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「辺野古」固執やめ、ハワイ知事の受入提案の検討を

辺野古新設と一体となった詐欺にひとしい「負担軽減」でなく米国内の変化を直視すべき。と沖縄地元紙、
レビン米上院軍事委員長が、「沖縄から兵力を削減し、本国へ戻すべきだ」と明言。ハワイ州知事(下院議員時代には軍事委員会で空陸軍小委委員長など担当)が、「沖縄の基地は政治的に持続不可能」としてハワイ島の訓練施設への在沖海兵隊の移設を提案した。
 なぜ真剣に検討しないのか。辺野古建設に固執するのか・・・。何故主要メディアは報じないのか・・・。
【社説 米有力者の提言 地殻変動を直視せ 琉球新報4/3】
【社説[「普天間」返還]移設の見直しが近道だ 沖縄タイムス4/1】
【在沖海兵隊 ハワイ知事が受け入れ計画 沖縄タイムス3/12】
【社説 基地返還・統合計画 沖縄だけの犠牲は限界だ 詐術に等しい「負担軽減」琉球新報4/6】

【社説 米有力者の提言 地殻変動を直視せよ 琉球新報4/3】

 軍事予算の大幅削減圧力にさらされている米オバマ政権のお膝元の議会と、太平洋をにらむ軍事拠点であるハワイ州知事から重要な発言が繰り出された。
 在沖米軍の大幅な削減による沖縄の負担軽減要求と、ハワイへの在沖海兵隊の受け入れ提案だ。表裏一体の動きに見える。
 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設をごり押しする日本の安倍政権に対しても、間接的に方針転換を促す核心を突いた提言である。
 米国防予算の承認に影響力を持つカール・レビン米上院軍事委員長が、海外の米軍兵力を縮小する必要性に触れ、「とりわけ太平洋地域、特に沖縄」と述べ、沖縄を最優先にすべきだと強調した。
 レビン氏は、沖縄に何度も足を運び、辺野古移設は「実行不可能」と唱えてきた。米議会きっての“知沖派”である。今回の発言で注目されるのは、アジア・太平洋地域の軍事力増強に傾くオバマ政権に対し、「私はシフトしない。沖縄から兵力を削減し、本国へ戻すべきだ」と明言したことだ。
 オバマ政権2期目の軍事戦略の根幹に冷や水を浴びせている。
 一方、太平洋地域の米軍の戦略を熟知したハワイ州のアバクロンビー知事は、州有地に家族住宅2500戸を整備する計画を具体化し、ヘーゲル国防長官らに直接働き掛ける意向を示している。
 受け入れ予定地には陸軍と海兵隊が使う演習場があり、兵舎と飛行場がある。辺野古移設は行き詰まり、グアムへの海兵隊移転も費用がかさむので困難と指摘した上で、同知事は、行き場を失う在沖海兵隊の受け皿は環境が整ったハワイが担う-と主張している。
 米下院議員だったアバクロンビー氏は知事に転身する前、軍事委員会で空陸軍小委委員長などを担った。県内移設を拒む沖縄の強固な民意を念頭に置き、政治的に持続可能な案として打ち出した海兵隊誘致には説得力がある。
 米国内の知日派の識者の中で、在沖海兵隊の大幅削減を求め、普天間飛行場の県内移設を疑問視する見方は増幅するばかりだ。
 日米同盟強化を錦の御旗に見立て、対米追従姿勢をあらわにする安倍晋三首相は、実現性が乏しい日米合意にしがみつくのをやめるべきだ。米国の地殻変動を見据えないと、沖縄の基地問題の対処を見誤る致命的な失策に帰結する。

