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貧困層ほど経済危機の打撃が大きく、格差と貧困のリスクが増す OECD2013

「OECDの最新の統計データによると、税や給付による格差の軽減効果を考慮に入れなければ、経済危機の始まりから2010年末までの3年間で、所得格差はそれ以前の12年間よりも拡大しました。
この分析によると、社会福祉制度によって多くの人への経済的打撃が弱まったものの、OECD諸国内でさらに社会支出が節減されることによって、その後の数年間に格差と貧困が拡大する恐れがあります。」
 
税・社会保障の自動安定装置(ビルドインスタビライザー)を破壊してきたのが新自由主義。無国籍企業の無制限な利潤追求の結果である。
 日本も貧困率が拡大し、低所得者層の所得低下が大きい。子ども・若者の貧困率が拡大している。

 OECD事務総長は、報告について「これは、社会の中の最も弱い者を保護する必要があることを示している。特に政府は社会支出を管理する役割を果たすべきだ」と述べているが、生活保護法改悪はこの指摘に逆行する。

【貧困層ほど経済危機の打撃が大きく、格差と貧困のリスクが増す 2013/5/15】
【経済危機が所得を圧迫し、OECD 諸国の格差と貧困を拡大】

【貧困層ほど経済危機の打撃が大きく、格差と貧困のリスクが増す 5/15】

 OECDの最新の統計データによると、税や給付による格差の軽減効果を考慮に入れなければ、経済危機の始まりから2010年末までの3年間で、所得格差はそれ以前の12年間よりも拡大しました。
この分析 (日本語訳) によると、社会福祉制度によって多くの人への経済的打撃が弱まったものの、OECD諸国内でさらに社会支出が節減されることによって、その後の数年間に格差と貧困が拡大する恐れがあります。

 税と給付を講じても、2010年のOECD諸国の富裕層10%の所得は、貧困層10%のそれの9.5倍で、その格差は2007年の9倍から広がっています。 この格差が最も大きいのはチリ、メキシコ、トルコ、米国、イスラエルで、最も小さいのがアイスランド、スロベニア、ノルウェー、デンマークです。

 「これは、社会の中の最も弱い者を保護する必要があることを示している。特に政府は社会支出を管理する役割を果たすべきだ」と、アンヘル・グリアOECD事務総長は述べています。

 「雇用と経済成長を促進する政策を立案して公平性、効率、社会的包括性を確保すべきである。これらの政策のうち、税制改革を行うことで全ての人がそれぞれに見合う税金を支払い、また給付制度改革によって全ての人が必要な支援を受けられるようにすることが不可欠である」とも述べています。

2 007年から2010年にかけて、貧しい世帯の方が豊かな世帯よりも多くを失い、得るものが少なかったという傾向が見られます。 データがある33か国中21か国において、富裕層の上位10%は貧困層の下位10%よりも収入が増えました。
 経済危機以前の所得水準を基準とした貧困層の数は、ほとんどの国で経済危機の最中に増加しています。 税制と給付によって、全体的な貧困層の増加は抑えられましたが、その効果は様々です。 2007年から2010年にかけて、OECDの相対的貧困率平均は、子どもについては13%から14%に、若者については12%から14%に増えたのに対して、高齢者については15%から12%に減少しました。 2010年までに多くの国で、生産年齢世帯が経済危機の打撃を受けたのに対して、年金生活者は大幅に保護されていました。
 子どもの貧困率はOECD加盟16か国で2007年以降増加しました。特にトルコ、スペイン、ベルギー、スロベニア、ハンガリーでは2ポイント以上増加しています。 これは、OECD諸国で高齢者に代わって若者と子どもが、所得の貧困の危機に最もさらされる年齢層になったという、以前に明らかにされた傾向を裏付けるものです。


