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世界を脅かす4号機問題~元スイス大使が首相に書簡

 飯田哲也氏が、村田光平元スイス大使が昨日(9/5)に野田首相に送った書簡を、ご本人の了解を得て、共有・拡散している。
 「世界を脅かすこの問題への対応を東電に委ねて国として最大限の対応をしていないこと、そして放射能汚染による加害国としての罪悪感に欠けることについて海外から厳しい目が向けられ出している」「福島事故以後も原発推進体制が改められることなく、原発輸出、再稼働などにより不道徳の烙印を押されたも同然の日本の名誉は大きく傷つけられております。」と国の全責任での4号機問題への対応、原発ゼロ政策への確立を訴えている。

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野田佳彦内閣総理大臣殿 平成24年9月5日 村田光平

拝啓
 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

 ご報告申し上げた通り、去る8月31日のアーニー・ガンダーセン氏の院内での講演会で、二つの重要な事実が判明いたしました。

 第一に世界が安全保障問題として注目するに至っている4号機問題につき、経産省及び東電の課長クラスの実務責任者が事故後1年半を経て全く理解しておらず、最悪の場合、燃料棒が大気中で燃焼する可能性を一切想定せず、対策も考えていなかったことです。議場が罵声と怒号で包まれたのは当然です。全国から反響に接しております。ご賢察の通り事故処理への対応は、このような実態をさらけ出した現体制では到底十分とは言えません。

 第二にアーニー・ガンダーセン氏は、4号機の未使用の202体の燃料棒集合体及びすでに放射線の低くなっている600体を合わせて1533体の3分の2は今からでも取り出せる旨、そしてその作業が終わる1年半ぐらい後には残りの取り出しが可能となると指摘しました。来年末まで待つことなく作業を始められるとの見解が示されたのです。現場で事故処理に携わる会社の責任者も予算を東電の担当者に半分に削られたりする現状を改め、国が全責任を担う体制にすればガンダーセン氏の提言に沿うことは困難が伴うことはあっても可能との見方をこのほど私に述べております。

 4号機について、フランスの有力誌「ル・ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール」は先月掲載した記事の中で「最悪の事故はこれから起きる」とする記事を掲載しました。この記事では、北澤宏一元JST理事長など、同施設のデータを分析した専門家を取材、北半球全体が長期にわたって深刻な汚染にさらされ、現代日本は滅亡すると指摘する声を伝えております。 
 また同誌は、この事態の危険性を日本の政府やマスコミはいっさい伝えないが、欧米諸国では早くから危惧されてきており、米上院、エネルギー委員会の有力メンバーであるロン・ワイデン議員は昨年6月、ヒラリー・クリントン国務長官に深刻な状況を報告したと指摘しております。

 去る8月24日より3日間、広島で開催された核戦争防止国際医師会議[IPPNW]の世界大会に出席しスピーチをしてまいりましたが、海外からの4号機問題への関心は高まる一方です。世界を脅かすこの問題への対応を東電に委ねて国として最大限の対応をしていないこと、そして放射能汚染による加害国としての罪悪感に欠けることについて海外から厳しい目が向けられ出していることを同大会に出席して強く感じました。

 以上を踏まえ、次の諸点を要望させていただきます。

Ⅰ.原発ゼロ政策の確立
2.事故収拾については国が全責任を負い4号機からの燃料棒集合体取り出しの作業を早急に開始すること
3.人類の叡智を動員するため中立評価委員会及び国際技術協力委員会を設置すること
4.福島事故の教訓は原発事故は人類が受容できない惨禍であることを立証するものであり、そのような可能性は完全にゼロにする必要があることを世界に発信すること

 原発は倫理と責任の欠如に深く結びついたものであるとの認識が、急速に国際に広がりつつあります。福島事故以後も原発推進体制が改められることなく、原発輸出、再稼働などにより不道徳の烙印を押されたも同然の日本の名誉は大きく傷つけられております。

 貴総理がこの際、強力な指導力を発揮され、広島、長崎、そして福島を経験した日本として当然打ち出すべきものと世界から期待されている脱原発政策の確立を実現され、日本の名誉を挽回されるよう心からお願い申しあげます。

 貴総理のご健闘とご自愛をお祈り申し上げます。
敬具

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