【社説[「普天間」返還]移設の見直しが近道だ 沖縄タイムス4/1】

 菅義偉官房長官が3日、就任以来初めて来県し、仲井真弘多知事と会談する。
 来県に符節を合わせるかのように、米軍普天間飛行場の返還時期について日米両政府が「9年後めど」と明記する方向で調整しているとのニュースが流れてきた。
 防衛省は普天間の辺野古移設に向け、公有水面埋め立て承認申請書を県知事に提出したばかりだ。菅氏の来県は嘉手納基地より南の基地の返還計画などを仲井真知事に説明して軟化を促そうとする狙いがありそうだが、沖縄から見れば、「9年後めど」といわれても何の説得力も持たない。
 普天間の返還時期をめぐってはこれまでもさまざまな言い方がなされたが、後退の連続だ。1996年の日米特別行動委員会(SACO)では、普天間の返還は「今後5ないし7年以内に、十分な代替施設が完成し運用可能となった後」とされた。
 2007年の日米安全保障協議委員会(2プラス2)では米軍再編のロードマップに従って「14年までに代替施設を完成させることが、沖縄での再編全体の成功のための鍵である」ことを確認した。
 だが、11年の日米安全保障協議委員会では14年返還を撤回し、「普天間の固定化を避けるために14年より後のできる限り早い時期に完了させる」と先送りした。
 現行案は自公政権時代に、日米が県の事前了解も得ずに一方的に決めたもので、地元無視のツケがいま来ているのである。
    ■    ■
 財政難にあえぐ米国は、政府支出予算の強制削減に踏み出している。
 13会計年度(12年10月~13年9月)から軍事費も大きな影響を受けており、沖縄海兵隊のグアム移転に伴う基地整備に遅れが出ている。ハワイ州ではアバクロンビー州知事が沖縄の海兵隊誘致活動を進め、ワシントンと直接交渉する考えを表明している。
 米上院の重鎮らが11年、普天間の辺野古移設について「非現実的で、機能せず、費用負担もできない」と厳しく批判し、辺野古断念を国防総省に求める声明を発表したことは記憶に新しい。
 嘉手納を中心とした中部の基地群に加え、北部に辺野古を中心とした基地群を新増設するのは、負担軽減ではなく基地再編による機能強化というしかない。
 辺野古移設を見直し、持続可能な日米安保の道を選ぶのか。辺野古移設を強行し、日米安保を揺るがす不安定要因を抱え続けるのか。答えはおのずと明らかだ。
    ■    ■
 政府はサンフランシスコ講和条約が発効した1952年4月28日を「主権回復の日」として政府主催の記念式典を開くことを決めている。菅氏は式典についても知事の理解を求めるとみられる。
 だが、講和条約で沖縄が切り離されてから復帰するまでの20年間に沖縄の土地が強制接収され、米軍基地が集中する原型ができたのである。
 菅氏は沖縄側に理解を求める前に、辺野古移設と4・28式典に県民がどのような思いを抱いているのかを知るべきである。

【在沖海兵隊 ハワイ知事が受け入れ計画 沖縄タイムス3/12】

 【ハワイ=知花愛実通信員】米国ハワイ州のアバクロンビー知事は10日(日本時間11日)、ホノルル市内の東西センターで開かれた沖縄基地問題フォーラムで、ハワイ州政府が在沖海兵隊の受け入れ計画を策定し、近く政府に提案することを明らかにした。州知事は「日米両政府が合意した海兵隊のグアム移転計画は事実上不可能だ」と指摘、ハワイ島内の州有地を活用し、在沖海兵隊のための住宅2500戸の建設計画を推進したいと表明した。州知事は11日にもワシントンを訪問し、ヘーゲル米国防長官に同計画を提示すると語った。
 同会議はWUB(ワールドワイド・ウチナーンチュ・ビジネスネットワーク)と学生クラブAkisamiyo-!が意見交換を目的に主催し、今回で3回目。ウォレス・グレッグソン前国防次官補が基調講演し、ほか日米の専門家や識者、県の伊集直哉地域安全政策課長らがパネリストとして議論した。
 パネルディスカッションではグレッグソン氏は在沖基地問題について米軍側はいつでも話し合える態勢を整えているが、論題として日本側から机上に出ることがないと強調した。
 在沖米軍基地問題についてアバクロンビー州知事は「沖縄の基地は政治的に持続可能ではない、そろそろ解決に向けて動くべきだ」と述べ、実現可能な解決策の必要性を強調した。また、州知事は沖縄基地問題が迷走する原因として、米連邦議会の沖縄基地問題に対する関心の低さ、知識の乏しさを指摘した。
 軍関係のインフラ整備と良好な関係を理由にハワイ州は最適な海兵隊の移転先として、ハワイ島のポハクロア訓練施設への海兵隊移転を提案している。

