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2013年度・国家予算の特徴と地方議会の活動

 「15ヶ月」予算として実施されたものは、防災減債、地域活性化で活用できる内容も多い。各自治体では予算編成、計画づくりの途上であり、積極的に住民要求の実現に活用するとともに、無駄・優先度の低い事業をェックことが、予算が固まるまでに取り組みとしてきわめて重要である。
 (以下は、そのために作ったメモ)

★当面の対策
①補正の「地域の元気臨時交付金」1.4兆円、当初の「全国防災」「緊急防災減災」、「地域元気づくり」0.85兆円
 と計2.2兆円を超える地域で使える大型の予算がつく。しかも、原則100%起債充当、7-8割交付税算定。
→ 自治体の計画をチェックするとともに、切実な住民要望を実現するチャンスであり、積極的に対応を
②予防接種の定期接種の公費負担分の拡充 20%→90%  確実に実行させるとともに、この際、無料化に。
  ヒブ、小児用肺炎球菌、子宮頸がん予防の定期接種化、妊婦健康診査の公費助成の恒久化など実現 
③生活保護規準の切り下げでは、2/1に、県議員団申し入れ。
  「貧困の連鎖」を強化する回復。学力向上、虐待防止、少子化対策など県内で進める施策とも矛盾 
   自民党の就学前教育無償化、高校授業料無償化見直し(低所得への給付型奨学金)にも反する、

 (下記のポイントなどは、今後も充実させていきます。 2/18 更新 )

≪2013年度・国家予算のポイント≫

 予算の狙いは①参院選勝利、安定政権をつくることを目的に、地方や各分野に配慮したものとなっている。一方、地方公務員の給与カット・生活保護の削減など「世論」を「配慮」した削減も同時に実施。②消費税増税の環境づくり。公共事業の大盤ぶるまい。 ③大企業むけの成長戦略
 ~ 危険な狙いと利用できる側面の両面を見て対応する。

【概要】

・一般会計総額92兆6115億円(12年度当初予算比2・52%増)と当初予算としては過去最大の規模

・2012年補正とあわせ「15カ月予算」
 → 12年度当初予算90兆3339億円は基礎年金国庫負担分が含まれていない額。12年度補正予算に計上された国庫負担分2兆5842億円(財政規律にも配慮したという、ゴマカシのための操作)を加えれば12年度予算は92兆9181億円、
その分の国債をふくめての収入42兆8510億円を税収が4年ぶりに上回る

・税収 43兆960億円と12年度比7500億円増を見込み
 税収額は実質の経済成長率を2・5%と前提したもの → 地方交付税の削減もこの分が反映

【復興予算】 

・特別会計から4兆3840億円を計上し、12年度比6086億円増。
・15年度までの復興財源の枠組みを見直し、19兆円から25兆円に増。
・6兆円の財源は日本郵政株式の売却収入と毎年の決算剰余金など。

【補正予算】

「日本経済の再生にむけた緊急経済対策」
・事前防災減災2兆2005億円・成長による富の創出2兆6924億円・暮らしの安心地域活性化 3兆1017億円

・地域の元気臨時交付金  補正の公共事業の地方負担分の8割に相当する額 1兆3980億円
→ 今回の補正予算での事業額に応じて算定。財政力の弱い自治体は9割程度に算定
  自治体で策定する「地域の臨時交付金に係る実施計画に掲載された事業」/建設公債対応分。ハード
  → ハードだけだが、その分、予算的余裕がでるので、ソフト充実につかえる。

★以下の各省庁の予算の特徴は、新規中心。内容は現時点で定かでないものが多い。積極的に行政に聞くこと

◆地方財政 

・一般財源59.8兆円(1285億円増)
・地方交付税 12年度比3921億円削減。 
 地方税収増(3606億円増)
 地方公務員賃金の7月から7・8%減額(8504億円減) 7月から13年度限り
 地方六団体が遺憾の声明1/27 国に先行して努力している。地方財源への干渉。

