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南海トラフ地震被害 原発除外での「最悪想定」

 すこし前の報道だが・・・220兆円の被害想定。耐震化率や感震ブレーカーの設置率を100%にした場合、169.5兆円の直接被害は80.4兆円に、生産の低下による間接被害は44.7兆円から31.8兆円と減少できる。
 人的被害の最小化には、「まず逃げる」ためのに強い揺れ対策・・耐震化や家具固定が重要。巨大なハードだけでは対応できない、ことを忘れてはならない。
 ところでこの試算は、原発被害は算定していない。

 静岡新聞は“中部電力浜岡原発について昨夏の被害想定では津波の敷地内浸水深が4~9メートルと明示されたが、「原発事故は切り離して議論すべき」(内閣府)との判断から、今回の想定に原発事故災害の影響数値は含まれていない。”

 原発事故が起きれば、救助に行けないとか、通行できないルートもでる。避難地として機能できない場所も・・・。
 最悪想定といいながら、最悪を「想定外」にしている。また、原発の最悪事故・・・“原発内のすべての死の灰が放出される”場合の被害想定も出していない。「再稼働」に都合の悪い情報は出さない。
【南海トラフ地震:事前の取り組みで大幅に「減災」と強調  毎日3/18】
【被害最悪220兆円、静岡県21兆 南海トラフ地震 静岡新聞3/19】【南海トラフ地震 避難や救援態勢検討へ  NHK3/19】
【巨大地震被害想定 原発除外して最悪測れない 琉球新報社説3/22】


【南海トラフ地震:事前の取り組みで大幅に「減災」と強調  毎日3/18】

 中央防災会議の作業部会は南海トラフ巨大地震の経済被害が最悪で220兆円に上ると試算する一方で、人的被害などを出した第1次被害想定と同様、事前の取り組み次第で大幅に「減災」できることを強調した。試算によると、直接被害額は約半分に、間接被害額は約7割にまで減らすことができる。
 現在79%の建物の耐震化率や感震ブレーカーの設置率を100%にした場合、169.5兆円の直接被害は80.4兆円に、生産の低下による間接被害は44.7兆円から31.8兆円にまで減少する。
 更に被害額を減らすためには建物やライフラインの耐震化、不燃化などに加え、企業では事業継続計画を策定・充実しておくことが求められる。サプライチェーンを一つの流れだけに頼らないよう、枠組みを構築しておくことも必要とされる。
 個人レベルの対策としては、まず耐震化や津波からの早期避難が重要だが、被災後のことを考えて食料や水など家庭内の備蓄を充実させることが有効。非常持ち出し品と備蓄品に分け、必要なものと量をリストアップしておくと便利だ。備蓄は3日間分以上が基本となる。
 今回の想定では停電や下水道支障、回線不通、医療支障なども甚大とされており、懐中電灯や簡易トイレ、携帯電話用バッテリー、常備薬などが必要とのイメージが湧く。
 作業部会の委員からは「『日本はハイリスク・ローリターンな国』という印象を与えかねない」と懸念する声も聞かれた。それでも被害額の公表に踏み切ったのは、いつ起こるかわからない巨大な災害を想定することで「危機管理」に対する強い姿勢を見せる狙いもあったからだ。この日公表された報告は「安全への意識が高い国であることを世界に示す必要がある」としている。
 内閣府の藤山秀章参事官は「不安をあおることが目的ではない。少しでも地震防災を進めていくための想定なので、冷静に受け止めてほしい」と説明している。


【被害最悪220兆円、静岡県21兆 南海トラフ地震 静岡新聞3/19】

 内閣府は18日、マグニチュード(M)9クラスの南海トラフ巨大地震(東海・東南海・南海地震の連動同時発生など)が発生した場合、揺れや津波による経済被害が最大で220兆円規模に上るとの被害想定を発表した。東日本大震災の約17兆円や阪神大震災の約10兆円、従来の東海など3連動地震の被害想定(81兆円)を大幅に上回る内容。本県のライフラインを含む民間・公共資産の直接被害は、県が東海地震を想定して2001年にまとめた第3次地震被害想定並みの約21兆円との試算が示された。

