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労務単価15%アップ〜公契約の出番/主な条例の特徴

 設計労務単価が4月から約15%アップする。生計費を確保する観点でなく、市場価格を反映させる仕組のために下がり続けてきたが・・・ そのため「公契約条例」が必要と訴えてきたが、今回、このアップをどう労働条件の改善に結びつけられるか、があらためて問われることになり、条例制定のチャンスと言える。4月18日、国交大臣が建設業界四団体に賃上げ、社会保険への加入の徹底を要請している。
 地方議員団会議では、6月議会で取り上げるよう提起している。
 少し前の資料だが、「国立国会図書館調査及び立法考査局レファレンス2012.」2の報告が各地の条例の特徴などがわかり、参考になる。
 以下は、「Ⅳ 地方自治体における公契約条例制定の動き」の部分。
【公契約法と公契約条例 ―日本と諸外国における公契約事業従事者の公正な賃金・労働条件の確保― 】

【公契約法と公契約条例 ―日本と諸外国における公契約事業従事者の公正な賃金・労働条件の確保― 】

 社会労働課  松井 祐次郎
 社会労働課  濱野   恵

◆ Ⅳ 地方自治体における公契約条例制定の動き

 地方自治体においても、公契約条例の制定又は制定に向けた取組みは、ここ10 年程の間に活発になってきている。公契約における労働条項の中でも、特に賃金の下限額の水準の確保を求める動きが目立つことを受け、賃金の下限額の水準を決定することが、公契約条例の目玉になっていることが多い。

 地方自治体における公契約法/条例に関する動きは、まず国や地方自治体に公契約法/条例の制定を求める議会の意見書(請願・陳情の採択も含む)から始まった。公契約条例の制定の検討を求める陳情は平成13 年に東京都東大和市議会において採択され、平成14 年には国に公契約法の制定を求める意見書が神戸市会で可決された(79)。こうした意見書等の採択を行った地方議会は、平成23 年9 月14 日現在で42 都道府県の852 議会、意見書等の数は870 件にのぼっている(80)。平成17 年6 月には、第75 回全国市長会議において、「公共事業に関する要望」の中で「公共工事における建設労働者の適正な労働条件を確保するため、関係法令の整備を図ること」を求めていくことが決定された(81)。

 意見書等にとどまらず、公契約事業に従事する者の賃金水準の確保のための措置を自ら講じようとする自治体も現れた。その手法は、大別して、①条例ではなく要綱等の文書による指導や入札方法の工夫によるもの、②条例によるもの、に分けることができる。表4 は、代表的な自治体の取組みを、賃金の下限の確保の方法に着目して類型化したものである。


1 条例制定以外の方法による賃金水準の確保

 北海道函館市が土木部長名で公表している「工事、委託の施工上の留意事項」(82)は、公共工事の受注者に対し、市が発注する工事に従事する者の賃金額の下限の基準を具体的に文書で示した先駆的な例である。この文書は、「公共工事の積算については、二省協定単価(引用者注 公共工事設計労務単価(83))に基づく労務単価により積算しているため、この点に十分留意し、適正な賃金を支払われるよう配意」することを求めている。文書は、受注した企業を法的に拘束するものではないが、市が受注者に対して直接「適正な賃金」の支払いを求め、その際考慮すべき具体的な基準として公共工事設計労務単価を示した点が注目された(84)。

 また、公契約の入札時の評価項目に賃金の下限に関する項目を置き、公契約事業に従事する者の賃金の確保に取り組む企業が落札しやすくなるよう、入札制度を工夫する自治体もある。
平成20 年9 月から導入された東京都日野市の総合評価方式による公共工事請負入札は、その代表例である。日野市独自の評価項目である「格差是正への取組み」の一つに「建設労働者の適正な労務単価確保」をあげ、労務単価が公共工事設計労務単価の80%以上であることが入札時の提出書類上で確認できた場合、技術評価点が加算される。工事完成検査時に、支払給与実績等が確認できる給与明細書、賃金台帳を提出させ、履行の確認を行うことになっている。(85)


