福島事故「A級戦犯」内閣~3.11忘れた「原発維持」
「3・11は世界を変えた。ところが第二次安倍政権。発足早々、何の議論もないままに、原発の早期再稼働はおろか、新増設にも含みを持たすとは。福島の被害は続くのに、もうあの衝撃を忘れたか。
あまりにも乱暴すぎる転換だ。自民党は何ら変わってはいないのではないか、そう思われても仕方ない。」と3つの理由をあげている。
①福島の惨事につながる半世紀以上に及ぶ自らの原子力推進政策への検証と反省もないうちに、拙速な再稼働を考えるのは危険であり、それこそ無責任。
②国民の多くは原発推進を支持していない。
③強引な再稼働を企てる前に、福島事故の収拾、被災者救済、自然エネルギーの開発促進、立地地域の新たな雇用創出などこそ、最優先されるべき。
実は、2006年に吉井英勝前衆院議員が地震や津波で原発が重大な事態に陥るとして対策を求める質問主意書にたいし、「そうした事例はない」「大丈夫だ」との無責任な答弁書を出し、何の対応もしなかったのは、当時の安倍晋三首相。経産大臣は甘利明政氏。その布陣の復活である。福島事故「A級戦犯」として真摯に反省し、福島県の全原発の廃炉を決定することからはじめるべき。
【原発維持方針 3・11をもう忘れたか 社説 東京新聞12/28】
【新政権に廃炉要求へ 県内全原発で知事 福島民友12/28】
【安倍首相福島入り、原発視察=復興へ決意訴え 時事12/29】
【「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書」と「答弁書」06】
【原発維持方針 3・11をもう忘れたか 社説 東京新聞12/28】3・11は世界を変えた。ところが第二次安倍政権。発足早々、何の議論もないままに、原発の早期再稼働はおろか、新増設にも含みを持たすとは。福島の被害は続くのに、もうあの衝撃を忘れたか。
あまりにも乱暴すぎる転換だ。自民党は何ら変わってはいないのではないか、そう思われても仕方ない。
言いたいことは三つある。
一つ目は、世界有数の地震国日本に原子力を持ち込んで、五十基を超す原発を立地したのは、ほかならぬ自民党政権だったということだ。核のごみの後始末も考えないままに、である。
自民党が進めた国策という土壌の中で原子力ムラが醸成され、安全神話が誕生し、福島の惨事につながったのではなかったか。
福島の苦悩は終わっていない。多くの県民が仮設住宅で、二度目の新年を迎えることになる。
半世紀以上に及ぶ自らの原子力推進政策への検証と反省もないうちに、拙速な再稼働を考えるのは危険であり、それこそ無責任ではないか。
日本原子力発電敦賀原発は、原子力規制委員会が活断層の存在を確認し、大地震の影響を受ける恐れがあるとした場所だ。
その敦賀原発にさえ増設の含みを残すとすれば、規制委員会の科学的判断と独立性を脅かす意図すらあるということか。
次は、国民の多くは原発推進を支持していないという点だ。
自民党は、先の衆院選には大勝した。しかし、原発の是非を争点にするのを避けたのか、公約では「再稼働の是非は三年以内に結論を出す」と言葉を濁し、推進を打ち出してはいない。国民の多数は原発推進を選択してはいない。
一方、民主党の「二〇三〇年代原発ゼロ」は、各種世論調査でも国民の過半が支持した政策だ。それを軽々しく覆すことこそ、背信といえるだろう。
三つ目は、いま強引な再稼働を企てる前に、現実的な方策を示せということだ。
核のごみは行き場がなく、使用済み燃料を再利用する核燃サイクルもままならない。核不拡散など米国との交渉が必要というのなら、まず国民に向かって説明してほしい。危険と隣り合わせにいるのは国民なのである。
福島事故の収拾、被災者の早期救済、あるいは自然エネルギーの開発促進はもとより、立地地域の新たな雇用創出などこそ、最優先されるべきではないか。
【新政権に廃炉要求へ 県内全原発で知事 福島民友12/28】佐藤雄平知事は27日、県庁で定例記者会見を開き、26日に発足した安倍政権に対し、今後の取り扱いが決まっていない東京電力福島第1原発5、6号機と第2原発1~4号機を含む県内の原発全10基の廃炉を求める考えを示した。
安倍政権の閣僚は、原子力規制委員会が安全性を確認した原発については再稼働を進めていく姿勢を示している。佐藤知事は「(県内)原発の全基廃炉を求める決意は決して変わらない。新政権に対しても強く廃炉を求めていく」と強調した。
佐藤知事はまた、本県の復興政策に関連し「国策としてエネルギー政策を進めてきた国が責務をしっかりと果たし、復興を前に進めてほしい」と注文を付けた。
現在運転を停止している原発について、茂木敏充経済産業相は27日、地元自治体の理解を前提に「政府の責任で再稼働を決めていきたい」との見解を示しており、安倍政権の原子力政策の動向が注目されている。
【安倍首相福島入り、原発視察=復興へ決意訴え 時事12/29】安倍晋三首相は29日午前、放射能漏れ事故を起こした東京電力福島第1原発(福島県大熊、双葉両町)を視察するため、同県入りした。首相は事故処理に当たっている作業員を激励し、1~4号機の廃炉作業の進み具合などを確認。就任後初の視察先に福島を選ぶことで、東日本大震災からの復興に取り組む決意をアピールしたい考えだ。
首相は第1原発視察に先立ち、事故処理の活動拠点となっている同県楢葉町の「Jヴィレッジ」を訪問。午後は同県川内村などを訪れ、事故で避難を強いられている住民の要望を聞く。
第1原発では、放射性物質を除去できる新たな設備の建設状況や、プールから取り出した燃料を運ぶための「乾式キャスク(容器)」の保管工事などを見て回る。
首相は、自民党総裁に就任した後の今年10月にも第1原発を視察。第2次安倍内閣の発足に際し、震災からの復興を重視すると表明した。(2012/12/29-08:33)
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