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福島「事故収束」1年 高線量・汚染水、作業員不足   

 高線量で内部の状況が把握できない、汚染水が増え続ける。一方、「収束宣言」を契機に作業員の待遇が悪化、人が集まらない状況。「収束宣言」の撤回が必要。国会事故調の報告もたなざらしである。次々と見つかる活断層。  「再稼働」云々の前に、福島事故とあらためて正面から向き合う必要がある。産経の記事はちょっと以外!  一方、「電気新聞」は「廃炉に向けて、確かな一歩を踏み出せた1年」と極めて楽観的。
【福島第1原発「冷温停止」から1年…炉内把握なお困難、汚染水との闘い続く 産経12/16】
【人が集まらない 福島「収束宣言」から1年 原発作業暗転 東京12/18】
【福島第一冷温停止から1年 廃炉に向け一歩 電気新聞 12/18】
 

【福島第1原発「冷温停止」から1年…炉内把握なお困難、汚染水との闘い続く 12/16】

 東京電力福島第1原発事故で、野田佳彦首相が原子炉の「冷温停止状態」を達成したとして“事故収束”を宣言してから、16日で丸1年になる。30~40年かかる廃炉作業には1日約3千人の作業員が従事している。ただ、高い放射線量の影響で炉内の正確な把握はいまだ困難な状況で、冷温停止を維持するために増える汚染水との闘いも続いている。(原子力取材班)

◆タンクびっしり

 事故直後に温度計上限の400度を超えた原子炉の温度は現在、約25~40度にまで下がった。その冷温停止状態を支えているのが「循環注水冷却システム」だ。炉内に水を注入し、使用した水は放射性物質を取り除いた後、再び冷却水として利用する。
 毎時17トンの水を注入するが、原子炉が損傷しているため、1日約400トンの水が原子炉建屋地下に流出、これに地下水も流入し汚染水はたまる一方だ。こうした水は敷地内のタンクに保管するが、設置済みのタンクは計約800基で、総容量約27万トン分のうち残りは約4万トンだけ。タンク敷設のため森林を伐採し用地を確保、今後2年間で約70万トン分を増設する予定だ。
 汚染水を減らすための新装置の導入も急ぐ。セシウム1種だけしか除去できなかった装置に加え、放射性物質62種類の濃度を下げる能力がある多核種除去装置(アルプス)も年明けには本格稼働する見込み。

◆損傷状況分からず

 1~3号機から出る放射性物質の量は事故直後から、約8千万分の1に激減した。ただ、原子炉建屋の中は高線量の場所が多数あり、損傷状況も明確に分かっていない。
 今年10月に内視鏡で撮影した1号機格納容器内の映像では、配管などがさびていたが汚染水が漏れだしている損傷箇所は見つからなかった。しかし、内部の放射線量は毎時約11シーベルト。1時間で死に至るレベルで、人が入って作業できる状態ではない。
 2号機も今年3月の調査では毎時約73シーベルトで、内視鏡も十数時間で使い物にならなくなったほどだ。
 原子炉内で調査や修理などができるロボットの開発も進むが、高い放射線量にさらされればロボットも壊れてしまう。

◆燃料取り出し課題

 冷温停止宣言後に、国と東電は廃炉に向けた工程表を公表。工程表は3期に分かれており、(1)燃料貯蔵プールからの燃料取り出し開始(2年以内)(2)原子炉からの燃料取り出し開始(10年以内)(3)廃炉終了(30~40年)-という計画だ。
 細かな変更はあるものの、計画は現在のところ順調。特に、危険性が指摘されている4号機の燃料貯蔵プールでは、今年7月に2体の未使用燃料の試験的な取り出しに成功した。残りの燃料についても、当初よりも1年前倒しして平成26年末には取り出しが完了できる見通しとなっている。
 ただ、1~4号機のプールには新燃料も含め約3100体の燃料がある。線量の高い使用済み燃料の取り出しには特に注意が必要だ。1、3号機のプールにはいまなお多くのがれきが積もっており、クレーンでの遠隔操作による作業は困難が予想される。
 国会事故調委員長だった政策研究大学院大学の黒川清教授は「事故は今も継続しているという認識を持ち、独立した第三者によって厳しく監視されるべきである」と指摘している。

 【用語解説】冷温停止
 通常の原発では、原子炉内の温度が100度未満になり燃料が安定冷却できていることを指す。事故を起こした福島第1原発は原子炉が壊れ、溶融した燃料の状態も分からなかった。このため政府は、(1)原子炉圧力容器下部の温度が100度以下(2)原発敷地境界の被曝線量が年1ミリシーベルト以下-の条件を満たすことを「冷温停止状態」と定義した。


