「舟券売り場」と東西軸エリア活性化

　追手筋とグリンロードの北東角に、入交キャピタルが「場外舟権売り場」を設置するとして、住民説明会をはじめている。
　同地域は、高知県と高知市が共同で活性化をすすめる東西軸エリアに位置する。全国でも場外舟権売り場建設は、地元住民やＰＴＡ関係者などの反対で中止になったりしている。国土交通省の担当者は「途中で中止になった例は大変多いこと、地元の町内会が同意しても、周辺の反対を考慮して市長が同意しなかった例も多々ある」と述べている。
　そこで東西エリア活性化との関係を中心に考えてみた。

①東西軸エリア活性化プランとの関係
　プランは、県を代表する「まちの顔」とも呼べるエリア。「高知らしさ」にこだわり、高知の強み--歴史、文化、食--を余すことなく活用し、多くの人が集まり、誰もがゆっくりと、楽しみながら気ままに「まちぶら」できるエリアの再構築をめざしている。

◇強み（魅力）を余すことなく活用する　　　　歴史、文化、食
① 全国でも数少ない現存天守を誇る「高知城」
② 全国的に有名な歌謡曲で知られる「はりまや橋」
③ 坂本龍馬に代表される「土佐の偉人」
④ ３００年以上の歴史を有する「日曜市」
⑤ 全国的な祭りとして定着した「よさこい祭り」
⑥ 有名漫画家の輩出やまんが甲子園の開催などに代表される「まんが文化」
⑦ 東西にわたるアーケードを有する商店街の「おまち文化」
⑧ ひろめ市場や土佐のおきゃくなどの「土佐の食文化」
⑨ かつおのたたきなど郷土料理や素材などの「土佐の食のうまさ」

　そのために、「官民協働の取り組みの推進」として
●県民・市民の共通認識の醸成、中心商店街を誇れる県民の「おまち」として残していく意識づくり
●共通の問題意識を持って取り組む関係者間のまとまりの形成、関係者間の合意づくり

・その内容から言って「舟券売り場」がふさわしい施設なのか
・活性化プランを推進するために、県民･市民の支持と地元に支持される商店街づくりの努力がカギとなっているが、「舟券売り場」は、県民・市民の支持を失う内容ではないか。

②地元の合意
・「当該場外発売場の所在する市町村の自治会（町内会）」とは「設置場所を区域とする自治会（町内会）および設置によって影響を受ける範囲を考えており、個々具体的事例により判断される」
　「東西軸エリア」という特別な地域であり、合意すべき範囲は狭く限定すべきではない。

③自治体の長の同意
・文教施設および医療施設から適当な距離を有し、文教上または衛生上著しい支障をきたすおそれの無いこと
→　追手前高校、新堀小学校の通学路に面している。また新図書館にも近い。
　　この規定から言っても同意されるべき施設ではない。

・東西軸エリア活性化との関係、近接する学校の生徒の保護者など懸念を考えれば、説明会は広く開かれ、民主的手続きを徹底すべきである。が、２３日の説明会で、３自治会のみに限られ、市民を代表する議員の傍聴をも排除して実施された。
　市民無視で強行しようとする姿勢は、同意に値しない。

・事業者の入交キャピタルの代表取締役は、入交建設の代表取締会長でもある。四国整備局の、官製談合では、県内大手企業のほとんどが関わっていることが明かになっている（県調査　Ａランク２６社中２１社、）。入交建設が官製談合に加わっていることが明確になれば、「同意」に県民・市民が納得するはずがない。

・当然、東西軸エリア活性化を共同してすすめる県知事とも意見調整をするべきである。

③経済効果に疑問
・東西軸エリア活性化プランに、そぐわない施設。活性化プランを損なう。
・市の運営する高知競輪は危機的な状況にある。競合する施設であることは明白。その点からも判断すべき。

【参考】

岐阜県関市では、建設反対の「青少年育成関係４団体の要望書」を見てみたい。　
　
「青少年育成関係４団体の要望書

平成２３年１２月１６日
　
　関市青少年健全育成協議会　会長　略
　　関市少年補導員連絡協議会　会長　略
　　関市ＰＴＡ連合会　　　　　会長　略
　　関市子ども会育成協議会　　会長　略　

設置された場合の問題点として、

一、児童・生徒の通学路であり、登校上の危険性が増加する
二、県施設百年公園に隣接し、青少年の目につき易い
三、チラシ、舟券、業界新聞等の散乱、放置の発生
四、興味本位による青少年の購入機会を与える
五、営業時間が休日、深夜に亘る可能性がある
六、高速道路、国道２４８号線バイパスへの交通渋滞を発生させる
七、設置許可すると、同一類の業種が乱立する可能性が生じる
八、関市の玄関口であり、初めて訪れる人に不健全なイメージを抱かせる
九、小学校、高等学校並びに大学が所在する文教地区には不適切であり、ふさわしくない