 市町村は、2001-11で地方は一般職16%減や給与削減で1兆6千億円の削減を実施  
 国は3%。2012-13年のカットも6千億円。

・全国防災事業債(直轄・補助事業/地方負担分)973億円    100%充当、8割交付税算定
・緊急防災減災債(単独事業)4550億円(ア)、          〃    7割  〃
・地域元気づくり事業費3000億円(イ) ~ 人件費削減の努力を反映    
  (ア)(イ)とあわせ、地方公務員賃金引下げに相当する額 
・社会保障費自然増の対応   → 実質増分には届いておらず、その分厳しくなる。
   一般行政経費補助(生活保護、医療、介護等)3600億円
   一般行政経費単独             1900億円   

・住民税の年少扶養控除廃止による増収分(886億円)は、国庫補助事業の一般財源化に
 予防接種  定期接種の公費負担分の拡充 20% → 90%
   3ワクチン(ヒブ、小児用肺炎球菌、子宮頸がん予防)の接種の定期接種化
 妊婦健康診査の公費助成の恒久化 
  (年少扶養控除の廃止による保育料への影響については、旧来基準で計算を、と厚労省が通知)

◇税制

・所得税(課税所得4千万円以上)と相続税(基礎控除を「3000万円プラス法定相続人1人当たり600万円」に縮小)、贈与税の最高税率をそれぞれ5%引き上げ 2015年1月より
・孫1人あたり1500万円まで教育費を出しても贈与税がかからない制度
・研究開発減税 法人税控除の上限を30%に拡大
・給与や雇用を拡大した企業に対する減税措置
・自動車取得税の廃止(消費税10%時)、  重量税は「エコカー減税」を恒久化・拡充
   自動車取得税は地方財源。地方に「影響を及ぼさない」とされているが、代替財源が示されておらず地方六団体は「遺憾」を表明。
・住宅ローン減税拡充(2014年より。4年延長、限度額40万円に)
・証券優遇税制の打ち切り 2013年度末 

◇社会保障関係費

・29兆1224億円(実質の増額2279億円、0.8%増)
・年金 「特例水準解消」 10月より0.9%減
・保育所 待機児童7万人解消 保育所運営費負担金294億円増額
・認知症 専門家による自立生活のサポートを行うモデル事業を実施。
  「認知症地域支援推進員」を市町村などに配置

☆生活保護削減 計671億円減

・生活扶助の規準引下げ 13年度分だけで151億円削減。3年後には年間約670億円削減。
・この他、期末一時扶助 年70億円減
・医療扶助の削減(後発医薬品の使用推進)などで、450億円削減

①生活保護からはずれる人がでる。
②住民税の非課税限度額が下がり、今まで無税だった人が課税される。
③非課税だと安くすんでいた負担が増える。
 ・介護保険料、医療費上限、保育料、一部自治体の国民健康保険料など
④保護基準に基づいて利用条件を設定している施策が利用できなくなる。
(全国)介護保険利用料・保険料の減額、障害者自立支援利用料の減額、生活福祉資金の貸付、就学援助給付
(一部自治体)地方税の減免、地方税滞納処分の禁止、国民健康保険料の減免、国民保健医療費負担の減免、公立高校授業料減免、公営住宅家賃減免、自治体の公的貸付、など。

☆地域の見守りなど~「社会的包容力」の構築
(1)安心生活基盤構築事業の実施【新規】
 セーフティネット支援対策等事業費補助金250億円の内数
 従来の地域福祉関連事業を集約化して組み替え、誰もが安心して生活できる基盤を構築するため、住民参加による地域づくりや基本的な生活支援、権利擁護の推進や社会との繋がりを持つ機会を創出するための居場所づくりなどの事業を総合的に実施する。

(2)寄り添い型相談支援事業の実施【新規】 10億円
 生きにくさや暮らしにくさを抱える方々がいつでもどこでも相談ができ、誰でも適切な支援を迅速に受けられるようにするため、問題を抱える方々の悩みを傾聴し、実施機関の紹介や必要に応じた寄り添い支援などを行う。

