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「原発防災計画 4分の1自治体、丸投げ」が問題はもっと根本的 

 そもそもUPZが狭すぎる。被曝が確認されてから避難などチェルノブイリ事故、福島事故の教訓からまなんでいない基準である。東京新聞が、30キロ圏内の21道府県と130市町村の自治体で、防災計画のコンサル丸投げしている自治体が1/4とのこと。
 当然だろう。福島原発事故を見ても、まったく機能しなかったのだから、自治体に専門的に力量、知見があるわけがないし、国もまともに求めていなかった。改定された防災指針も抽象的。
 「実際に逃げられるのか」を基準に、どう対応すべきか、自治体に専門家を育成するプロセスを経て、様々なしみレーションにそって、入院患者の搬送や移動手段の確保、必要な避難道の整備などモデル事業で徹底検証し課題を洗い出して計画づくりに入ることが、手順だろう。再稼働のための口実づくりのような機能しない計画は「百害あって一利無し」。
「25時間以内に30キロ圏内を風下に避難できない原発は廃炉にすべき」を基本とすべき。
【軽すぎる原発防災計画 4分の1自治体、丸投げ 東京新聞2/8】
【松野元・元原子力発電技術機構緊急時対策技術開発室長の話 「全員避難、保証無理なら廃炉に」毎日2012/4/23】

 30キロ圏外でも、風向きによっては直ちに逃げなければならない場合や、プルームの移動を判断して、屋内退避し、その後、避難する場合たなど臨機応変な対応ももとめられるなど、避難計画、指示といっても地域の特徴を知っていることと専門的な力量の同時にいる。
 また、避難場所は、他市町村、他県になる場合は、そことの調整もいる。短期間につくれ、と言うほうが無理。

ちなみに再稼働の一番手が伊方3号機の報道(産経)。がプルサーマル炉であり、一般原発と同じ基準でよいはずがない。より厳しい基準、より広いUPZ等の設定が必要だ。

【軽すぎる原発防災計画 4分の1自治体、丸投げ 東京新聞2/8】

 重大事故が起きた際に住民を守るため、原発周辺の自治体は三月をめどに避難ルートなどを盛り込んだ地域防災計画をつくるが、四分の一に当たる三十八の市町村が検討作業をコンサルタント会社などに丸投げしていた。本紙の取材で明らかになった。業者任せでは、机上の計画になりかねず、住民の安全確保につながるのか疑問が残る。
 本紙は、原発三十キロ圏にある二十一道府県と百三十市町村すべてに電話で外部委託の有無を確認した。東京電力福島第一原発の事故で、役場機能が移転している双葉町など福島県内の五町は集計から除いた。
 取材の結果、三十八の市町村が、計画づくりの作業全体をコンサルタント会社や行政と関係の深い出版会社に委託。八市町が住民の避難計画などを部分的に委託していた。
 津波対策などと合わせて発注しているケースも多いが、委託費用は百七十万~二千八百万円と幅があった。
 福島の事故を受け、重点的に防災対策を進める区域が大幅拡大され、初めて計画をつくる自治体が急増。外注している三十八市町村のうち、三十一は新たに区域入りした市町村で占められていた。
 事故の際、自治体は住民の避難や内部被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤の配布など重要な役割を担う。それだけに、地域を熟知する自治体が、自ら防災計画をつくるのが本来の姿。
 だが、外部に委託した自治体の担当者に、理由を聴くと「担当職員が一人しかいない」「原子力災害の知識が不足している」などを挙げた。
 外注する自治体の比率は地域によって大きく異なっていた。原発が集中的に立地する福井県の若狭湾周辺では、自前で計画をつくる自治体より、外注の方が多かった。東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)や四国電力伊方原発(愛媛県)の周辺自治体も外注と自前がほぼ同数だった。
 一方、中国電力島根原発(島根県)と九州電力玄海原発(佐賀県)の周辺で委託はゼロだった。
 <地域防災計画> 福島第一原発事故の反省から国の指針が改定され、重点的に防災対策を進める区域(UPZ)が、原発8~10キロ圏から30キロ圏へと拡大された。これに伴い区域内の自治体数は15道府県45市町村から21道府県135市町村へと3倍に増えた。住民の避難先や避難手段の確保などを検討、3月18日をめどに計画をつくるが大幅に遅れる自治体が続出する見込み。


【この国と原発:第5部・立ちすくむ自治体 松野元・元原子力発電技術機構緊急時対策技術開発室長の話 毎日2012/4/23】

 ◇全員避難、保証無理なら廃炉に
 日本の原子炉立地審査指針の安全評価は、格納容器が壊れないことが前提だ。どんな重大な事故でも発電所敷地内で収まる建前だったため、原子力防災体制の整備は原子炉設置許可の条件とならず、原子力防災は「飾り」のような存在だった。本来はチェルノブイリ事故後に根本から見直すべきだった。面倒なことを嫌った政府の怠慢だと思う。
 福島第1原発事故では、地震で原子炉が自動停止してから津波で非常用ディーゼル発電機が壊れるまでの約1時間に緊急時対策支援システム(ERSS)がリアルタイムの予測をし、その情報を緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)につないで避難を容易にするはずだった。現地からのデータが途絶えても、ERSSには全交流電源喪失から炉心溶融に至る過酷事故などを想定したデータがいくつも内蔵されている。にもかかわらず活用できなかったのは、関係者に心構えがなかったからと言わざるを得ない。
 これだけの事故が起きたのに、日本は従来の考え方と体制からまだかじを切れていない。
 格納容器が壊れるほどの過酷事故の場合、早ければ25時間後に周辺に放射性物質が降り始める。その間に少なくとも30キロ圏の人を全員、風下を避けて避難させねばならない。
 具体的には、原子力災害対策特別措置法が定める「第15条緊急事態」(全交流電源喪失・全冷却機能喪失など)の時点で避難を始めるべきだろう。福島の事故でいえば3月11日午後4時45分だ。炉心溶融が始まってからでは遅い。
 原子炉設置者側の対策も重要だ。格納容器の圧力を下げるベントの際に放射性物質の飛散を防ぐフィルターの設置はもちろん、注水用の水源確保や事故後の迅速な補償方法も決めておいたほうがいい。そして、自治体は国の指示がなくても対応できる能力と、独自の避難や安定ヨウ素剤配布の計画を持たねばならない。
 今各地で行われている避難訓練の決定的な問題は、30キロ圏の住民全員が事故時に本当に避難できるのかを確認していない点だ。米ニューヨーク州のショーラム原発は、避難計画を州知事が承認しなかったため、運転開始できずに89年、廃炉となった。日本でも住民の全員避難が保証できない原発は、遠慮なく廃炉にすべきだ。原子力と付き合うには本来、そのくらいの覚悟が必要だろう。(談)
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 ■人物略歴
 ◇まつの・げん
 1945年生まれ。東京大工学部電気工学科卒。67年四国電力入社。伊方原発、原子力部次長などを経て00〜03年、原子力発電技術機構(現・原子力安全基盤機構)に出向。ERSSの改良と原子力防災の指導などに従事した。著書に「原子力防災」。


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