談話見直し否定 なぜ官房長官談話
「狭義の強制はなかった」とか、「侵略の定義はさだまっていない」など、河野談話・村山談話の見直しを言及し、最初に火をつけたのが安倍首相。中韓だけでなくアメリカなどからも批判され、あわてて軌道修正に入ったが、自民政調会長の発言、橋下・維新共同代表発言と・・・ 収まらない。
河野談話では「外交問題にしない。官房長官談話なので官房長官が対応」と封印し、官房長官は「検討せず」と談話。村山談話も官房長官が「すべて踏襲」。
自ら火をつけたのに、安倍首相が自ら「見直し」や「侵略の定義はさだまっていない」という発言を撤回しないから、暴言・妄言が広がり続けるのである。どれだけ「国益」を損なっているか。
【菅官房長官 河野談話見直し検討せず NHK5/7】
【「村山談話すべて踏襲」 官房長官 首相発言を修正 東京 5/11】
が、こうした侵略戦争否定の論理が「脱ポツダム宣言」「脱国際連合」〜 戦後の国際秩序を否定し、「負けたのがいけなかった」「今度は勝って名誉回復する」というメッセージになることに想像がはたらかない。
こうした態度を諌める格言は多い。
・「愛国心とは、ならず者達の最後の避難所である」 サミュエル・ジョンソン
・「不思議なことだ、いつの時代においても悪人は自分の下劣な行為に、宗教や道徳や愛国心のために奉仕したのだという仮面を着せようとつとめている」 ハイネ
「愛国心と言う卵から、戦争が孵化する」 モーパッサン
・愛国心には二種類ある。一つは、正しかろうが悪かろうが祖国を愛するという態度。それは自分の国がやることは何でも正しいという考え(情念的ナショナリズム)である。もう一つの愛国心は、自分の国をもっとよくしたいので、過去の失敗(歴史)から学ぶという冷静な態度である。より平和な世界を築くためには、後者が唯一の道だと思っている。
〜 『敗北を抱きしめて』でピュリッツアー賞を受賞した米国の歴史学者・ジョン・ダワー
【菅官房長官 河野談話見直し検討せず NHK5/7】菅官房長官は、閣議のあとの記者会見で、アメリカのシーファー前駐日大使が、従軍慰安婦問題に対する政府の謝罪と反省を示した河野官房長官談話を巡って、「見直せば日本の国益を大きく損なう」と述べたことについて、談話の見直しを検討していないという考えを示しました。
アメリカのシーファー前駐日大使は、今月3日、ワシントンでのシンポジウムで、いわゆる従軍慰安婦問題に対する政府の謝罪と反省を示した、平成5年の河野官房長官談話について、「見直せばアメリカやアジアでの日本の国益を大きく損なう」と述べました。
これについて、菅官房長官は、閣議のあとの記者会見で、「河野談話は、その見直しを含めて検討という内容を述べたことはない。安倍政権は、この問題を、政治、外交問題にさせるべきではないというのが基本的な考え方だ」と述べ、河野官房長官談話の見直しを検討していないという考えを示しました。
【「村山談話すべて踏襲」 官房長官 首相発言を修正 東京 5/11】菅義偉官房長官は十日の記者会見で、過去の植民地支配と侵略を認め、謝罪した一九九五年の村山富市首相(当時)の談話について「安倍内閣としては侵略の歴史を否定したことは一度もない。全体を引き継ぐということだ」と述べた。安倍内閣が侵略を認めた部分も含め談話全体を踏襲する考えを明言したのは初めて。「そのまま継承しているわけではない」とした安倍晋三首相の国会答弁を事実上修正した。
安倍内閣の歴史認識に対する姿勢に、中国や韓国だけでなく米国からも懸念の表明が相次いでいることに配慮したとみられる。
菅氏は、これまでの内閣の発言について「安倍内閣としては歴代内閣の立場を引き継ぐと言ってきた。(談話は)長いから、一言一句言うわけにはいかない」と説明。内閣として「未来志向」の新たな談話を出す方針もあらためて強調した。
【高市氏 「村山談話の文言変更検討を」 NHK5/12】自民党の高市政務調査会長は、福井市で記者団に対し、過去の植民地支配と侵略に対し痛切な反省を表明した、いわゆる「村山談話」について、戦後70年の再来年に新たな総理大臣談話が出される場合、村山談話の「侵略」などの文言の変更を検討すべきだという考えを示しました。
この中で、自民党の高市政務調査会長は、戦後50年の平成7年に、当時の村山総理大臣が過去の植民地支配と侵略に対し痛切な反省を表明した、いわゆる「村山談話」について、「『アジアの国々に対して、多大な損害と苦痛を与えた』という点は、安倍内閣が踏襲することになっている。ただ、当時は経済を断交されて日本の生存が危うく、自存自衛が国家意志だと思い、多くの人が戦争に行った。私自身は、『侵略』という文言を入れている村山談話にしっくりきていない」と述べました。
そのうえで、高市氏は「戦後70年で安倍内閣が続いていれば、『安倍談話』が出るだろう。戦争で損害を受けた国や苦痛を受けた国に対する申し訳ないという思いはきっちりと表現されるが、村山談話とは、またちょっと表現が違うものになると思う」と述べ、戦後70年の再来年に新たな総理大臣談話が出される場合、村山談話の侵略などの文言の変更を検討すべきだという考えを示しました。
【自民・高市氏、自身の村山談話批判「慎みたい」 産経5/14】自民党の高市早苗政調会長は14日午前、過去の植民地支配を認めた「村山談話」に違和感を示す発言をしたことついて「内閣が村山談話を引き継ぐと決めたので、それに反する発言は慎みたい。齟齬のないようにしていく」と釈明した。ただ「政治家としての主張はもう20年近くになる」とも強調し、村山談話を疑問視する自身の考えは変えない姿勢を示した。国会内で記者団に語った。
高市氏は「10日夕に官房長官が村山談話を引き継ぐ旨を発表したことは、私には伝わっていなかった。昨日、官房長官からの電話で初めて説明を受けた」と述べ、政府の方針を知らなかったことを認めた。
高市氏は12日にNHKのテレビ番組で、村山談話に「国策を謝り」とのくだりがあることを疑問視し、「ちょっとおかしい」などと違和感を示していた。
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