「負担軽減」は配備中止・基地閉鎖 沖縄紙・社説
野田主張が知事会で、オスプレイ訓練について「全国で負担を分かち合う必要がある」と述べたことに対し琉球新報が沖縄の声として“沖縄県民の本当の願いはオスプレイ配備中止・普天間そのものの閉鎖・撤去だ。”と主張。
沖縄タイムスは、ニューヨーク・タイムズ社説が“日米地位協定の改定と在沖米軍のハワイ、グアムなど県外移設が不可欠”と述べていることを紹介している。
【本土訓練計画 危険分散が根本解決なのか 琉球新報11/4】
【米紙社説「地位協定の改定必要」 沖縄タイムス11/4】
【本土訓練計画 危険分散が根本解決なのか 琉球新報・社説11/4】森本敏防衛相が全国知事会議で、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの低空飛行などの訓練が、本土の米軍施設で11月から始まるとの見通しを示した。山口県の岩国基地、静岡県のキャンプ富士などを使用するが、詳細な飛行ルートや訓練時期、頻度は明らかになっていない。
本土でのオスプレイ訓練について、野田佳彦首相も「全国で負担を分かち合う必要がある」と、会議で協力を要請した。協力要請は首相のリーダーシップを示した形だが、「欠陥機」の懸念が拭えない中、安全に責任を持てるのか。県民が求めているのは配備中止であり、認識の隔たりはあまりに大きい。
オスプレイの県内配備から1カ月余が経過した。日米で申し合わせていた住宅密集地上空の飛行や夜間の飛行は避ける、などの事項は物の見事にほごにされている。訓練と称し、コンクリート塊をつり下げて飛行を行うなど、機体の危険性に訓練の危険性も加わり、県民の恐怖を倍加させている。
本土で訓練が行われるようになれば、危険の火の粉は全国に降りかかる。国民を危険にさらす日米安保体制とは何なのか。
米軍がオスプレイの普天間配備に当たって作成した環境審査報告書には、低空飛行訓練で使用する本州、四国、九州の計6ルートを明示。中国山地付近を通るルートも想定されている。北は青森から南は熊本、宮崎にまで及ぶ。
このルートはあくまでも低空飛行訓練で使用するもので、訓練区域までの移動を考えれば、全国の空を飛行するだろう。外国の軍用機が縦横無尽に飛び交う国が主権国家と言えるのだろうか。
この現実と各自治体の首長は真剣に向き合ってほしい。住民の生命と財産を守るため、どう対応すべきかは自明なはずだ。日米両政府に、沖縄県と共にオスプレイの国内配備中止を求めてもらいたい。
沖縄県民の本当の願いはオスプレイ訓練の移転・分散化ではない。本土での訓練計画は、これまで構造的な差別下にあった沖縄にとっても、実質的な差別解消にはつながらない。常時、人命、人権を脅かされるのは沖縄だからだ。
県民が求めているものは、普天間そのものの閉鎖・撤去だ。政府は、本気で「負担軽減」を言うなら普天間の即時閉鎖にこそ力を注ぐべきだ。
【米紙社説「地位協定の改定必要」 沖縄タイムス11/4】【平安名純代・米国特約記者】
米紙ニューヨーク・タイムズは3日付で「沖縄の怒り」と題する社説を掲載した。相次ぐ米兵による事件で「沖縄県民は怒りを表現する形容詞が不足する状況に達している」などと緊張の高まりを指摘した上で、沖縄の懸念に迅速に対応するには、日米地位協定の改定と在沖米軍の県外移設が不可欠とし、沖縄の異議を真剣に受け止めない米政府の対応に警鐘を鳴らしている。
同紙は、相次ぐ米兵らの事件で、米軍普天間飛行場への海兵隊垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備ですでに炎症を起こしていた島の緊張がさらに悪化したと指摘。一方で、在沖米軍の地理的優位性を説く日米両政府に対し、県民の見解は無関係だと受け止めているといった温度差なども説明した。
また、2米兵暴行事件では、米当局が謝罪や夜間外出禁止を発令したものの、仲井真弘多知事は日本の司法制度下での裁判を可能にする日米地位協定の改定を求めていると指摘。こうした要請に対し「米国防総省は抵抗するだろう」との同紙の見解を示した上で、地域の安定に在日米軍の継続的駐留の重要性を主張する米政府は「沖縄の正当な懸念に迅速に対処する必要がある」とした。
米軍をより厳しい監督下に置くだけでなく、在沖米軍を日本本土やハワイ、グアムなど県外へ移動させる必要があるとの主張を展開し、日米両政府は、沖縄が唱えている異議を真剣に受け止める必要性があると説いた。
社説は、9月に掲載された「沖縄のオスプレイ」を執筆したアンドリュー・ローゼンタル論説委員が執筆した。
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