2 条例制定による賃金水準の確保

 総合評価入札方式では、賃金などの労働条件に関する項目は評価項目の一つに過ぎず、労働者の賃金水準の確保に必ずしも大きな効果が期_待できるわけではない(86)。
そこで、より踏み込んで、条例制定という形で公契約における賃金水準を確保することを目指す自治体も現れた(87)。具体的な賃金の下限を条例で定めようとした初めての事例は、兵庫県尼崎市の条例案である(平成21 年5 月否決)。他の自治体に先駆けて公契約条例が制定されたのは、全国初の事例である千葉県野田市(平成21 年9 月制定)、政令指定都市初の事例である神奈川県川崎市(平成22 年12 月制定)である。以下では、これら3つの条例(案)の特徴を整理する(これら条例(案)の内容については、表5 も参照)。


( 1 ) 尼崎市条例案

 尼崎市の条例案は、理念を示した「尼崎市における公共事業及び公契約の契約制度のあり方に関する基本条例」(案)、業務委託を対象とした「尼崎市における公契約の契約制度のあり方に関する条例」(案)、公共工事を対象とした「尼崎市における公共事業の契約制度のあり方に関する条例」(案)の3 つの条例案からなる(88)。

 尼崎市条例案の最大の特徴は、「公契約」を公共調達によって実施される請負、業務委託、委任その他の契約及び指定管理者により行われる施設の管理と定義し(「尼崎市における公共事業及び公契約の制度のあり方に関する基本条例」第2 条)、業務委託に関してのみではあるが、「公契約」による業務に従事する労働者の賃金の最低額の基準を条例中で具体的に示したことである。また、労働者の雇用確保や契約の履行の確保にあたり、条例が市の責務として規制している範囲が広いことも特徴である。

 業務委託を対象とした「尼崎市における公契約の契約制度のあり方に関する条例」(案)は、予定価格が500 万円以上の「公契約」に適用される(予定価格500 万円未満のものについては、適用を除外することができる(同条例第3 条))。対象となる労働者は、受注者、下請事業者、派遣会社のいずれかに雇用され、専ら当該公契約に係る業務に従事する労働者である(同第7 条)。賃金の最低額の基準は、同市行政職で、高校卒業程度の者に適用される初任給を下回らないもの(時間給で945 円)と設定した(同第8 条)(89)。

 市は、「公契約」の締結又は指定管理者の選定に当たっては、これまでその業務に従事していた労働者の雇用が、新しい受注者のもとでも確保されるように努めなければならない(同第4 条)。また、市は、労働者からの意見の申出を受け、その内容を聴き取り、調査を実施し、受注者に条例に違反する事実が認められた場合は、是正を求めなければならない。受注者が是正に応じない場合、市長は、事業者名等の公表、「公契約」に係る契約の入札・指定管理者指定の際の評価点の引下げ、契約解除又は指定の取消しを行うことができる。さらに、労働者や労働組合から賃金その他の労働条件に関する協議を申し入れられた場合、市はこれに応じなければならない(同第11 条)。条例案の作成に携わった兵藤宏氏によると、これは市が発注者の責任を負い、交渉の責任者となるべきであるとの考えを示したものである(90)。

 これに対して、公共工事を対象とする「尼崎市における公共事業の契約制度のあり方に関する条例」(案)では、条例が適用される契約や労働者の範囲、賃金の下限額については、規定が置かれていない。尼崎市条例案で業務委託について特に詳細な規定が置かれた背景には、住民票の入力業務を一般競争入札に付した結果、同じ業務を担当してきた労働者の賃金が下がるなどの問題が発生し、労働者が雇用の継続などを求めてストライキを行ったという事件が条例制定の一つの契機になったという事情がある(91)。
 尼崎市三条例案は、平成20 年12 月に議員提案で市議会に提出されたが、憲法や現行の他の法律との整合性(92)などをめぐって議論が紛糾し、平成21 年5 月に否決され廃案となった(93)。

