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成長戦略〜国民不在の空疎な政策 地方紙社説 

 バブルをあおっても所詮バブル。株価は下落・・・「成長戦略」にも批判が地方紙を中心に広がっている。
 「アベノミクスの成長戦略に通底するのは、経済界の要望に沿った企業利益を最優先する思想であり、働く人や生活者は置き去りにした国民不在の空疎な政策である。」(東京新聞)
「賃金上昇の兆しも見えない。円安で食品価格や電気料金も上がり『アベノミクス』の副作用が家計を直撃している。」「企業に手厚い半面、家計を直接支援する施策は一部にとどまっている。格差が広がる中で貧困層など弱者に対する施策も薄い。」(琉球新報)
「必要なのは、新たな需要創出で眠っている企業資金をいかに引き出し、賃上げにつなげるかの具体策だ」(北海道新聞)
「仮に政権が描く企業の業績改善が実現したとしても・・・その成果が従業員らに配分される保証はない。企業がため込む恐れもある。企業起点に偏る戦略は、そうした危うい構図の上にある。」(河北新報)

【アベノミクス 国民主役の成長戦略を 東京6/7】
【成長戦略 威勢はいいが新味なし 琉球新報6/7】
【成長戦略 将来描けぬ青写真では 北海道新聞6/6】【成長戦略/「家計が潤う」道筋見えない 河北新報6/7】

なお、GNI150万円増について、GNIは国民と企業が1年間に国内外でつくりだすもうけの総額で、志位さんは「小泉内閣の5年間で1人あたりGNIは18万円増えたが、1人あたり賃金は16万円減った」と明確に説明。

【アベノミクス 国民主役の成長戦略を 東京6/7】

 安倍政権の経済政策アベノミクスが雲行き怪しい。異次元の金融緩和で盛り上がった市場も、肝心の成長戦略で失望が広がった。企業最優先でなく、国民が幸せになれる成長戦略に転換すべきだ。
 安倍政権は六日、成長戦略に続いて経済・財政政策の指針となる骨太の方針をまとめた。社会保障費抑制のために生活保護をさらに削り込む一方、公共事業は重視するなど相変わらずの姿勢である。
 成長戦略の眼目は「世界で一番企業が活動しやすい国」にすることだという。外資を含め企業が進出しやすいよう税制や規制に配慮した「国家戦略特区」をつくる。安全性が確認された原発の再稼働を進める。二〇二〇年にインフラ輸出を三倍に増やし、外国企業の対日直接投資額を倍増させる、などが目玉だ。
 「成長戦略の一丁目一番地」とした規制改革では、解雇しやすい正社員といわれる限定正社員の雇用ルールを来年度に決める方針を打ち出した。
 これらアベノミクスの成長戦略に通底するのは、経済界の要望に沿った企業利益を最優先する思想であり、働く人や生活者は置き去りにした国民不在の空疎な政策である。「富める者が富めば貧しい者にも富が自然に浸透する」というトリクルダウン経済理論によるといわれるが、米国では貧富の格差がさらに拡大する逆の効果が起きたのは広く知られるところだ。
 そんな経済界に配慮したはずの成長戦略だったが、市場の反応は冷淡だ。それは一言でいえば、総花的に事業を並べたものの、目標達成までの実現性が疑わしいためである。規制改革でも参院選勝利を最優先して農協や医師会などの既得権には切り込まず、まやかしの姿勢が市場に見透かされた。
 そもそも成長戦略や規制改革は誰のためのものか。国民を不幸にするものならば、ない方がましである。介護や医療、文化、スポーツなど国民の幸福につながる成長分野は多々あるはずだ。
 デフレ脱却のために経済成長は必要である。だとしても、そのために原発再稼働を急いだり、他国に原発を輸出するのは間違っている。福島原発事故の原因すら究明できていないのである。
 フクシマを経験した日本がなすべき成長戦略は、再生可能エネルギーや省エネ分野の研究、実用化に注力することではないのか。世界で一番を目指すならば、こうした地球規模で貢献できる仕事こそがふさわしい使命である。