【経済危機が所得を圧迫し、OECD 諸国の格差と貧困を拡大】

OECD の格差に関する報告書『Divided we Stand』(2011)には、2008 年までの30 年間にOECD 諸国における貧富の差が拡大を続け、過去最大に達していると記された。OECD の最新データから、世界経済危機が大部分の国の勤労所得・資本所得を圧迫したことが分かる。減免税や所得移転等の格差軽減効果を考慮に入れなければ、2010 年末までの3 年間に、それ以前の12 年間を凌ぐ勢いで格差が拡大した。景気刺激策が後押しした税制優遇制度が格差拡大の影響の大半を吸収して打撃を抑制できたものの、経済危機、特に雇用危機が長引き、財政健全化に伴う財政緊縮策が定着する中で、危機の代償が大きくなり社会的弱者がさらに深刻な打撃を受けるリスクが高まりつつある。

◆金融危機により勤労所得・資本所得が減少

世界金融危機の結果、大部分のOECD 諸国では2007~2010 年に勤労所得と資本所得(すなわち市場所得)が大幅に減少した。実質勤労所得と比較的小規模であるが実質資本所得の両方の減少により、家計の市場所得に実質で年間約2%の減少が生じた(グラフ 1)。

失業率上昇と実質賃金低下が、家計の市場所得を引き下げた。アイスランド、ギリシャ、エストニア、メキシコ、スペイン、アイルランドでは、失業率の影響が特に大きかった(年間5%以上)。メキシコ、ギリシャ、アイルランド、日本では、自営所得が大幅に低下した。資本所得の減少も(資本所得の果たす役割がはるかに小さいとはいえ)特にアイスランドとアイルランドでは家計所得の減少につながった。
これとは対照的に、ポーランドとチリ、それに程度は小さいもののスロバキア、ドイツ、オーストリアでは、市場所得(特に勤労所得)が大幅に増加した。


◆所得分布格差がさらに拡大

経済危機の痛みは、平等に分かち合われていない。大部分のOECD 諸国では、経済危機の第1 段階で市場所得の分布が大きく拡大した(グラフ2)。ジニ係数(全ての人の所得が同じなら0.1 人が全所得を独占すれば1)で評価したところ、2007~2010年の間にOECD 諸国の平均市場所得の格差が1.3ポイント拡大した。
 このような市場所得の分布格差の拡大が、OECDの前回調査で報告された長期的な所得格差の拡大を継続させている。長期的なデータを入手できるOECD 諸国18 カ国を分析すると、2007~2010 年の格差拡大の幅は、それ以前の12 年間を上回るものとなった。
 2007~2010 年に、OECD 諸国19 カ国で市場所得の格差が1 ポイント以上拡大している。アイルランド、スペイン、エストニア、ハンガリー、日本、ギリシャなど、平均市場所得の下落幅が最も大きかった一部の国々と、フランスおよびスロベニアにおける格差が大幅に拡大した。他方、ポーランドや(これより小規模ながら)オランダでは、格差が縮小した。

◆税と社会給付が、市場所得減少の影響を大部分吸収している。

しかし、公的現金給付と個人所得税の影響により、家計の「手取り」所得(可処分所得)は市場所得より減少幅が少なかった。景気後退時は、失業保険や他のセーフティネットによる給付を請求する人が増えるため、一般に社会給付支出が増大する。
 さらに、経済危機の初め(2008、2009 年)、OECDに加盟する数カ国は、需要促進と家計所得減の緩和を目的として景気刺激策を導入しており、これが所得再分配効果を増幅させた。
2007~2010 年の間で、トルコを除く全てのOECD諸国で家計への公的給付が増加した(近年の社会支出に関するOECD データベースを参照)。グラフ3が示すように、メキシコを除き、経済危機の打撃が大きかった国では、公的給付が可処分所得上昇に貢献した割合が最も大きいことがわかる。アイルランド、ニュージーランド、エストニアでは公的給付が極めて大きく上昇したため、他の所得源が維持できていれば、家計の実質可処分所得は年間約2%増加していただろう。
 2007~2010 年に平均家計所得が伸び続けた国の一つであるスロバキアでも公的給付が大きく増加した。フィンランド、ルクセンブルク、ノルウェーでは、公的給付増加が市場所得減少を相殺したか、公的給付の増加額が市場所得の減少額を上回った。景気後退時は政府支出が増加する傾向があるものの、家計の税負担能力が低下するため歳入が減少する傾向もある。直接税と社会保障負担の減少により、家計の「手取り」所得も維持され、特にニュージーランド、アイスランド、ギリシャ、スペインで傾向が顕著だった。それとは反対に市場所得の上昇とともに税も減少したスロバキア、スウェーデン、イスラエル、さらに市場所得の減少とともに税が増加したアイルランド、オランダ、ノルウェーでは、家計への課税が景気循環を抑制することはなかった。