( 2 ) 野田市公契約条例

 尼崎市条例案の廃案から4 か月後の平成21年9 月、千葉県野田市において全国で初めて、賃金の下限額の基準を具体的に定める公契約条例が制定された。制定に至った背景には、根本崇野田市長の強い後押しがあった(94)。野田市条例の前文は、公契約による業務に従事する労働者の賃金の低下を改善するためには、「国が法律の整備の重要性を認識し、速やかに必要な措置を講ずることが不可欠である」と述べている。野田市が公表した条例の解説文書は、この前文は「国に[公契約法の(引用者注)]制定の動きがみられないことから、野田市が先導的、実験的に公契約条例を制定し、国に法整備の必要性を認識」させるために置かれたと説明している(95)。

 野田市条例は、平成21 年の制定以降、平成22 年・23 年の2 回改正されている。以下は、平成23 年改正後の内容である(主な改正内容は、表6 を参照)。

 野田市公契約条例は、尼崎市条例と同様に、受注者の義務を条文中で直接定めている。内容では、①業務委託、公共工事の両方について支払うべき賃金の下限額の基準を示したこと(第6 条)、②下請負者や派遣会社が労働者に支払う賃金額が前述の最低額を下回ったときは、受注者は、その差額分の賃金について、受注関係者と連帯して支払う義務を負うと明示したこと(第8 条)、③業務委託に関し、賃金の下限額を職種別に定めたこと(第6 条。平成22 年改正より導入。平成21 年の条例制定時は、職種にかかわらず一律であった)が主な特徴として挙げられる。

 条例では、公契約は「市が発注する工事又は製造その他についての請負の契約」(第2 条)と定義されている。対象となる公契約の範囲は、①工事又は製造の請負の契約の場合、予定価格が5000 万円以上のもの、②工事又は製造以外の請負の契約の場合、予定価格が1000 万円以上のもののうち、市長が別に定めるものとした。
 工事又は製造以外の請負の契約については、予定価格が1000 万円未満であっても、市長が適正な賃金等の水準を確保するため特に必要があると認めた場合は適用対象となる(第4 条)。具体的には、予定価格1000 万円以上の施設設備・機械の運転・管理、施設設備・機械の保守点検、施設清掃、電話交換・受付、警備・駐車場の整理が対象である。1000 万円未満のものでは、市内の一部施設の清掃業務が対象である(野田市公契約条例施行規則第3 条)。

 総合評価一般競争入札による落札者の決定及び指定管理者の選定は、条例の直接の適用対象ではないが、労働者の賃金の水準を確保するため、労働者の賃金を評価することが定められている(第15 条)。公共工事については、落札者決定基準に「労務賃金」にかかる評価項目を設け、公契約条例で定められている賃金の下限額以上になっているか否かについて評価を行う。
評価の結果、落札者となった者に対し賃金の支払状況について履行確認を行い、履行されていないことが明らかとなった場合は、指名停止等を行う。指定管理者の選定については、申込時に労働者に支払う予定の賃金額を提出し、これが条例に定める下限額を満たさない場合は、失格となる(96)。
 適用対象となる労働者は、労働基準法第9 条に定める労働者であって、受注者・下請負者・派遣会社に雇用され、当該公契約に係る業務に専ら従事するものと定義されている。建設現場に多い「一人親方」については、条例制定当初は条文上適用対象には含まれなかったが(97)、平成22 年の改正により、資材を自分で調達せず、かつ機械も持ち込まない者に限り、実質的に日雇労働者と同視できるとして、「請負労働者」と定義し、適用対象とした(第2 条)(98)。
 賃金の下限は、市長が定める。下限額は、公共工事に関しては、農林水産省及び国土交通省が公共工事の積算のために毎年度決定する公共工事設計労務単価を勘案して定める(第6 条)。
具体的には、千葉県において定められている公共工事設計労務単価を一時間あたりの賃金に換算した額の8 割とした(規則第4 条第1 号)(99)。