【成長戦略 威勢はいいが新味なし 琉球新報6/7】

 日銀の大胆な金融緩和、機動的な財政出動に続き、成長戦略が示され「アベノミクス」の「三本の矢」が出そろった。投資70兆円など威勢のいい目標が並ぶが、具体策は新味に乏しい印象を受ける。
 まず企業支援に重点を置き過ぎている。支援する理由は、企業を強くすれば、もうけが滴のように下に垂れてきて、給料が上がり雇用も増える、という理論に基づいている。
 楽観し過ぎではないか。景気が回復軌道に乗らなければ、滴は垂れず給料は上がらない。
 現に最近の株の乱高下や長期金利の上昇で「アベノミクス」の雲行きは怪しくなっている。円安効果で企業業績は改善しているが、狙い通りに設備投資に結びつくか不透明だ。賃金上昇の兆しも見えない。円安で食品価格や電気料金も上がり「アベノミクス」の副作用が家計を直撃している。
 企業に手厚い半面、家計を直接支援する施策は一部にとどまっている。格差が広がる中で貧困層など弱者に対する施策も薄い。
 安倍晋三首相は、10年後に1人当たり国民総所得(GNI)が150万円以上拡大するとの目標を表明した。長期戦略の狙いを「頑張って働く人たちの手取りを増やすこと」と説明している。
 バラ色に見える将来像だが、年収が単純に150万円増える訳ではない。GNIは国民と企業が1年間に国内外でつくりだしたもうけの総額を表す。150万円の中には企業のもうけが含まれているので、その分を差し引いて考える必要がある。
 そもそも150万円の前提として、今後10年の平均で名目3%の経済成長を目指している。人口が減る中で実現可能なのか疑問だ。
 雇用分野は、働く時間や勤務地が限られる「限定正社員」の普及が盛り込まれた。だが「正社員」とは名ばかりで解雇条件が緩い。解雇されやすい人を増やす結果になりかねない。
 目玉の「国家戦略特区」の設置は、大都市中心に地域を絞って規制緩和する。これでは大都市と、地方の格差が広がってしまうのではないか。
 エネルギー分野で、原発の再稼働に「政府一丸となって最大限取り組む」と明記した。原発事故の原因究明が終わらず、原子力政策も定まっていないまま「原発活用」を鮮明に打ち出すことは、理解できず、的外れと言わざるを得ない。

【成長戦略 将来描けぬ青写真では 北海道新聞6/6】

 スローガンばかりが踊って、中身の乏しさは隠しようがない。
 安倍晋三首相はきのう、アベノミクスの「第3の矢」となる成長戦略の第3弾を発表した。第1弾、第2弾と併せ14日に閣議決定する。
 首相は、1人当たりの国民総所得を10年後に150万円増やすとの数値目標を掲げた。
 だが、その道筋は不透明だ。首相は「規制改革こそ、成長戦略の一丁目一番地だ」と述べ、大都市圏の国家戦略特区の創設などを通じ、成長軌道に乗せる考えを示した。
 国家戦略特区は特に外国資本の呼び込みを狙うが、日銀の大胆な金融緩和で国内には資金があふれている。デフレに苦しむ日本に足りないのは資金ではなく、需要である。
 必要なのは、新たな需要創出で眠っている企業資金をいかに引き出し、賃上げにつなげるかの具体策だ。
 きのうの東京市場は「成長戦略に新味がない」との失望から日経平均株価が急落した。抜本的に戦略を再構築しなければならない。
 安倍首相は成長戦略のキーワードを「民間活力の爆発」と強調した。
 第3弾の目玉となる国家戦略特区は、外国人医師の診療許可やインターナショナルスクールの設置要件などの規制を大幅に緩和し、世界で一番企業が活躍しやすい国の実現を目指すという。
 しかし、日本は発展途上国のように資本や技術力が不足しているわけではない。外国企業は採算が取れないと判断すれば、簡単に撤退するリスクもある。
 特区では容積率の緩和や優遇税制も検討するが、大都市圏と地方の格差を一層広げかねない。
 国民の安全を軽視していると、とられかねない施策も並ぶ。
 首相は一般医薬品(大衆薬)のインターネット販売を解禁する方針を打ち出した。だが、安全論議は不十分で経済効果も見込めない。成長戦略に盛り込むこと自体が筋違いだ。
 国の財政難から、民間資金を活用した社会資本整備(PFI)を掲げたが、高速道路などの老朽化が深刻さを増す中、民間がどこまで安全対策を講じられるのかも疑問だ。
 一方で、首相は電力システム改革で、小売りの全面自由化と発送電の分離を表明した。料金引き下げのためには、電力業界の地域独占に風穴を開けなければならない。やり遂げる実行力が問われよう。
 アベノミクスは成長戦略が総仕上げだったはずだ。だが、第1弾の「女性の活用」や第2弾の「攻めの農業」なども決め手に欠く。円安株高を演出した金融緩和も副作用が目立つ。一から考え直す時だ。

