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前回の南海地震との違い〜長期浸水に「車両火災」

 高知市は、南海地震による地盤沈降で、長期浸水する世界でも有名な都市である。前回の南海地震と大きく違うのは、大量の車両の存在。
 3日放送のクローズアップ現代は「東日本大震災では津波火災による焼失面積は東京ドーム120個分といわれています。燃えている車が津波に押し流され、近くの住宅や建物に激突し、車の火が建物に移り2次災害、3次災害を引き起こしました」「安全なはずの避難所にも襲いかかりました。各地で避難所が燃え上がり、人々が逃げ惑う事態となりました」と放送した。
 県を中心に漁業用タンク、農業用タンクの対策がすすめられているが、東日本大震災の津波火災の32・3%が車両によるもの。その車両が集中し、しかも長期浸水・・・燃えた油が水面にひろがり・・・ということが起こらないか。 以下のようなレポートも見つけた。極めて厳しい話であり、何をどう考えていくか・・・
【クローズアップ現代  津波火災 知られざる脅威  2012/9/3】
【東日本大震災に伴う火災の調査から得られる教訓  田中哮義(京都大学防災研究所)】

【東日本大震災に伴う火災の調査から得られる教訓  田中哮義(京都大学防災研究所)】 (図は略)

(3) 出火原因

今回の津波火災における出火原因の多くは今後の解明に委ねられなければならない。気仙沼では、タンクの破壊によって流出した石油に着火した原因については明らかでないが、市街地火災を起こした原因は油火災の漂流である。一方、大槌町や山田町では、津波で流されてきた家屋に何らかの原因で火災を起こしていたものが含まれており、これから延焼が生じた。また、石巻市門脇地区の火災では車両が出火源となった。この地区では、津波警報により住民が避難場所に指定されていた小学校に避難していたが、校庭には住民が乗ってきた乗用車が多数駐車されていた。そこに津波が押し寄せてきたため、車が激しく打つかり合い、出火したと言われる。
その火は避難場所である小学校に延焼し、拡大して焼損してしまった。

(4) 避難場所に対する火災の危険

 上述の石巻市門脇地区では、小学校の裏が幸い高台になっていたため、避難していた住民は学校から出て高台の斜面をよじ登り避難出来たが、危うい所であった。
 
 小学校が周囲の火災から延焼を受けてしまったケースは大槌町でも発生している。また、最終的に延焼は受けなかったものの、指定避難場所となっていた小学校が延焼の危険に曝されたケースは仙台市でもあったと言われている。更に、北後等(神戸大学)の調査によれば、指定避難場所に火災の危険が迫ったため、他に避難しなおしたケースは各所にあったらしい。

 このような事実は、現在津波に対する避難手段として検討され、既に建設例がある津波避難ビルに対しても、津波に対してのみでなく、火災危険に対する考慮が必須であることを示している。実際、大量の可燃物の集積は各所で見られるばかりでなく、津波はこのような可燃物をご丁寧にも建物中に押し込んで去ることも少なくない。しかも油つきの場合もある。

 運よく背後に高台があった石巻市門脇小学校のようなケースでは火災の危険が迫ったとき逃げられたが、もし、平地の中にある津波避難ビルが気仙沼のような火災に曝されたら、ビルは瓦礫の山と浸水とに囲まれていることでもあり、確実に助かると言うシナリオを描くのは困難と考えられる。

(5) 消火に伴う困難

 津波火災の調査において改めて認識したことに火災が発生した場合の消火の困難性がある。気仙沼のケースでは油火災が漂流して押し寄せて来たようであるから例外かも知れないが、その他のケースでは、最初は大きな火災ではなく、通常時なら容易に消火出来た可能性がある。しかしふんだんにあるので消火は容易というイメージに反して、瓦礫に海の中で、消防車も消火栓も使えず、しかも津波の危険の中では、成す術もないうちに拡大して、津波に耐えた家屋も巻き込みながら拡大してしまっている。実際、どういう消火あるいは延焼阻止の手段があるのか、これといったアイデアを思いつかない。

(6) 産業施設の被害

 住居の多くは木造家屋であったため、津波よってバラバラに破壊され、あるいは土台から引きちぎられて流されてしまったものが多数に上る。

 しかし、水産業を始めとする業務施設の多くはRC 造、または鉄骨造であり、外壁や内装は酷い被害を免れ得なかったとはいえ、構造本体自体は津波に耐えたものもかなりあった様に思われる。

 確かに、施設内の設備や周囲の瓦礫の処理は大変困難な問題であるが、火災被害を受けなければ、再建は遥かに容易だったのではなかろうか?その意味では、今回の津波火災は三陸の産業復興にとって大きな痛手だった可能性がある。

 三陸地方の主要産業である水産業への痛手の点では、船舶の喪失や造船業のも深刻であったと思われる。この津波で失われた船舶は18,000 隻とも言われるが、その大半は津波にさらわれて漂流したものであり、被災地の各所に陸上に上がって放置されたままになっている船舶が見られる。しかし、気仙沼では火災によっても多数の船舶が被害を受けた。図9はその一部であるが、火災さえなければ全く健全であったように見える。


【クローズアップ現代    津波火災 知られざる脅威  2012/9/3 より】

 南海トラフ被害想定で抜け落ちてる「津波火災」〜 火を噴きながら流される自動車

◆火災が発生した場所の特徴
・東北各地で調査を行ってきた名古屋大学の廣井悠(ひろい・ゆう)
・火災は高台で津波がせき止められた場所に集中。岩手県大槌町でも津波が高台でせき止められ、火災が発生。
・頑丈な建物が危険。高台と同じように自動車や、がれきをせき止めてしまう。
・東日本大震災の津波火災の32・3%が車両によるもの

◆海水とガソリン混じると水素発生し引火
・宮城県仙台消防局の実権
・海水には塩化ナトリウムが含まれ、これにガソリンが入ると水素を発生し、発火するリスクが高くなる。

◆津波のときに自動車火災を防ぐ方法。
関沢愛(東京理科大学教授)
・まずエンジンをかけない。車を動かさない。
・車のバッテリーのマイナス極を外す(海水を被ってもバッテリーの中で水素は発生しない)
→ そんなことが避難時に可能がどうか別にして・・(メモ者)

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