 税と給付は、少なくとも経済危機の初めの段階では市場所得の格差拡大を抑制する上で極めて効果的だった。2007~2010 年、大部分のOECD 諸国で可処分所得のジニ係数がおおむね安定したものの、10 カ国では0.2 ポイント以上の変化が見られた。特にアイスランド、ポルトガル、ニュージーランド、ポーランドでは、可処分所得の格差が減少した一方、スペイン、スロバキア、スウェーデンでは拡大した(グラフ2)。イスラエルでは、可処分所得のジニ係数が、市場所得のジニ係数以上に上昇した。他方でチェコとポーランドでは、市場所得のジニ係数が、可処分所得のジニ係数よりも低下した。どちらの例をとっても、税と社会給付が格差を縮小することができなくなってきていることがわかる。
 特にスペインでは所得格差が拡大し、ジニ係数が0.31 から0.34 に上昇した。他方アイスランドでは、2000 年初頭以降に格差拡大を経験したものの、その後所得格差が大幅に縮小し、所得格差ランキングで11 位分下がり、OECD 諸国中で最低水準になった(グラフ4)。包括的な格差縮小という形で財政健全化政策が策定されたと考えられる。ポルトガルとニュージーランドでも、規模は小さいものの可処分所得の格差が縮小した。
 格差の程度には、国により依然大きなばらつきがあるOECD 諸国間では、依然として所得格差の程度に大きなばらつきがある。ジニ係数の分布はアイスランドで0.25、メキシコやチリではそのほぼ2 倍近くと広範にわたる。北欧・中欧諸国は可処分所得の格差が最も小さいが、チリ、メキシコ、トルコ、アメリカ、イスラエルでも格差が大きい。
 別の指標でも、同様の順位が示される。2010 年のOECD 諸国における上位10%の富裕層と下位10%
の貧困層の平均所得格差(いわゆるS90/S10 比率)は、10:1 に近かった――デンマークの約5:1 から、メキシコではその6 倍近い29:1 と比率にはばらつきがあった。

◆痛みが均等に分かち合われていない

 これまで提示した結果は、全体的な格差を示す指標の平均及び要約に基づくものである。しかし、これらの結果からは、所得分布の最上位・最下位で起きているいくつかの重要な変化が見えてこない。2007~2010 年の間の上位10%と下位10%のデータに注目すると、低所得世帯の方が所得低下の打撃が大きかったり、得てして鈍い景気回復の恩恵の享受が少ない。
 OECD 諸国全体を通じて、家計の実質可処分所得は伸び悩んでいる。また2010 年の上位10%の平均所得は、2007 年の値とほぼ同水準にとどまっている。その一方、2010 年の下位10%の所得は2007 年の水準を年率2%の割合で下回っている。データを入手できた33 カ国中、21 カ国で上位10%が下位10%より良好な結果を示した。
 グラフ5 が示すように、家計所得の減少が最も大きかった国の中に、このパターンが顕著だった国もある。スペインとイタリアでは、上位10%の所得がおおむね安定的だったのに対し、2010 年の下位10%の平均所得は2007 年をはるかに下回った。メキシコ、アイスランド、ギリシャ、エストニア、アイルランドでも、貧困世帯の所得は5%以上減少した。これらの国のうちアイスランドのみ、上位層の平均年間所得(‐13%)が下位層(‐8%)を減少幅で上回った。
 平均所得にそこまで変化がない国々は、上述と異なる傾向を見せている。アメリカ、イタリア、フランス、オーストリア、スウェーデンでは、貧困世帯が平均より悪化したのに対し、オーストラリアとポルトガルでは、最下位層の可処分所得が上位層以上の割合で増加した。