【成長戦略/「家計が潤う」道筋見えない 河北新報6/7】

 家計よりも企業の支援に重点を置き、規制緩和をテコに事業再編や設備投資を促す。そうした狙いのようだ。
 だが、もくろみ通り「民間活力の爆発」を引き起こし、日本経済がデフレから脱却し再生できるのかどうか。その道筋が描けているとはとても言えず、疑問と不安が頭をもたげてくる。
 政策が出そろった安倍政権の経済政策「アベノミクス」第3の矢、成長戦略のことである。
 産業再編を促し企業の国際競争力を取り戻す「産業再興」、健康・医療や農業を含む成長分野を開拓する「戦略市場創造」、海外の成長を取り込む「国際展開戦略」の3本柱から成る。
 再生のスタートは、企業業績の改善にあるとの考え方であろう。国の支援や規制改革で、事業の新陳代謝や成長分野進出、インフラ整備を含む海外展開の道を開き、投資を促す。それにより業績が好転すれば、その果実が賃上げや雇用を生み、家計を潤して消費を拡大する。そんな筋書きのように見える。
 その流れを支えるのが、戦略実施までの「つなぎ役」として公共事業を軸に景気を刺激する第2の矢である財政出動とともに、第1の矢である大胆な金融緩和の役割だったはずだ。
 だが、金融緩和は企業が資金を借りやすくなるよう、金利の低下を狙った政策目標とは裏腹に、長期金利の上昇を招いている。是正されねばなるまい。
 一方で、緩和は円安効果をもたらし、輸入物価上昇などの副作用を生みながらも、輸出産業を中心に業績を改善させた。だが、それが賃上げや設備投資に結び付かない現実がある。
 成長戦略は民間の設備投資を3年間で1割増やし、年70兆円台に回復させる目標を掲げる。
 どう引き出すのか。企業は戦略に盛り込まれる各種規制緩和を歓迎しながらも、設備投資には慎重だ。減税策をはじめ、デフレマインドを覆す「動機付け」が曖昧なままでは、企業の背中を押せないのではないか。
 安倍晋三首相は期待を高める演出なのか、3回にわたる講演を通し戦略の中身を明らかにしてきた。中でも耳目を集めたのは、1人当たりの国民総所得(GNI)を10年後に150万円以上増やすとの目標であろう。
 分かりやすい説明を心がけたにしても、根拠が不明だ。この低成長下で実現には年3%超の伸びが要る。しかも、この指標は国内総生産(GDP)に企業や個人が海外の生産や投資で得た収益を加えたもので、海外頼みの側面がある。
 仮に政権が描く企業の業績改善が実現したとしても、いっぱいになったコップから水があふれるように、その成果が従業員らに配分される保証はない。企業がため込む恐れもある。
 企業起点に偏る戦略は、そうした危うい構図の上にある。
 「成長戦略の目指すところは『家計が潤うこと』、その一点」とは首相の言だ。であれば、国民が安心と希望をもてるよう14日の戦略の閣議決定までに、成長の道筋を精査するべきだ。

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