 業務委託に関しては、野田市職員の給料表に定める額、建設保全業務労務単価(100)、野田市が既に締結した業務委託契約に係る労働者の賃金等を勘案して定める(第6 条)。条例の制定当初は、基準とする額が「野田市一般職員給与条例別表第1 の2 の3 の項1 級に定める額(技能職員・労務職員の用務員(18 歳)の初任給)」のみであったが(101)、平成22 年の改正により上述のように複数の基準が勘案されることとなり、改正以前は職種にかかわらず一定であった賃金の下限額が、職種ごとに設定できるようになった(102)。表7 は、平成22 年度、平成23 年度の賃金の下限額である。


≪表7 野田市公契約条例による賃金の下限額(時給)≫
・平成22 年度
 公共工事  大工 1,910 円 *業種により異なる。
 業務委託 一律829 円
 【参考】千葉県地域別最低賃金 744 円 *平成22 年10 月24 日発効

・平成23 年度
 公共工事:大工 1,870 円 *業種により異なる。
 ・業務委託 設備機器の運転・管理、保守点検 1,480 円
        野田市文化会館の舞台の設備・機器運転、電話交換・受付・案内 1,000 円
        警備・駐車場整理 950 円
        施設の清掃 829 円
 【参考】千葉県地域別最低賃金 748 円 *平成23 年10 月1 日発効


 条例を施行したことで、清掃業務については、最低賃金(時給728 円:平成21 年度)ぎりぎりの水準であった労働者の時給を100 円程度引き上げることができ、「官製ワーキングプア」の解消に向けて確実な効果があったという(103)。
さらに、市が任用する非常勤職員に公契約条例で定めた基準(時給829 円)を下回る者が存在していたため、これも是正したという(104)。
 一方、賃金の下限をもともと上回っていた施設の設備と機器の運転管理業務及び保守点検業務については、実質的な効果はなかったという(105)。条例制定により、落札額は合計で前年比700 万円(1.8%)増となった(106)。

( 3 ) 川崎市契約条例の改正

 神奈川県川崎市の条例は、昭和39 年に制定された「契約条例」を大幅に改正したものである(平成22 年12 月改正)。公契約における労働条件を具体的に定めた、政令指定都市としては初めての条例制定の例として注目された。
 野田市の公契約条例と比較した最大の特徴は、規制の方法にある。野田市条例が条文によって直接義務付けた事項を、川崎市条例では、市と受注者の契約を根拠に生じる義務として定めた。契約上定めるとされている事項の中には、野田市では条文によって定めている受注者の契約違反があった場合の市長の契約解除権や、市の損害賠償免除規定も含まれる(107)。
 内容では、①指定管理者との協定も適用対象とし(第7 条)、指定出資法人やPFI 事業者についても条例に準じた措置を取る努力義務を課す(第12 条)など、対象となる契約の範囲が広いこと、②「一人親方」も対象とするなど、適用対象となる労働者の範囲が広いこと、③業務委託における賃金の下限額の基準に、生活保護基準を採用したこと、④賃金の下限額の決定に当たり、審議会の意見を聞かなければならないとしたことが特徴である。