◆貧困の傾向は、国ごとにばらつきが見られる

 国ごとに大きなばらつきがあるものの、OECD 諸国全体で平均して人口の約11%が、相対的な所得貧困(可処分所得が、全国民の所得の中央値の半分に満たない国民の割合)状態にある。貧困率は、デンマークとチェコの6%から、チリ、トルコ、メキシコ、イスラエルの18%-21%の範囲に分布している。
 2007 年までの20 年間に、1990 年代半ばに所得貧困率が低かった国々を中心に、ほとんどのOECD諸国で相対的所得貧困率が上昇している (グラフ6)。スウェーデン、フィンランド、ルクセンブルク、チェコでは、所得貧困率が2%以上上昇した。スウェーデンでは、2010 年の貧困率(9%)が1995 年(4%)の2 倍以上に達した。相対的貧困率が中~高水準のオーストラリア、日本、トルコ、イスラエルなどの国でも、貧困率が増大した。他方で、チリやイタリアなど一部の国では、貧困率が低下した。


 経済危機は、少なくとも初期段階では相対的所得貧困率に与える影響は限定的だった(グラフ7)。2007~2010 年に貧困率が1 ポイント以上上昇した国は、スロバキア、イタリア、スペイン、トルコのみだった。同時期にチリ、イギリス、ポルトガル、エストニアでは貧困率が低下し、他のOECD諸国では1%未満の変化にとどまった。
市場所得でより大きな変化が見られたことに鑑みれば、経済危機後の3 年間で相対的所得貧困率に大きな変化がみられなかったことは特に注目すべき点である。OECD 諸国の4 分の3 で、課税及び給付前の所得貧困率は1 ポイント以上上昇し、OECD平均は27%から29%に上昇した。このことから、税と給付は、市場所得の変化が貧困に与える影響を緩和する上で非常に効果的であることが示される。
 相対的貧困を評価する際は、現時点での所得の中央値を参照するため、景気後退中は数値の解釈が難しい。例えば、全体的に家計所得が減少したとしても、最下位層の所得の減少幅が最上位層のそれより少なかった場合、相対的貧困率は低下する。
 従って、相対的な所得貧困率が描く全体像を補足するため、過去の生活水準と関連づけるような、これまでと違う、より「絶対的な」貧困指標が必要となる。
この点を指摘すべくグラフ7 は、「2005 年の実質所得中央値の半分」という固定基準に照らして貧困を評価した指標を用いた貧困率の推移を示している。この方法を用いると、近年の所得貧困率の上昇は、「相対的な」所得貧困率で表した場合と比べはるかに大きくなる。特にアイスランド、メキシコ、エストニア、ギリシャ、スペイン、アイルランドにこれが当てはまり、相対的貧困率に大幅な上昇はなく、むしろ低下しているものの、 固定基準に照らした貧困率は、2007~2010 年に2 パーセントポイント以上も上昇しており、それは貧困世帯の可処分所得の減少を反映している。相対的貧困率が横ばいまたは上昇している一方、固定基準に照らした貧困率が低下している(大不況時のOECD 諸国で典型的な特徴だった)のは、イスラエル、ポーランド、ベルギー、ドイツのみである。