 経済被害想定は東日本大震災の被害状況を基に算出し、建物やインフラが損壊する直接的被害は関東以西の40都府県に及ぶ。ただ、中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)について昨夏の被害想定では津波の敷地内浸水深が4~9メートルと明示されたが、「原発事故は切り離して議論すべき」(内閣府)との判断から、今回の想定に原発事故災害の影響数値は含まれていない。
 南海トラフ巨大地震との連動発生の可能性が危ぐされている富士川河口断層帯の地震による高速道路・鉄道への深刻な被害や、富士山噴火なども今回は考慮していないという。

 全体の被害額の内訳は、直接被害が約170兆円、生産・サービス低下の影響が約45兆円、交通網寸断の影響が約6兆円。各地の建物の耐震化率を100%に高めた場合、直接被害は80兆円程度に半減するとみている。
 算出の前提のうち、ライフラインの被害推計では被災直後に約2710万軒が停電(本県の最悪ケースでは約200万軒、停電率89%)となる。上水道は約3440万人分のエリアで断水(同約340万人、断水率94%)し、下水道は約3210万人が利用困難(同約200万人、支障率93%)と見込んだ。

 インフラに関しては東名、新東名高速道が通行止めになるほか、東海道・山陽新幹線も全線不通になり、復旧に1カ月程度を要する見通し。浸水などによる県内の道路被害は4200カ所、新幹線を含む鉄道被害は1200カ所―など。
 一方、被災から1週間後の避難者数は最大950万人。本県については県の3次想定(76万人)より厳しい最大110万人と示され、避難者対策の重要性も鮮明になった。

 南海トラフ地震の被害想定 想定外の甚大な被害に見舞われた東日本大震災を教訓として、政府は2011年秋、千年に一度の最大クラスの巨大地震を想定する方針を決定。内閣府は昨年3月、マグニチュード(M)9クラスの地震が発生した場合、震度7の地域が10県に及び、最大34メートルの巨大津波が高知県黒潮町に押し寄せるとの推計を発表した。さらに、昨年8月には同地震で最大32万3千人が死亡、238万6千棟の建物が全壊するとの人的・物的被害の想定も公表した。



【南海トラフ地震 避難や救援態勢検討へ  NHK3/19】

18日に発表された南海トラフ巨大地震の経済被害の想定を受けて、政府は広域にわたる避難や救援態勢の具体的な検討を行うことにしています。
一方、行政による支援には限りもあることから専門家は家庭での耐震化や備蓄などの対策を進める必要があると指摘しています。
18日に発表された南海トラフ巨大地震の経済被害想定で、被害額は最悪の場合、国の予算の2倍以上に当たる220兆3000億円に上りました。
また、ライフラインが途絶えるなどして、避難所や親戚などの家に避難する人の数は地震から1か月後でも880万人と避難が長期化すると想定しました。
 特に道路や鉄道、空港などの交通網が寸断されるため、地震発生直後から数日間は、救助や支援に当たる人員の派遣さえもままならない状態となることが想定されます。
 このため、内閣府は道路を復旧させる方策や物資や救援に当たる人員の派遣計画、それに広域にわたる避難の在り方など具体的な活動計画を平成25年度にまとめることにしています。
一方、被害が広域で行政の支援にも限界があることから、国は耐震対策や備蓄などの対策を進めることにしています。
 想定をまとめた委員の一人で、防災対策に詳しい名古屋大学の福和伸夫教授は「家屋の耐震化と家具の固定ができて、はじめてけがをせずに命を守ることができる。そのうえで、災害のあと家族を守るために十分な備蓄をしておくことが重要なことだ」と話しています。

◆ 交通寸断の想定も
今回の想定では高速道路や鉄道など交通にも深刻な影響が出るとしています。
高速道路などは震度6強以上の揺れが想定されるエリアで何らかの被害が出るとして、東名高速道路と新東名高速道路、中央自動車道、本州と四国を結ぶ神戸淡路鳴門自動車道と瀬戸中央自動車道が通行止めになるとしました。

数日から1週間程度で復旧が進むものの緊急車両が優先され、一般車両が通行できるまでには1か月かかり、物流や経済活動に影響が出ると想定しています。
 鉄道は電柱や架線、線路に被害が出て東海道・山陽新幹線は全線で運転できなくなるとしました。
 このうち、東京駅と静岡県の三島駅の間と、山口県の徳山駅と福岡県の博多駅の間は地震発生当日に点検を終えて運転を再開するとしていますが、全線で運転を再開するまでにはおよそ1か月かかると想定しています。
 JRの在来線と私鉄は震度6弱以上の激しい揺れとなる地域でほぼすべてが運休し、1か月後でも復旧する路線は半分程度としています。

