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「農林漁業」破壊の消費税

 消費増税の影響は、その需要が家計消費支出に負う割合の高い産業分野が大きい。
 総務省の「産業連関表」で、生産活動の家計消費度をみると、一位「食料・飲料・たばこ」90%弱、二位「農林漁業」80%弱。労働運動総合研究所の試算によると、増税に伴う国内生産の減少は一位「食料・飲料・たばこ」4・4%、二位「農林漁業」が3・9%。---と農林漁業は最も大きな影響を受ける部門である。
  高知県の「産業振興計画」の基盤は、農林漁業であり、環境や県土保全などの点でも、その影響は深刻である。
【主張・消費増税はTPPと同根の輸出大企業本位の悪政だ 現代農業7月号】
http://www.ruralnet.or.jp/syutyo/2012/201207.htm
=大分・下郷農業協同組合代表理事・組合長 矢崎和廣さん 全国商工新聞9/13】


 一方、輸出産業は影響が少ないうえに、隠れた補助金である「還付金」(税収の3割、3.4兆円を収奪)が倍化する。5%増税分13.5兆円と説明されるが、「還付金」(約1.2%)と、行政経費への消費税分(1%)で半分近くは消える。
消費税の本質は、間接税でなく、赤字の事業体にも課税される事業税であり、「間接税」の扱いにされているのは輸出企業へ「還付金」という補助金を出すためである。
【消費税は間接税ではない〜赤字でも課税される事業税(メモ) 2012/7】

【主張・消費増税はTPPと同根の輸出大企業本位の悪政だ】   農文協発行・月刊「現代農業」2012年7月号より   ◆食料・農業は消費増税の最大の被害部門!  ――TPP反対と軌を一にした阻止の運動を

 輸出大企業にはやさしく、いのちや健康を守る医療・福祉には冷たい消費増税は、同じくいのちや健康のもとである食料・農業、それを担う農家経営にも決して小さくない負の影響を及ぼすことが予想される。
 消費税は、年間売上が1000万円を超える事業者に納税義務のある税だが、
(1)仕入に係る消費税は確実に上がる一方、販売価格への転嫁は容易ではないこと、(2)その原因でもあるが、勤労者世帯全体の給与所得の低迷や格差拡大に伴う新たな貧困層の増大により、買い控えや安い輸入農産物へのシフトが起きて国内農産物への需要そのものが減少しかねないこと、などにより課税農家はもちろん、非課税農家にも大きな影響が懸念されるのである(かかる増税に伴う貧困層などの輸入農産物へのシフト圧力が、お門違いにもTPP推進の口実に使われる危険性があることにも注意が必要だ)。

 じっさい、消費増税の影響は、その需要が家計消費支出に負う割合の高い産業分野が大きく、輸出に負う分野は小さい。前者の代表が食料、農業なのである。総務省から公表されている「産業連関表」によると、生産活動の70%以上を家計消費に依存している分野は「食料・飲料・たばこ」が90%弱でトップ、「農林漁業」が80%弱で第2位、以下「個人サービス」「金融・保険・不動産」部門となっており、これらが消費増税の影響を大きく受ける部門である。一方、「機械機器及び金属製品」部門と「工業用原料(重工業)」部門は輸出への依存度が高く、影響は小さい。

 その結果、労働運動総合研究所の試算によると、増税に伴う国内生産の減少は「食料・飲料・たばこ」がトップで4・4%、次いで「農林漁業」が3・9%で2位、以下、概して中小・個人など地場企業が多い個人サービス、商業、運輸、生活関連部門が3%台などで続く。それに対して、大企業の多い「機械機器および金属製品」は0・88%、「工業用原料(重工業)」1・0%と影響が小さい(総務省統計局「平成17年産業連関表」に基づいて労働総研が計算。同総研「消費税10%でGDP2・5%低下、雇用100万人以上減少――大企業に有利、低所得者と中小企業を直撃」より)。

 かくして輸出産業は売上減が軽微なだけでなく、増税によってそれを補って余りある還付金が激増し笑いが止まらない。まさに消費増税は、いのちと健康を犠牲にし地域経済を冷やし、輸出大企業のみ栄える背徳の税制にほかならないのである。TPP推進と表裏一体の大企業優先、理不尽、不当な消費増税に、TPP阻止の運動と一体になってノーの声を上げたい。

【消費税増税 農産物の売り上げ減は確実 =大分・下郷農業協同組合代表理事・組合長 矢崎和廣さん 全国商工新聞9/13】

 もし、消費税が10%になったら、私たちの作った野菜・肉、加工品の売り上げは確実に減少します。3%の導入時も、5%に引き上げられた時も売れなくなりました。10%の影響は計り知れません。
 下郷農協は、組合員数500人と極めて小規模。1948年の設立以来、農薬や化学肥料を使わない有機農法にこだわってきました。そのため、害虫駆除だけで半日がかり。ビニールハウスも使わず自然の気象条件の下で栽培する露地栽培が基本なので、生産効率も良くありません。
 しかし、本来の農業のあり方を模索し、食の安心・安全を追求していくことが、私たちの使命だと自負しています。
 難しいのは価格です。手間がかかる分、普通より高くなります。組合員に少しでも多く還元したいのですが、競争を考えると価格を抑えざるを得ません。その結果、消費税分をまともに転嫁(上乗せ)できない状況です。消費税が10%になったら、事業の継続すら危なくなるかもしれません。
 大分県では303の農協が創立されましたが、輸入や大規模・効率化の優先により、現在残ったのは6しかありません。
 地産地消を進める運動で「身土不二」というスローガンがあります。仏教用語ですが、「地元の旬のものを食べると体に良い」という意味で使われています。アトピーなどアレルギーや子どもがキレる問題など、添加物が体に蓄積された影響によるものだとの指摘があります。食の安全が今こそ求められているのではないでしょうか。
 環境、地域経済、広くは国土を守るためにも、私たちの有機農業を発展させたい。財源がないというのであれば、農業予算に倍する軍事費をまず削ればいい。国土を破壊する戦車や戦闘機こそ事業仕分けをするべきです。

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