【社説 基地返還・統合計画 沖縄だけの犠牲は限界だ 詐術に等しい「負担軽減」琉球新報4/6】

 これはまさに「沖縄の基地負担温存政策」ではないか。県外に行く基地は一つもない。沖縄だけを犠牲にする政策がもはや限界だと、なぜ気付かないのか。
 日米両政府が嘉手納基地より南の5基地の返還・統合計画を発表したが、5基地返還は2005年に合意したことで、今回はその時期を示したにすぎない。それを、さも安倍政権が努力した「負担軽減」であるかのように言いはやすのは、経緯を知らない国内世論向けの印象操作だ。詐術に等しい。
 沖縄だけに基地を押し込める方策は過去何回も頓挫してきた。政府は過去の失敗に学ぶべきだ。

◆遊休化との矛盾

 計画を見ると、首をかしげざるを得ない点があまりにも多い。
 牧港補給地区の返還は、各軍の倉庫を嘉手納弾薬庫やトリイ基地、キャンプ・ハンセンに移すのが条件だ。3基地への倉庫新設は基地拡充そのものではないか。
 那覇軍港の返還時期は「2028年度またはその後」だ。ほとんど使われず遊休化した基地を返すのに、なぜ15年もかかるのか。
 キャンプ桑江は海軍病院移設が条件だが、病院は既に移設して稼働している。今すぐ返還できるはずだが、なぜ2025年度以後か。キャンプ瑞慶覧の一部など、こうした例はほかにも枚挙にいとまがない。しかも、ほとんどが「○○年度またはその後」という留保付きである。これでは返還計画どころか、返還延期計画だ。
 米上院のカール・レビン軍事委員長は先月、米公共放送局の番組で在外米軍の縮小を主張した。「特に太平洋地域、とりわけ沖縄」と名指しして兵員を本国に戻すよう求めている。
 大規模な水陸両用戦を展開する旧来型の海兵隊の存在意義は既に薄れたと言われて久しい。軍事技術の発達で緊急展開能力は格段に向上した。海兵隊は本国に常駐し、紛争に応じて装備・兵員を編成して急派する小規模紛争専門となることも十分あり得る。米国の深刻な財政難を考えれば、なおさらだ。
 そんな時代に、米国の有力者ですら必要ないという兵員をなぜ新基地を造ってまでわざわざ沖縄にくぎ付けにするのか。理解できない。
 肝心の普天間飛行場も返還が「2022年度以降」と先延ばしになった。1996年のSACO(日米特別行動委)合意で2003年返還の予定だった基地だ。それが06年の米軍再編で14年に延期し、今回さらに延期した。まして県内移設条件付きである。許しがたい犠牲強要と言うほかない。

◆「本土並み」の幻

 在沖米軍基地の縮小論議はそもそも、日本本土と沖縄の取り扱いの違いが出発点だった。
 沖縄を米軍の占領統治に差し出していた間に本土の基地は大幅に減り、沖縄へ基地が集中した。海兵隊が移転してきたのが一例だ。
 その上、1968年のいわゆる「関東計画」で首都圏の米軍基地は横田に集約された。1972年の本土復帰以後だけを見ても、本土では約59%も整理縮小が進んだのに、沖縄では19%にとどまっている。「核抜き本土並み」だったはずが、復帰後ですら本土並みではないのだ。
 こうした違いを沖縄側が訴えた結果がSACO合意だったが、普天間も牧港補給地区も那覇軍港も、県内移設の条件がネックになって実現していない。
 安倍政権は閣僚来県や振興策提示など、1997年ごろの「成功体験」を露骨に模倣しているが、過去と今の決定的違いに気付いていない。沖縄は既に、沖縄だけを犠牲にする基地政策は差別そのものだと知っている。もはや差別を甘受する地点には戻れないのだ。
 過去、知事が県内移設に合意した一時期ですら、県内の世論調査で移設反対が過半数を割ったことは一度もない。県内移設にこだわる限り、返還は実現しない。政府はその点からこそ教訓をくみ取るべきだ。

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