 川崎市条例中に「公契約」という言葉は出てこないが、改正条例案の説明会資料では、公共事業に従事する労働者の賃金等について、条例等で定める最低額以上の支払義務を契約の相手方に定める契約を「公契約」と呼び、川崎市条例ではこれを特定工事請負契約及び特定業務委託契約と規定すると説明している(108)。
 特定工事請負契約とは、予定価格6 億円以上の工事の請負契約をいう。特定工事請負契約において、賃金の下限額の適用を受けるのは、労働基準法第9 条に規定する労働者及び自らが提供する労務の対償を得るために請負契約により当該特定工事請負契約に係る作業に従事する者であって、公共工事設計労務単価表の該当する職種に従事する者である(第7 条)(109)。
 特定業務委託契約とは、予定価格1000 万円以上の業務委託契約のうち規則等で定めるもの又は指定管理者と締結する協定をいう。特定業務委託契約に係る作業に従事する者は、賃金の下限額の適用を受ける(第7 条)。対象となる業務委託契約は、具体的には、警備、建物清掃、屋外清掃、施設維持管理、電算関連業務(データ入力)である(川崎市契約規則第67 条)(110)。
 特定工事請負契約及び特定業務委託契約の契約においては、契約上の受注者の責務及び市の権利として、表8 にある事項を定めるべきこととされている(第8 条)。


≪ 特定工事請負契約・特定業務委託契約において、契約に定めるべき事項(川崎市契約条例第8 条)≫

【受注者に関する事項】
・対象労働者の氏名、職種、労働時間、作業報酬額及び支払日等を記載した台帳を作成し、期日までに市長等に提出すること。
・対象労働者の範囲、作業報酬下限額、労働者が申出を行う際の申出先等を掲示する等の方法により、労働者に周知すること。
・作業報酬が支払われるべき日において、対象労働者に支払われるべき作業報酬が支払われていない場合は基準額(注)を、支払われた作業報酬が基準額を下回る場合はその差額を、規則等で定める日までに支払うこと。
・対象労働者が、作業報酬が支払われるべき日において、支払われるべき作業報酬が支払われていない場合、又は支払われた作業報酬が基準額を下回る場合に、その旨を申し出たことを理由に不利益な取り扱いをしてはならないこと。
・対象労働者からの申出に基づき、市長等から報告や資料の提出を求められた際にこれに応じること。調査の結果、違反が認められ是正を求められたときは、速やかに措置を講じ、市長等に報告すること。

【市長等に関する事項】
・市長等は、受注者が資料の提出を行わなかったり、虚偽の報告をしたり、立入調査を妨害したり、是正の命令に従わなかった場合は、契約を解除することができること。その際、市は受注者に生じた損害を賠償する責任は負わないこと。
 


 対象労働者は、作業報酬が支払われるべき日において、支払われるべき作業報酬が支払われていない場合、又は支払われた作業報酬が基準額を下回る場合は、市長等又は受注者にその旨を申し出ることができる(第9 条)。市長等は、労働者から申出があった場合、立入調査等を実施することができる(第10 条)。その結果、受注者が契約に違反していることが判明し、市が是正を求めたにもかかわらず是正されない場合は、第8 条に規定する契約の条項を根拠に、市は契約の解除等や指定の取消しを行うことができる。

 賃金の下限額(作業報酬下限額)は、特定工事請負契約については市が工事費の積算に用いる川崎市の公共工事設計労務単価(111)を、特定業務委託契約については生活保護法(昭和25 年法律第144 号)第8 条第1 項に規定する厚生労働大臣の定める基準において川崎市に適用される額を勘案して決定する(第7 条第2 項)。業務委託の作業報酬下限額の基準に生活保護基準を採用した理由について、川崎市は「最低賃金と生活保護費の逆転現象や『働くよりも生活保護を受給した方がよい』というモラルハザードに対応するため」と説明している(112)。

 作業報酬下限額の決定に際し、市長は、作業報酬審議会の意見を聞かなければならない(第7 条)。作業報酬審議会は、事業者、労働者、学識経験者から5 人を市長が委嘱し、任期は2 年である(第11 条)。作業報酬審議会の審議の結果、特定工事請負契約については公共工事設計労務単価の9 割、特定業務委託契約については具体的な額が答申された(113)。この答申に基づき、平成23 年度、平成24 年度の作業報酬下限額は、表9 のように決定されている。

