「どちらかといえば十分」が計26自治体に上り、「不十分」「どちらかといえば不十分」は計7自治体にとどまった。「分からない」が27自治体と最も多く、新基準への理解が進んでいない側面も浮かんだ。
 アンケートは6月下旬から7月上旬にかけて実施し、73自治体すべてが回答した。

◆過半数が規制委評価 「安全性を重視」 
 原発に関する自治体アンケートでは、原子力規制委員会の活動について、73自治体のうち過半数の40自治体が「安全性を重視している」などと評価していることが分かった。評価できないとする回答は25自治体だった。
 評価できる理由は「安全性を重視している」が17自治体で、安全性について「科学的な判断に努めている」が8自治体だった。
 一方、評価できない理由は「情報公開や説明が不十分だ」との回答が16自治体と最も多かった。
 ほかに「新基準の運用はこれからで、実効性は明らかになっていない」などと個別に理由を挙げて、明確な評価を示さない自治体も目立った。
 また再稼働の際に同意が必要となる地元の範囲については、18自治体が「原発が立地する道県と市町村のみ」と回答。12自治体が「原発の半径30キロ圏の全自治体」と答えた。そのほか「30キロを超えて(事故による)影響が大きい自治体も対象とすべきだ」(滋賀県)との主張や、「国が方針を示すべきだ」(新潟県上越市)などの意見もあった。
 自治体と電力会社が事故時の情報提供のあり方などについて定める原子力安全協定は、東京電力福島第1原発事故後に結んだと回答した自治体が37自治体に上り、事故前から締結していると回答した23自治体を大きく上回った。

【原発の新規制基準】 
 原発の新規制基準 東京電力福島第1原発事故を教訓に、原子力規制委員会が従来の指針などを見直して策定。炉心溶融や放射性物質の大量放出といった過酷事故への対策や、地震、津波対策を強化した。8日に施行。原発を再稼働させるためには新基準に適合していることが条件となり、電力会社は安全審査を規制委に申請する。新基準は既存の全50基のほか、新たに建設される原発にも適用される。

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