◇雇用対策  1986億円、9・9%減

・失業給付や労災保険などの労働保険特別会計 6兆7302億円 1.3%減
・雇用調整助成金  1175億円 42.2%の大幅減
・失業手当を受けられない求職者に生活費と職業訓練を受けさせる求職者支援制度の予算 680億円、54%減
・就職支援/大学内での相談口設置、出張相談の拡大 3.8兆円
・生活保護受給者等の就労促進 72億円 3倍化
・補正 地域の雇用創出 1000億円(緊急雇用創出事業基金に起業支援型地域雇用創造事業(仮称)を追加)

◇教育  4兆661億円(297億円、0.7%%減)

・少人数学級の拡大見送り。 定員改善は、少子化による自然減を差引き800人増

《定数改善数1,400人の内訳》
 ①いじめ問題への対応など学校運営の改善充実400人※主幹教諭の配置促進200人を含む。
 ②通級指導など特別支援教育の充実600人
 ③小学校における専科指導の充実400人   

・補習等のための指導員等派遣  放課後や土曜日における学習、補充学習など学力向上方策として、約7千人の地域人材による指導員等を活用(※常勤教員ベースで2,100人相当) 28億円・新規
・「心のノート」の全員配布          2億円増の8億円
・全国学力テストを公立全校で実施する予算。 15億円増の54億円
・いじめ対策 
 スクールカウンセラー 全公立中学校に配置8,252校→ 9,835校〔補助率1/3〕
            公立小学校配置の拡充:11,690校→ 13,800校
 スクールソーシャルワーカー配置〔補助率1/3〕 :1,113人→ 1,355人
 外部人材活用によるいじめ問題への支援体制 専門家(弁護士、精神科医、大学教授、元教員、元警察官等)
  → 地方では、主に警OBの配置で対応?
・インクルーシブ教育システム構築事業 新規、13.8億円
  就学奨励費の通常の学級への支給対象拡大、医療的ケアのための看護師の配置約330人など
・幼稚園就園奨励費補助  補助単価引き上げ、/多子家庭支援を、保育所と同様、幼稚園に拡充 
・文化遺産を活かした地域活性化事業34億円(新規)/地域の劇場・音楽堂等に対する活動支援
・高校授業料無料化  所得制限導入の検討(14年度以降、700万円が案)

◇科学技術

・スパイ衛星の開発・運用 608億円 /98年以降、総額1兆円
   「大規模災害への対応」を導入目的にしながら、「安全保障」を理由に東日本大震災では活用されず
   また、昨年、三菱電機による水増し請求など不正の温床に。
・「はやぶさ2」103億円、次期固形燃料ロケット82億円、陸地観察技術衛星44億円、国際宇宙ステーション補給機「こうのとり」244億円
・人工多能性肝細胞など再生医療、新薬開発  厚労、経産、文科で137億円   
・補正 国際熱核融合実験炉)計画等の実施169億円(118億円増)

◇公共事業関係費

・5兆2853億円(7119億円、15.6%増額) 補正とあわせ7兆7279億円増。

☆老朽化・事前防災対策
①道理維持管理の充実・強化2515億円、河川管理施設等の維持管理の充実・強化1358億円(12%増)
②防災・安全交付金 1兆460億円の新設(社会資本整備総合交付金)
    老朽化・防災対策・通学路の安全対策への地方自治体補助

 ~ 社会資本整備総合交付金 903,136百万円、防災・安全交付金 1,045,953百万円には、地域自主戦略交付金の廃止に伴う移行額 515,675百万円が含まれる。

☆成長による富の創出
・東京外環道など大都市圏環状道路建設3539億円
・国際コンテナ戦略港湾の機能強化400億円(42億円、12%増)
・首都圏航空の強化123億円
・八ッ場ダム建設 98億円 

◇農林水産  2兆2979億円(5.7%増。が2000年度比では1兆1303億円の減)