≪ 川崎市契約条例による賃金の下限額(時給) ≫

・平成23 年度
 公共工事 例:大工 2,025 円  *業種により異なる。
 委託業務 一律893 円
 【参考】神奈川県地域別最低賃金818 円 *平成22 年10 月21 日発効

・平成24 年度
 公共工事 例:大工 1,980 円 *業種により異なる。
 委託業務 一律899 円
 【参考】神奈川県地域別最低賃金 836 円 *平成23 年10 月1 日発効


( 4 ) その他の自治体の動き 

 野田市、川崎市における条例の制定を受けて、他の自治体でも条例の制定や検討の動きが活発になっている。平成23 年12 月の定例会には、複数の市で市議会に条例案が上程された。東京都国分寺市が上程した国分寺市公共調達条例案は、現在継続審議となっている(114)。東京都多摩市では全会一致で(115)、神奈川県相模原市では賛成多数で(116)、条例案がそれぞれ可決された。

 条例の素案を公表し、市民の意見を募集している自治体もある。札幌市は、北海道内で初めてとなる公契約条例の制定に向け、平成23 年11 月から12 月にかけて、公契約条例素案をパブリックコメントに付した(117)。
 これらの動きのうち、特に賃金の下限額の基準について、国分寺市の条例案が注目されている(118)。公共工事に従事する労働者の賃金では、先行する野田市、川崎市の公契約条例が公共工事設計労務単価に一定の率を乗じた額を基準としているのとは異なり、同単価をそのまま(10割)利用する。業務委託では、賃金の下限額を、国や東京都で定期的に実施する賃金統計調査で示される産業別の賃金を勘案して定めるとしている。また、実効性の担保のため、条例に違反した受注者に対して、次回以降の入札時に評価点を引き下げる措置を盛り込んだ点も注目される。(119)

◆おわりに

 ここまで、公契約法/条例における労働条項に関する諸外国やILO の取組み、国や自治体における動きを整理してきた。公契約法/条例における労働条項の規制の範囲や方法は様々であるが、その目的は業種・職種に相応しい一定以上の労働条件を確保することを前提とした、公正な労働市場の形成を実現することで一致している。
 公契約法/条例の制定により、国と地方自治体が率先して、公契約事業に従事する労働者の公正な労働基準を確立することが、他の自治体や民間の労働者の労働条件の改善にもつながり、日本の労働者全体の労働条件や地域雇用の改善に大きな波及効果を与えるとの意見もある(120)。
 また、東日本大震災の復旧復興事業の多くは公契約事業となることが予想される。こうした事業に公契約法/条例を取り入れ、被災失業者を雇用し、一定水準以上の賃金を支払うことで、被災地の消費需要を拡大し、地域経済の復興に資することも考えられる。一方で、賃金相場の上昇が地元の企業に与える影響も考慮する必要がある(121)。こうした点を踏まえ、公契約法/条例に関する議論の今後の進展が望まれる。

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●紫陽花通信第52号-明日、6月1日(土)より、臨戦態勢突入

★ANNの調査によると、自民、維新ともに支持率は急落し、民主、公明、みんな、生活も増えていません。

問題は、共産党支持も目立って増えていず、支持なし(棄権)が増えていることです。これを突破するには、共産党そのものの宣伝の抜本的強化が求められています。

★「候補」と「政策」の宣伝を強化しよう!

●参照記事

★ANN5月25日、26日調査安倍内閣支持率暴落マイナス8.5%

http://blogs.yahoo.co.jp/biwalakesix/31883070.html

★国民主権派は、第一党「棄権党」に攻め込め!:

http://blogs.yahoo.co.jp/biwalakesix/31883889.html

やっぱり、自公がダメなので、今度は第三極と思っていたが?
橋下暴言!(5月13日)で激変!今は、棄権か、共産党!


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