正社員と非正規雇用の生涯収入 1億6034万円
「非正規労働者の権利実現全国会議」のHPで紹介されていたもの。正規と非正規の生涯収入釜さで、80歳段階で、1億6034万円とのこと。
95年の経団連の新時代の『日本的経営』は、コア部分の「長期蓄積能力活用型グループ」には、従来からのメンバーシップ型契約。他は、専門職の有期雇用をふくむ非正規化で対応するジョブ型に差別化したもの。が、ジョブ型の前提は、協定賃金などジョブ型賃金と、住宅そして子育て、退職後の生活などライフサイクルに応じた費用を間接賃金(社会保障制度)で支える仕組である。その前提の負担はしたくないが、コア部分は育成・囲い込みたい、という財界の雇用の差別化戦略が生み出した矛盾である。
【正社員と非正規雇用の生涯収入格差は約1億6034万円との試算 1/21】
それが、内部留保の激増、富裕層の増加となってあわわれ、一方でデフレ不況を生み出している。
【正社員と非正規雇用の生涯収入格差は約1億6034万円との試算 1/21】NEWSポストセブン
2013年の新卒者が正社員になるか非正規雇用になるかで、どれだけ生涯収入格差があるのだろうか。
厚生労働省の賃金統計やその他のデータをもとに試算すると、20代正社員の年収は約384万円で、同世代の非正規雇用者は約262万円。その収入格差は年齢が上がるごとに拡大していき、80歳の段階では1億6034万円に及ぶ。こうした事態に警鐘を鳴らすのは、人事コンサルタントの城繁幸氏である。
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1990年代以降、非正規雇用の割合は増え続けてきた。2011年は役員を除く雇用者(男女計)4918万人のうち、正規の職員・従業員は3185万人で前年に比べ25万人減少した一方、非正規の職員・従業員は1733万人と48万人増加した(総務省統計局「労働力調査 平成23年平均<速報>結果」より)。つまり表の左側の正社員の地位を持つ人間は減り、右側の非正規雇用の割合がどんどん増えている。この傾向は今後も続き、格差の下位層拡大が続くと予想される。
問題は収入格差が必ずしも能力によって決まっていないことだ。言ってみれば「身分制」であり、人生という“すごろく”の入り口に立った時点で、生涯収入のレベルが決まってしまう。フェアな仕組みとはとても言えない。
この現実は歪んだ「日本型雇用」によってもたらされる。若者の就職難の背景には、既得権を持つ年長正社員の存在がある。彼らが死守したいのは定年まで安泰となる終身雇用、賃下げが難しい年功序列賃金のシステムだ。
不況下でその仕組みを維持するために、新規採用される若者の正社員はどんどん減り、非正規から正社員に変わる望みも薄れる。一部の若者のみが新卒時に既得権側に滑り込み、残りは仕組みの矛盾を全て押し付けられることになる。
「身分」が固定化された非正規雇用の生活は苦しい。30歳くらいまではそれほど差はないものの、その後、非正規の収入はほとんど増えない。
結婚や子育ての費用を捻出することは容易ではなく、さらに50歳を過ぎると働き口が極端に少なくなる。派遣社員をはじめ、製造業、販売員の募集も事実上30代が上限だ。
今の若い非正規雇用者が50歳以降になった時には、生活保護に雪崩れ込む者が続出するだろう。
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