「憲法って何」~ 青年学習会
昨日、青年の学習会で話した「憲法と安保」の憲法部分。
福祉、働く権利と平和が一体であることを、若者をとりまく「自己責任論」「ブラック企業」などに引き寄せてざっくりと語ってみた。
学校ではちょこっと読んだだけとか・
Ⅰ ケンポウって何
(1)他の法律と次元が違うもの・・・ 国家権力をコントロールする足場
もともと、イギリスの国王の勝手気ままを抑えるために発達・・・立憲制
国民が主人公として、国家に政治の内容を強制するもの
声をあげるときにだけ確かな足場となるもの。声をあげなければただの紙切れ
(なぜ、今の教育がしっかり教えないか。時の支配層に都合がわるいから)
・・・その特徴とは
(2) 「自己責任論」を否定している憲法
25条「すべて国民は、文化的で最低限度の生活を営む権利を有する」
「がんばった人だけ応援する」とかではない。
27条「労働する権利と義務を有する」
→ 「労働する権利」を保障するのは国家の役割、自己責任ではない。
(3) 平和への人類の希望を載せた憲法
①9条第二項の意味
「国際紛争解決の手段として武力の行使、威嚇の禁止」は国連憲章でも言われている。
・二項の「戦力不保持」が画期的内容
どの戦争も自衛が「名目」 日本の侵略戦争 自存自衛の戦争
イラク戦争 「大量破壊兵器」など自国民の安全
この条項は、日本側の提案で入った(*)。
②前文、25条~「恐怖と欠乏」の克服、生存権の保障
ILOフイァデルフィア宣言1943
「永続する平和は、社会正義を基礎としてのみ確立できるという国際労働機関憲章の宣言の真実性が経験上充分に証明されていると信じて、総会は、次のことを確認する。
(a) すべての人間は、人種、信条又は性にかかわりなく、自由及び尊厳並びに経済的保障及び機会均等の条件において、物質的福祉及び精神的発展を追求する権利をもつ。
(b) このことを可能ならしめる状態の実現は、国家の及び国際の政策の中心目的でなければならない。…」
~ 戦争の原因に、民衆の貧困、不満がある
「うっぷんばらし政治」 公務員・生活保護バッシング、橋下的現象
③「若者が幸せ」なら戦争はおきない
アメリカ 貧困から軍隊にいくしかない実態
若者の希望を奪う日本の実態は何かを意味するか
(4)福祉の充実は、働くものの立場を強くする。
若者の雇用の場確保や「人たるに値する」労働条件確保に何が必要か
①ブラック企業はお断り、と言える環境を
生きるために、どんな酷い労働条件でも受け入れざるを得ない状況の解決
実は、100年以上前に、その考え仕組みは誕生している。
ブースの雇用政策 失業保険・公的扶助、無拠出年金制度
フランスの労働運動 「失業する権利がある」の意味
②時短の深い意味
生産力が発展 → 同じ仕事量が少ない人数でできる。
時短で、失業者を少なくして、「ブラック企業お断り」が出来る環境をつくること。
③生活保護の削減は、他人事ではない。
そして、なぜ、今、国防軍や改憲が喧伝されているのか
~ 憲法の生存権、労働権は一体であり、それは平和とリンクしている。
【参考】憲法の「戦争放棄」条項、日本側の白鳥元大使が進言 朝日新聞2012/8/14
・日本国憲法制定前の1946年1月、後にA級戦犯として終身禁固刑を受けた白鳥敏夫・元駐イタリア大使=服役中に病死=が、9条の原型となる戦争放棄や軍備撤廃を新憲法の条項に盛り込むべきだとする提案をまとめた書簡を、当時の吉田茂外相を通じて幣原喜重郎首相に送っている。 戦争放棄を新憲法に盛り込む発想は1945年1月24日のマッカーサー・幣原会談で出たとされる。
・書簡(45年12月10日付・英文)
「将来この国民をして、再び外戦に赴かしめずとの天皇の厳たる確約、如何なる事態、如何なる政府の下においても、(略)国民は兵役に服することを拒むの権利、および国家資源の如何なる部分をも軍事の目的に充当せざるべきことなどの条項は、新日本根本法典の礎石」「憲法史上全く新機軸を打ち出すもの」とした。
そのうえで、「天皇に関する条章と不戦条項とを密接不可分に結びつけ(略)憲法のこの部分をして(略)将来とも修正不能ならしむることに依りてのみこの国民に恒久平和を保証し得べき」と延べ、戦争放棄の条項を天皇制条項と結びつけることで、天皇制を守ることもできると強調した
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Comments
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こんにちは
伊藤真氏の講演は数年前に拝聴したことがあります
とてもわかりやすい話でした
国政選挙の違憲状態を告発していましたね
Posted by: ロートル医師 | February 20, 2013 04:02 PM