また、空港は揺れによる被害を点検するため、東海、近畿、中国地方、四国、九州などの空港が閉鎖されます。
高知空港と宮崎空港は津波とともに漂流物が流れ込んで使用できなくなるほか、中部空港、関西空港、徳島空港、大分空港は一部が浸水するとしています。
 ほとんどの空港は翌日に利用できるようになりますが、高知空港と宮崎空港は土砂やがれきの撤去に3日かかり、復旧後は当面、緊急物資などの輸送が優先されることになります。

◆通信にも深刻な影響
今回の想定では通信にも深刻な影響が出るとしています。
固定電話は通信設備が揺れによって壊れるだけでなく、停電によって通話ができなくなり、四国をはじめ、大阪府、兵庫県、和歌山県、愛知県、静岡県、三重県などでは通話できない固定電話がおよそ9割に達するとされました。
 3日後に基地局が臨時に設置されるほか、停電も緩和されて通話は一部でできるようになりますが、計画停電のために影響が長期化するおそれがあります。
 また、携帯電話は揺れによって基地局が壊れて電波が止まるのは1割程度で、地震発生直後通話はつながりにくくなりますが、メールを送ったり受けたりすることはできるとしています。

しかし、停電が長期化すると基地局の非常用電源が切れ、さらに携帯電話の電池も充電できないため、早い段階で使えなくなります。
 内閣府は「予備のバッテリーなどを準備することも重要だが、通信機器が使えないことも考えて、いざというときの集合場所や連絡方法をあらかじめ決めておくことが重要だ」と話しています。

【巨大地震被害想定 原発除外して最悪測れない 琉球新報社説3/22】

 東日本大震災の約13倍の被害-。まさに想像を絶する惨事だ。
 南海トラフ巨大地震が発生した場合の経済的な被害が、最悪で約220兆円とする被害想定が公表された。昨年8月には、最大32万人が死亡するとの想定も公表されている。
 そうなれば「国難」となるのは間違いない。被害対策を盛り込んだ減災戦略、地震後の復興プログラムの策定は急務だ。行政だけの問題ではない。備えを怠らないよう、国民全体で震災対策への意識を高めたい。

 ただ、今回の試算には大きな欠陥がある。原発を被害想定から除外していることだ。万が一原発事故が起きれば、被害はその比ではない。原発への影響は国民の最大の関心事でもある。最悪のシナリオを想定しながら、原発被害を盛り込まなかったのは腑(ふ)に落ちない。

 政府や東京電力は、福島第1原発事故の直接の原因を津波としているが、地震による損壊の可能性を指摘する専門家もいる。その後の電源喪失などライフラインの寸断が事態をより深刻化させた。巨大地震発生時に、東海から九州にかけて点在する原発が、安全に緊急停止する保証は何もない。

 内閣府は南海トラフ巨大地震で想定される原発被害についても、綿密な予測を調査・公表すべきだ。「フクシマ」の教訓を生かさない震災対策などあり得ない。

 こうした巨大地震が発生すれば、建物やライフライン、インフラなどが、広い範囲で甚大な被害を受ける。企業の生産活動は急激に低下し、国際競争力も低下。長期的な減収、復興・復旧への財政出動など、国力の大幅低下は避けられない。日ごろから綿密な対策を立て、いかに被害を少なくできるかが、早期復興の鍵を握る。

 国や自治体は、被害の削減目標やそれを実現する具体的な工程表と予算の手当てを示した減災戦略を、早急にまとめてほしい。
 沖縄県の被害額は1千億円と試算されている。四方を海に囲まれた島国だけに、他県からの援助はそう期待できない。県や市町村は、想定を基に、建物の耐震化や防潮堤の整備、食糧・飲料水の備蓄など、取り得る万全の対策を施してもらいたい。
 国民も、行政に頼り切ってはいけない。最終的に自分の命を守るのは自分しかいないという自覚も必要だ。巨大地震を想定し、家庭でできる対策にも力を入れたい。

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