【人が集まらない 福島「収束宣言」から1年 原発作業暗転 東京12/18】

 一年前の十二月十六日、政府が突然、東京電力福島第一原発の「事故収束」を宣言した。被ばく線量が高い作業が今後増えるにもかかわらず、宣言を境に危険手当の打ち切りや給料カットが相次ぎ、作業員の待遇が悪化。最近では作業員が集まらなくなっている。廃炉への道は遠く、民主党から政権を奪い返した自民、公明両党には厳しい現実とどう向き合うのかが問われている。 (片山夏子)
 給料は手取りで月額二十万円に届くかどうか。危険手当はなし。寮もなし-。
 福島県いわき市のハローワークで福島第一の求人を調べると、こんな実情が浮かび上がった。コンクリートを流し込む枠を作る型枠大工など技術や経験のある人は月四十万円以上と高いが、他の職種は多かれ少なかれ被ばくするのに給料が安い。大半が年収三百万円にとても満たない。
 二十件ほどの求人情報を見ていくと、危険手当の記載は一件だけで一日わずか二千円。ほとんどのケースで宿泊費は自分で負担しなければならない。
 警戒区域内に事務所があった下請け会社の社長はこの秋、作業員を募集したが一人も決まらなかった。「福島での除染や清掃、軽作業など」として募集したが、連絡があった人に福島第一での作業と伝えたとたん「原発は嫌だ」と断られた。
 社長が求人で出した日給は一万~一万数千円。「危険手当を上乗せしたいが、(上位の下請け会社から)もらっていない。被ばくするし、もっと出したいがぎりぎり。これ以上条件が悪化したらどうしたらいいのか」と頭を抱えた。条件悪化が進んだのは、「あの耳を疑った収束宣言の後」という。
 宣言までは、いわき市などの旅館で共同生活をしながら働く作業員が多かったが、宣言後は危険手当が出なくなり、旅館を引き払うように求められるケースが増えた。自らも避難者である作業員も多く、仮設住宅は遠いため、宿泊は重要な労働条件の一つになる。
 東電が福島第一でもコスト削減に躍起になり、そのしわ寄せは下請けに行く。別の下請け会社の社長は、上位の会社から給与の引き下げを言われ、「従業員の社会保険も払えないぐらい会社はぎりぎり。これ以上下がったらやっていけない」と嘆いた。
 今後、福島第一では建屋内の被ばく線量が高い作業が増える。作業員の「五年で一〇〇ミリシーベルト」の線量限度を守るには、特定の人が被ばくしないよう、ローテーションできる人数が必要になる。
 東電は、今後は必要とされる作業員数が減り、事故後に福島第一で働く従事者登録した人が延べ約二万四千人いるとして、作業員は足りると強調する。
 福島第一で長年働いてきたベテラン作業員は、総選挙を受け「宣言後、労働環境が悪くなった。(新政権は)福島第一で働く人間のことを忘れず、収束作業が進むように現場をバックアップしてほしい」と願いを語った。
(東京新聞)


【福島第一冷温停止から1年 廃炉に向け一歩 電気新聞 12/18】

政府と東京電力が福島第一原子力発電所の「冷温停止状態」を宣言してから、16日で1年を迎えた。昨年末の状況と比べると、福島第一の廃炉作業は確実に前進した。4号機では使用済み燃料の取り出しに向けた原子炉建屋カバーの建設が進んでおり、3号機もカバーの設計がほぼ固まった。1、2号機では原子炉格納容器内の調査を実施し、線量や水位などの状況がつかめてきた。汚染水問題についても、新設備の導入により中長期の処理計画が見通せるようになった。30~40年の歳月を要する廃炉に向けて、確かな一歩を踏み出せた1年だった。

使用済み燃料については、水素爆発で損傷した原子炉建屋から発電所内の共用プールへ移送する計画が大きく進展した。最多の1533体の燃料が保管されている4号機では、建屋最上階やプール内に散乱したがれきの撤去作業が完了。7月には新燃料(未照射燃料)2体の試験取り出しにも成功し、構造健全性が保たれていることを確認できた。
現在は燃料取り出し用クレーンを備えた建屋カバーの建設が進んでおり、来年11月中旬頃には燃料搬出を開始できる見通し。搬出完了時期も、当初の予定より1年前倒しとなる2014年末とすることが決まった。
一方の3号機では、建屋カバーの設計・施工計画がほぼ固まった。建屋をすっぽりと覆う巨大なカバーは、大型クレーンによる遠隔施工など最新鋭の建築技術を総動員して施工される。完成すれば使用済み燃料を安全に取り出す体制が整うほか、建屋からの放射性物質の放出をほぼなくすことが可能となる。
ただ、9月にはがれき撤去作業中に鉄骨がプール内に落下するトラブルが発生。作業に潜むリスクを再認識することとなった。この影響もあり、3号機のがれき撤去作業は今も道半ばの状況。今後はより厳重な安全管理を施すなどして、この課題を乗り越える必要がある。 (本紙1面より抜粋)

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