・公共事業費関係 32.9%増の6506億円。 非公共事業は、2.1%減の1兆6469億円
   農山漁村地域整備交付金 1128億円(前年96億円)、補正1650億円
     → 地方の裁量によって実施する農山漁村の防災・減災対策や農林水産業の基盤整備を支援
・強い農業づくり交付金 244億円(前年21億)、補正215億円
  生産から流通まで強い農業づくりに必要な共同利用施設の整備等を支援
・新規就農・経営継承総合支援事業239億円(前年136億円) 補正99億円
・輸出、競争力強化の「日本の食を広げるプロジェクト」39.8億円 新規
・地域バイオマス産業化推進事業13億円、木質バイオマス産業化促進6億円 新規
・都市農村共生・対流総合対策交付金20億円 新規
   子どもの農山漁村宿泊体験など取組や人材の活用・育成、農産物加工・販売施設の整備等を支援
・6次産業化支援 2.8%増の37.4億円
・「農」のある暮らしづくり交付金6億円  新規/ 都市の市民農園整備など
・戸別所得補償は、「経営所得安定対策」と名称変更。4.5%減の7185.6億円
・森林・山村の多面的機能発揮対策30億円 新規
 森林の有する多面的機能の発揮や山村地域の活性化のため、地域における活動組織が実施する取組を支援
・持続的な森林経営の確立に向けた総合対策13億円 新規 市町村が中心となった協議会の取組、路網整備
・水産業・漁村の多面的機能発揮対策35億円 新規

◇経済産業 「成長による富の創出」として、企業支援
・グローバル企業の研究開発拠点の国内立地支援 5億円

◇中小企業  1811億円、0.5%増 / 復興特別会計を含めると2963億円、11.7%減

・中小企業と地域の大学などの連携による基盤技術開発  高度化支援118.7億円を新規
・小規模事業者活性化事業 30.0億円(新規) 新商品・サービス・販路拡大支援
・中小企業・小規模事業者ビジネス創造等支援事業 48.0億円(新規) 相談など支援ネット確立
・下請中小企業・小規模事業者自立化支援事業 7.0億円(新規) 
・ものづくり小規模事業者等人材育成事業 3.5億円(新規)  技術技能の継承支援
・新事業活動・農商工連携等促進支援事業 18.6億円(新規)  新商品・サービスの開発
・補正 地域需要創造型等起業・創業促進補助金 200億円 女性、若者の起業支援

・地域中小商業支援事業 38.7億円(新規) 地域コミュニティ再生、空き店舗対策
・地域自立型買い物弱者対策支援事業費(補助) 10.0億円

・消費税増税の環境づくり  下請け代金法など違反行為の監視体制強化 19.8億円
・震災  共同での復興に対する「グループ補助金」 49.9%減の250.1億円。
・金融円滑化法は、年度末で打ち切り。

◇原発・エネルギー  8496億円。4.3%増

・原発輸出 新規に「原子力海外建設人材育成委託費」11億7348万円。
・安全性の向上として「高速炉等技術開発委託費」 新規32億円
・再生可能エネ  3463億円。30%増
   「風力発電のための送電網整備実証事業費補助」250億円。新規
    住宅・ビルの省エネ化 導入支援110億円。57.1%増
・自家発電設備導入など「分散型電源導入促進事業費補助金」 249.7億円 新規

◇軍事費 補正とあわせた2500億円増。過去最高の伸び

・4兆7538億円の前年度比400億円増(0・8%増)
・12年度補正予算(2124億円)、「東日本大震災復興特別会計」(1252億円)
・12年度補正予算 、「緊急経済対策」との名目で、「ミサイル防衛」の一環であるPAC3ミサイルや各種ヘリコプターなどの装備品を計上。
・「復興特別会計」 自衛隊基地の整備や戦闘機の修復などの事業。 内容の精査が不可欠。
・13年度予算では自衛官287人(陸自94人、海自96人、空自97人)の増員

◇財政投融資  4.2%増の18兆3896億円。

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