南海地震対策 高知市内保育所の切実な声・要望
日本共産党高知県委員会・子ども子育て支援委員会が2013年3-4月にかけて高知市内の保育所を対象に実施した南海地震対策についてアンケートで4割強の保育所から回答を頂きました。日ごろからの努力とともに、切実な課題の内容を知ることができました。感謝します。
「まとめ」の作業の途上ですが、私なりのまとめの中間報告。(アンケートは、県教委が「市町村まかせにしない」と実施している学校の南海地震対策のチェックリストを参考にした。)
高知市は、4年間(貯金07-11年、借金08-12年)で、財政再建プランよりも175億円も改善(貯金増54億円、借金減121億円)させている。その1部を活用すれば、抜本対策は可能である。
子どもの命第一。子どもの命第一が確立すれば「津波てんでんこ」の避難で全体の犠牲を抑えることができる。しかも災害時に医療・看護などスタッフの活動を支える施設であり、市の姿勢が問われる。
【結果の概要】
保育所園舎の耐震化は、市の資料では、昨年6月時点で約5割(公立65.5%、民間42.4%)となっています。アンケートでは、市の平均より低めにでていますが、その点を考慮しても、非構造部材の耐震化(27%)、停電対策(8%)などがさらに遅れていることが明かになりました。
津波避難対策では、避難経路・避難場所の複数確保は4割前後で、特に避難所での備蓄品確保(22%)が遅れていることが明かになりました。
地域・保護者との連携では、地域・学校と連携した避難訓練の実施(24%)と遅れた課題であることが浮き彫りになりました。
自由記載の内容からは、
①耐震対策や備蓄品のための財政的補助の充実
②多くの子ども、幼児をかかえて実際に避難が出来るか、という点から 〜マンパワーの問題(保育士の体制、地域・学校との連携・合同訓練)、ハードの改善(避難所が遠い、避難道の状態)という二点について、支援・改善の声が出されました。
加えて、保護者が迎えにこられない園児への対応や備蓄品の基準、避難所の備蓄品、専門的アドバイスなど、行政の積極的対応をもとめる意見がだされています。
【アンケートの回答】
◆地震対策で出来ているものは (%)
・園舎の耐震対策 :41
・非構造部材の耐震対策 :27
・窓ガラスの飛散防止 :59
・停電時の対策 : 8
・ピアノやタンス等の転倒防止対策 :73
・緊急地震速報受信装置などの設置:68
・防災マニュアルの作成・確認 :86
・災害時の責任者の設置 :78
・蓄品(水、オムツなど)の確保 :62
・消火器、避難誘導の設備点検 :81
◆津波対策で出来ているものは? (%)
・避難経路の確認 :76
・避難経路の複数確保 :41
・避難場所の確認 :78
・避難場所の複数確保 :38
・子どもの避難方法を確認できている:65
・避難先での備蓄 :22
◆防災教育、地域・保護者との連携で出来ているものは? (%)
・保育士・職員の防災教育の実施 :81
・保護者(子ども)の防災教育の実施 :46
・災害時の保護者への連絡方法の確立 :57
・保護者に避難先や子どもの引渡し方法等の周知 :68
・避難訓練の実施 :76
・地域・周辺の学校等と連携して避難訓練の実施 :24
【要望等 自由記載】
(1)支援・援助が必要な点?
○南海地震に備え、多くの園が建て替え、改修を行わなければなりません。高台移転も必要になってくる園もあると思うと、国などの補助は必須と思います。
○地震、津波対策充実のため補助金があれば助かります。・高台移転の希望、よろしくお願いします。
○園舎自体の老朽化のため、地震の避難ができる状態より以前の段階で不安になる。市より改築のための基本設計の提出を求められているので、準備をしているが、いつになるかはわからないと言う話しである。(民間)
○物の落下を防ぐ対策、備蓄品の買い替え時期などお金が結構かかります。地震に備えての予算は確保できないでしょうか?
○備蓄品、備蓄倉庫の購入費の補助。室内の転倒防止のための工事の補助。耐震ガラス設置のための補助
○備蓄品に付いて、まとめ買いのあと配布下されると嬉しいです。予算は運営費に含まれていると言われますが、子どものために必要な購入にも当てたいですし…。やりくりは大変です。 ※園舎は耐震診断の結果待ちです。その結果により対策がおこなわれます。
○備蓄品の購入予算(補助金)
○避難場所に備蓄品がない。避難場所に備蓄できるようにしてもらいたい。
○避難先の備蓄
○子どもを長期に預かる場合の対策。特に乳児に対する対応に苦慮すると思う(アレルギー児、障害児等)
○地震発生時の初動について(特に乳児)
○上記のアンケートをさせていただき、停電時の対策の見直しが必要だと思われました。3.11の東北での大地震、大津波の災害以降、園でも防災の見直し、防災研修会への参加により、安全に子ども達の命、職員の命を守ることをすすめて、現在137名の子どもさんをお預かりしていますが、職員だけでは、実際に災害がおこった場合、難しいところがたくさんあります。(園舎を離れて2次、3次避難所への移動など)。
○保護者への連絡方法は確立まで至らない。
○災害伝言ダイヤルを使った練習もしましたが、少しの件数でつながりにくくなったとか現実では、役にどれくらいたつのか…。
○避難訓練は園だけで。
○小中学校と同じ避難先を考えていますが、一度も連携しての避難訓練が出来ていない。地域とのつながりの必要性を感じている。
○地域、学校等と連携して避難訓練をおこないたいけど、それぞれ事情があることだし。
○地域の方と連携した訓練に参加できるように行政からの支援や援助
○専門的なアドバイス
(2)津波避難対策で課題になっていること?
○この地域は浸かるので、園児の命を一番に、タワーとかすぐに作ってほしいです。
○避難場所が本園であれば、安全なので、予算などをいただいて高い建物にしたい。
○低年齢(0~3歳)現実歩くことが難しいと考えられますが、おんぶ、バギー車など様々な用具の使用は考えていますが、最大職員がいる時、最小員で行なう時では、状況が大きく違います。とっさの時に大きな力が出るかもしれませんが、現実的ではない、実際に混乱して子どもを安定されることが必要です。年令にあった配置保育士はこんな時も大きく左右すると思います。今のままではかなり厳しいと思っています。
○避難場所が遠くてとても行けません。
○避難道の山道が険しいので、年齢の低い子どもが安全に避難できるようにしてもらいたい。
○避難場所に行くまでの道路の状況が良くないし、地盤沈下の時、子どもが歩いて行けるかどうか不安である。
○液状化、浸水がはじまった状態での乳児組の避難がとても心配です。
○避難訓練を重ねることで、時間はかなり短く避難できるようになってきているが、そこへ行くまでの道の確保(通れる)か心配。
○第一の避難場所は20~25分程かかります。道路を渡らなければならない。近くにある水タンクの破損も考えられる。途中にガス会社がある…など避難経路には様々な課題がある。
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