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原発新基準 “退場”迫る根拠に

 東京新聞の社説。「格納容器がこわれない」という倒錯したロジックで、非居住区域、低人口区域を無視し、週中立地させてしまった日本の原発。
 チェルノブイリのようなことはおこらないと、国際基準の深層防護を30年近くも無視してきた。
 すくなくともここにメスを入れようとしているが新基準をめぐる攻防。猶予や骨抜きを許さず退場にさせる力になる。「段階的に原発ゼロ」が多数派の中では、合意を前進させる力となる。
 新基準は、原発推進の産経が「再稼働困難な新基準」「再稼働させる気がないのでは、いや、させたくないのでは、と考えざるをえない」と苛立ってる側面もある。
【原発新基準 “退場”迫る根拠にしよう 東京新聞・社説2/7】
【原子力規制委の責任逃れの独断、独走許されぬ 論説委員・鹿間孝一 産経2/5】

【原発新基準 “退場”迫る根拠にしよう 東京新聞・社説2/7】

 原子力規制委員会が、原発の新たな規制基準の骨子案を決めた。七月までに詳細を詰める。勘違いしていけないのは、基準は再稼働のためではなく、危ない原発を排除するのが目的ということだ。
 思い出してみよう。東京電力福島原発事故を検証した国会事故調査委員会の報告書はこう断じた。
 「組織的、制度的な問題が、このような『人災』を引き起こした。この根本原因の解決なくして再発防止は不可能である」
 組織の問題とともに法的、制度的な欠陥、すなわち津波や過酷事故につながる電源喪失への備えといった最も重要な対策が、曖昧なまま放置されたことが根本原因と指弾したのだ。
 フクシマの反省に立てば、電力会社の自主的な取り組みに委ねていた安全対策を、法律で義務化する今回の規制基準は必然だった。 ただ、新基準はあくまでも「最低限の備え」であって、これを満たしさえすれば安全が約束されるものではない。原発再稼働を急ぎたい自民党内には、新基準が“再稼働の免罪符”と受け取る向きもあるが、そうであってはならない。基準を厳格に運用すれば、再稼働は容易ではないはずだ。
 例えば、放射性物質をこし取るフィルター付きベント(排気)設備や免震重要棟のような「緊急時対策所」はほとんどの原発で整備されていない。燃えない素材を義務づけられた電気ケーブルにしても、原子炉内で総延長数千キロになるといわれ、交換には年単位の作業となるとみられる。
 活断層の調査も、従来の「過去十三万年」以降から必要に応じて「過去四十万年」に広がり、断層上の重要設備の設置を禁止するなどハードルは高まる。新基準は、既存の原発施設にも反映させる「バックフィット」制を義務づけるので、稼働中の大飯原発3、4号機も停止は避けられない。
 費用は一発電所当たり数百億円とも予想される。コストや時間を考えれば「割が合わない」とみるのが普通だ。しかも、いくら対策を重ねても原発が抱えるリスクはゼロにならないのである。
 懸念されるのが、規制委が可能性を示した「猶予期間」である。緊急時対策所などの整備には猶予期間を設ける方針だが、そうするのであれば代替の安全対策とセットでなければ許すべきではない。
 猶予が乱発され、基準が骨抜きともなってしまえば、それこそフクシマの元凶だった「規制の虜(とりこ)」の再現である

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