◆貧困の傾向は、年齢に応じて異なる

 税と給付は、市場所得格差と貧困率の全体的な拡大や上昇を、ある程度効果的に抑制することができた。しかし、その影響をみると、人口の分類ごとにばらつきが見られた。概して相対的所得貧困率は、子ども・若者・成年層では上昇したものの、高齢者層では低下した。
 2007~2010 年に、OECD 諸国において子どもの相対的な平均所得貧困率は12.8%から13.4%に、若者では12.2%から13.8%に上昇した (グラフ8)。他方、高齢者では相対的な所得貧困率が15.1%から12.5%に低下した。 この傾向は、OECD 諸国全体で高齢者に代わり子ども・若者が所得貧困層になる危険が高まっているという、過去のOECD による調査で報告された傾向を裏づけるものである。
 経済危機の間、子どもがいる世帯は大きな打撃を受けた。2007 年以降、OECD 諸国のうち16 カ国で子どもの貧困が増加し、トルコ、スペイン、ベルギー、スロベニア、ハンガリーでは増加率が2 ポイントを上回っている。これに対してイギリスとポルトガルでは、子どもの貧困が2 ポイント以上減少した。
 2007 年以降、OECD 諸国のうち19 カ国で若者の貧困が大幅に増加した。エストニア、スペイン、トルコでは、2007~2010 年の間に若者の5%が新たに貧困状態に陥った。イギリスの増加率は 4%、オランダとアイルランドは3%だった。この期間に家計所得が増加した国々のひとつであるドイツのみ、若者の貧困が2 ポイント減少した。
他の年齢集団に比べ、高齢者は、経済危機時に相対的所得貧困率はあまり上昇しなかった。2010 年までの3 年間に、高齢者の貧困が32 カ国中20 カ国で減少し、2 ポイント以上の上昇を示したのはトルコ、カナダ、ポーランドのみだった。これにはひとつには、老齢年金は景気後退の影響を受けにくいことが関係している。
 多くの国で、年金は(少なくとも2010 年までは)財政再建の一貫として実施された歳出削減の対象からおおむね除外された。さらにいくつかの国では、一部の年金生活者の所得水準が貧困水準に近い場合もある。その結果、高齢者の相対的所得貧困率は、成長期には上昇し(所得中央値が年金より早く上がるため)景気後退期には低下する傾向が見られる。
 この傾向は、エストニアで顕著に表れており、所得中央値の大幅な減少と安定した老齢年金により、高齢者の相対的貧困率が30%から7%に低下した。ニュージーランド、スペイン、アイスランド、アイルランド、ポルトガルでも、同様の影響が確認されている。

◆結論

 多くの国は、既にOECD によるデータ収集開始以来所得格差が最も拡大した状態で世界経済危機を迎えた。失業率上昇と投資収益減少により、経済危機は勤労所得と資本所得に大きな重荷を負わせただけでなく、所得分配における格差も拡大した。経済危機以後3 年間(2007~2010 年)の勤労所得及び資本所得の格差拡大は、それ以前の12 年間の格差拡大に匹敵した。
 しかし、所得税と社会給付が自動安定装置の役割を果たしたことで(景気後退期に社会給付が増大し、所得税が減少した)、所得減少と格差拡大に向けたこの圧力が緩和された。多くの国では、こうした税及び給付と景気刺激策が相まって、格差拡大や家計の「手取り」所得減少が抑えられた。
 その結果ほとんどのOECD 諸国で、2010 年の可処分所得格差の程度や相対的貧困率は、2007 年をわずかに上回るにとどまった。

 ただし、年齢集団によってパターンに大きな違いが見られた。特に金融危機により比較的大きな打撃を受けた国々を中心に、総じて、低所得世帯の方が景気後退による所得減少が大きかったり、経済成長の恩恵をあまり享受していなかったりした。

 同様に、子どもと若者の貧困率が上昇する一方、高齢者の所得は相対的に影響を受けなかった。OECD 諸国全体を通じて、高齢者の貧困率は平均20%近く低下した。むしろ現在は、子どもと若者の方が高齢者より深刻な貧困に直面している。

 以上の結果は、事の顛末を語る上でほんのさわりに過ぎない点に留意する必要がある。このデータは、2010 年までの所得格差と相対的貧困率の推移を示したものだ。数々のOECD 諸国で景気回復が思わしい程進まず、最近になって再び景気が後退した国もある。他方で多くの人が失業給付を受ける権利を使い果たし、政府の財政政策は引き締め路線に転換している。低成長が続き、財政引き締め策が実施されれば、勤労所得・資本所得の格差拡大と所得貧困率の上昇(しかも今後も拡大し上昇する可能性が高い)を、税制優遇制度で緩和することが困難になるかもしれない。

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