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「子どもの権利」「県民参加」敵視の自民党・全部改定案

 自民党県議団が、2年間、のべ数千人の県民参加でつくりあげた憲法、子どもの権利条約にもつづく、県こども条例を実質廃止し、まったく別物にする条例案を提出した(全部改正案)。

 この条例の肝は、こどもを権利の主体として、その権利をわかりやすく「~できます」と示すことで、子どもや保護者、県民にその国際的な到達点である中身を、条例そのものにより学び、広げていける内容になっていることにある。それをこども含めた県民参加で練りあげたことにある。
 自民党案は、この肝の部分をそっくり亡き者にしてしまう。
 提案者は、「精神は変わらない」というが、「子どもの権利」という新しい概念を広く定着させ、県政を子どもの権利を軸にブラッシュアップすることに、条例の肝があるのであり、まったく別もの、別の精神のものになる。

 提案者は、「憲法、児童の権利に関する条約にもとづく」という規定を削除することを「屋上屋を重ねるから」というが、根拠法を明示するのに不都合はない。
 実際、自民党県議団の提案で成立した「高知県がん対策推進条例」にも「がん対策基本法(平成18年法律第98号)の趣旨を踏まえ、がん対策の基本となる事項等を定めることにより」となっており、為にする主張である。

 そもそも「子どもの権利」の中核の1つは「意見表明権」――「大人の聞く責務」にある。「精神は変わらない」というなら、子どもも参加して作った条例を、子どもの意見を聞くことなく、一方的に「改ざん」することが、そもその「こども条例」違反である。

こども条例の前文には「大人とこどもがきちんと向き合い、知恵を出し合い、失われつつある人と人とのつながりや、地域のつながりを取り戻すことが必要です。
 この条例づくりの過程には、多くのこどもと大人が参加し、長い時間をかけてそれぞれの思いを集め、大きな力となるひとつの形にしてきました。  
 この条例を活【い】かすのは、県民である、こどもと大人一人一人であり、こどもが健やかに育っていくための取組を県民みんなで進めていくことが大切です。」
とあり、
「第4条 こどもは、どんな立場、条件、状況の下で育っていても、この条例の主人公であり、だれでも一人の人間として、その人格や個性が尊重されます。」とある

 主人公を無視した行為である。提案者は県民参加の取り組みを有意義と答弁したが、言っていることとやっていることがまったく違う。

 そもそも本体の子どもの権利条約は、
「 第12条(意見表明権)
  1.締約国は、自己の見解をまとめる力のある子どもに対して、その子どもに影響を与えるすべての事柄について自由に自己の見解を表明する権利を保障する。その際、子どもの見解が、その年齢および成熟に従い、正当に重視される。
  2.この目的のため、子どもは、とくに、国内法の手続規則と一致する方法で、自己に影響を与えるあらゆる司法的および行政的手続においても、直接にまたは代理人もしくは適当な団体を通じて聴聞される機会を与えられる。」
 となっている。

 その条例にもとづき、メダルの裏側として大人社会の責務が発生する。それは行動計画で担保すれば十分である。「こども条例」の名を残すのは、「廃止」という批判を避けるための姑息な手段である。

  自民党案には、「高い規範意識」とか、保護者に“深い愛情をもって子育てにあたる責務”など誰にも判定できないようなセンシティブな内容を法に規定している。

 法律の文言として妥当なのか。

 談合企業からの献金を「法律にのっとって処理」しているから問題ないというのが同党の言う「高い規範意識」というのであろうか。
 言うことやることが違うという態度が「高い規範意識」というのだろうか。
 
 はっきりしていることは、子どもの貧困をここまでひどくし、非正規雇用の拡大など若者の将来を奪ってきた同党の責任はまったく自覚していないこと、世界的な人権に対する到達点について理解する力がないことである。

ちなみに県議会の自民党絶対多数も39議席中、高知市の15議席(自民4)をのぞくと、1人区、2人区が圧倒的という「所選挙区制度」によもので、民意を反映していない。

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