全原発が「立地審査指針」不適合/「稼働は困難」と規制委員長
ICRP基準では、原発から10キロ時点の「原発敷地境界」での年間被曝量の最大値を100mSV。日本の「原子炉立地審査指針」も07年、従来の250mSVから100mSVへ見直すべきとの中間報告がされている。ところが、規制委員会が行った拡散予測では、1週間分の被曝量で100mSVの範囲が30キロ内外となっており、現状では、既存の原発はすべて審査指針「不適合」となる。
田中・規制委員会委員長も「大変納得のいく質問」とのべ「一般論としてはご指摘のとおり」「基準を満たさないものは動かさない」と述べた。
【吉井衆院議員の質問/放射性物質の拡散予測をすれば既存原発すべて不適合/100mSV超】
そもそも「原子炉立地審査指針」は、「格納容器がこわれない」ことを前提にしている。だから非居住区域も原発敷地内におさまる、ということで建設をすすめた。
が、格納容器がこわれた。
福島第一原発では、3/11~3/31までの一番被曝の多かった時期のデータがなく、4/1~3/31までの累積被曝量は、最大で956mSVに達している
田中委員長も、福島原発事故のような放出量を仮定しなければならないような原発の稼働は「困難だ」とのべ、
個々の原発で安全対策、地位的条件が違うので1つ1つ審査して「基準を満たさないものは動かさない」と述べました
福島事故のような放出がおこらない対策とらなくてはならないと動かせないと、バックフィット規制に言及した。
福島事故は、放出された死の灰は、炉内の1割程度。福島レベルで収まる保証もない。が、行政論の立場から言っても存在できない施設なのである。
共同通信によれば、伊方3号機のベント装置設置は、15年度末、1号・2号は未定・・・
審査指針に対応できる対策(たとえば、フランスの最新型は、格納容器が2重)、活断層の再調査、実際に30キロ圏内の住民が東西南北いずれの方向にでも25時間以内に避難できる対策の確立
・ ・・・行政論的にいっても、何年も原発は動かせない。
その間、巨大な固定費のかかる原発は、赤字を生み出し続け、電力会社は、死に体となる・・・一刻も早く廃炉のスキームをつくるしかない。
【放射性物質の拡散予測をすれば既存原発すべて不適合/100ミリシーベルト超 吉井英勝11/8】日本共産党の吉井英勝議員は11月7日の衆院経済産業委員会で、原子力規制委員会が発表した放射性物質拡散予測によっても、旧原子力安全委員会が設けた原発敷地境界での放射線量の基準値100ミリシーベルトをすべての原発が超えることを示し、「日本の全原発が審査指針に不適合になる」とただしました。
原子力規制委員会の田中俊一委員長は「一般論としてはご指摘のとおり」だと認め、「基準を満たさないものは動かさない」と述べました。
吉井氏は、福島原発敷地境界では年間で956ミリシーベルトに達しており、今回の拡散予測でも、すべての原発で10キロ以遠の地点でも1週間累積で100ミリシーベルトを超えていることを指摘し、不適合となるのは明らかだと強調しました。
田中委員長は「大変納得できる質問だ」と述べ、福島原発事故のような放出量を仮定しなければならないような原発の稼働は「困難だ」と表明するとともに、放射能放出量を防ぐためにどうすべきかバックフィット(遡及〈そきゅう〉適用)規定を含めて検討していると答えました。
また吉井氏は大間原発(青森県)について、設置許可や工事認可が完了しているとして建設続行を認めた問題を追及。運転を認めると「2030年代稼働ゼロ」とはならないと批判し、「大飯原発以外の全原発を行政指導で再稼働を差し止めている。行政指導で大間原発の建設再開を止めることはできる」とただしました。
枝野幸男経産相は、認可ずみの原発建設停止は「行政指導できる範囲を逸脱する」として立法措置が必要だと答弁しました。
I. 原子炉立地審査指針1. 基本的考え方
1.1 原則的立地条件原子炉は、どこに設置されるにしても、事故を起さないように設計、建設、運転及び保守を行わなければならないことは当然のことであるが、なお万一の事故に備え、公衆の安全を確保するためには、原則的に次のような立地条件が必要である。
(1)大きな事故の要因となるような事象、例えば立地場所で極めて大きな地震、津波、洪水や台風などの自然現象が過去になかったことはもちろん、将来にもあるとは考えられないこと。 また、災害を拡大するような事象も少ないこと。これは例えば隣接して人口の大きな都市や大きな産業施設があるかとか、陸、海、空の交通の状況などの社会環境や、地盤が軟弱といった自然条件を考慮することである。
(2) 原子炉は、「その安全防護施設との関連において」十分に公衆から離れていること。例えば、原子炉からの気体廃棄物を処理するため、活性炭式希ガスホールドアップ装置や放射性塵埃を除去するための各種のフィルターがもうけられているが、その能力と容量は原子炉から公衆の敷地境界までの距離を考慮して、平常時は勿論、事故時にも基準値または規制値以上の放射線被曝を公衆に与えないように設計し管理されていることを要求するものである。
(3) 原子炉の敷地は、その周辺も含め、必要に応じて公衆に適切な措置が講じられる環境にあること。これは敷地が十分な広さをもち、周辺もそれほど過密でなく、万一の場合には退避等が可能なことを意味している。
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