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消費税増税 企業の67%、業績に「悪影響」帝国データバンク

 消費税増税の影響について、帝国データバンクの調査。“企業の67.1%が消費税率引き上げによる業績への「悪影響」を懸念”し、“国内消費、8割超の企業が税率引き上げ後に「縮小する」と認識”・・・ 
 結局、国内消費縮小、業績悪化→ 賃下げ、首切り → 国内消費縮小、業績悪化、という負のスパイラルがいっそう拡大。さらに大企業は、販売不振でも株主利益を確保・拡大する経営方針をとっており、労働者・取引企業への犠牲転嫁はいっそう苛烈となり、負のスパイラルを加速させる。ということになる。

【消費税率引き上げ、企業の67.1%が業績に「悪影響」~ 税率引き上げ後の国内消費、企業の8割超が「縮小」を懸念 ~8/3】


 悪影響について“消費者に最も近い業界である『小売』と、食料品の生産を担う『農・林・水産』で業績への影響を懸念する企業が特に多いことがうかがえる” また、“規模が小さい企業ほど税負担の上昇を懸念しており、値下げ要請にも直面すると考えている”とのこと。

  小売、一次産業、小さい企業・・・地方の経済・社会を支えている柱であり、地域社会が崩壊していくのではないか。

◆調査期間は2012年7月19日~31日。調査対象は全国2万2,800社で、有効回答企業数は2万3,099社で、有効回答企業数は1万637社(回答率46.0%)。

◆調査結果
・企業の67.1%が消費税率引き上げによる業績への「悪影響」を懸念
 税率引き上げで、業績への「悪影響」を懸念する企業は67.1%。特に、『小売』で8割を超える。

・影響理由、「税負担の上昇」が最多、「販売価格に転嫁できない」も約4割
 業績への影響理由について、49.7%が「税負担の上昇」を挙げる。「販売価格に転嫁できない」も39.2%に。特に税負担増は小規模企業で高い。

・二段階での税率引き上げ、25.1%が業績に与える影響度合が「強まる」
 税率の一段階引き上げと比べて、二段階での引き上げで業績への影響が「強まる」と考える企業は25.1%。企業のリスク懸念を払拭する施策が必要。

・価格転嫁、「すべて転嫁できる」31.1%、「まったく転嫁できない」も1割超
 税率引き上げ分を価格に「すべて転嫁できる」企業は31.1%。一方、「まったく転嫁できない」も多く、不公正取引への対処を万全にすることが肝要。

・国内消費、8割超の企業が税率引き上げ後に「縮小する」と認識
企業の86.1%が税率引き上げ後に国内消費が「縮小する」と認識。消費マインドの悪化を懸念する声も多く挙がる


◆企業の67.1%が消費税率引き上げによる業績への「悪影響」を懸念
 消費税率が引き上げられた場合、自社の業績にどのような影響を与えると思うか尋ねたところ、「悪影響」と回答した企業が1万637社中5,901社、構成比55.5%で最多となった。「かなり悪影響」(同11.7%、1,241社)とあわせると、消費税率の引き上げによって業績に悪影響があると考える企業は同67.1%(7,142社)で3社に2社にのぼる。一方、「影響はない」は同15.9%(1,693社)と1割台にとどまった。また、「好影響」計は同2.0%(211社)と非常に少数となっている(「好影響」(同1.2%、127社)と「かなり好影響」(同0.8%、84社)の合計)。
「悪影響」計を業界別にみると、『小売』が最も高く同86.6%(399社)であったほか、『農・林・水産』(同79.5%、35社)も8割近い高水準となった(4ページ参考表1参照)。消費者に最も近い業界である『小売』と、食料品の生産を担う『農・林・水産』で業績への影響を懸念する企業が特に多いことがうかがえる。

◆影響理由、「税負担の上昇」が最多、「販売価格に転嫁できない」も約4割
 消費税率引き上げによる業績への影響について回答のあった企業9,046社(「分からない」を除く)にその理由を尋ねたところ、「税負担の上昇」が同49.7%(4,497社。複数回答、以下同)となり、半数近くの企業が税負担を挙げた。次いで、「販売価格に転嫁できない」(同39.2%、3,548社)、「駆け込み需要後の反動減が大きい」(同32.9%、2,973社)、「納入価格の値下げ要請」(同32.8%、2,969社)が続き、いずれも3割を超えた。
 業界別にみると、「税負担の上昇」では『不動産』(同60.1%、140社)が高く、6割を超えて全体を10.4ポイント上回った(5ページ参考表2参照)。また、『小売』では「税負担の上昇」(同56.6%、245社)、「販売価格に転嫁できない」(同50.3%、218社)が半数を超え、「駆け込み需要後の反動減が大きい」(同47.6%、206社)も5割近くに達している。
 規模別では、「税負担の上昇」が「大企業」で同42.3%(870社)だったのに対し、「中小企業」は同51.9%(3,627社)と半数を超え、とりわけ「小規模企業」では同57.4%(1,227社)となり、「大企業」を15.1ポイント上回った。また、「納入価格の値下げ要請」は「小規模企業」で同35.6%(691社)に達し、「大企業」(同28.6%、588社)を7.0ポイント上回っている。規模が小さい企業ほど税負担の上昇を懸念しており、値下げ要請にも直面すると考えている様子がうかがえる。一方、「大企業」では「税額の端数処理(システム改修を含む)」が同17.9%(369社)で2割近くとなっており、規模が大きくなるほど消費税の端数処理コストに懸念を抱く傾向が強い。

◆二段階での税率引き上げ、25.1%が業績に与える影響度合が「強まる」
 今回の消費税率引き上げ法案では、2014年4月に8%へ、2015年10月に10%へと二段階で引き上げることになっている。そこで、消費税率引き上げにより業績に影響があると回答した企業7,353社に、税率引き上げが二段階に分けられることによる業績への影響度合は、一段階で10%まで引き上げられる場合と比べてどの程度異なると思うか尋ねたところ、「影響の度合は変わらない」が同34.0%(2,503社)で最多となった。しかしながら、一方で、「影響の度合が強まる」と回答した企業も同25.1%(1,849社)となっており、4社に1社は消費税が二段階で引き上げられることにより業績への影響度合がより強まると考えている。また、「影響の度合が弱まる」は同19.1%(1,405社)で約2割となった。
 業界別では『小売』(同29.2%、118社)で「影響の度合が強まる」と考えている企業が多い(5ページ参考表3参照)。また、業績への影響別にみると、好影響と回答した企業ほど「影響の度合が弱まる」(同21.8%、46社)と考えていることが明らかとなった。消費税率を二段階で引き上げることをあらかじめ明示したうえで実施することは日本で初めての経験であり、企業業績に予期しない形で影響が現れる可能性がある。とりわけ、悪影響の度合が強まることや好影響の度合が弱まるという結果も出ているなか、消費税率の二段階引き上げが企業の経営計画のリスクになる懸念を払拭するような行政の取り組みが求められる。

◆価格転嫁、「すべて転嫁できる」は31.1%、「まったく転嫁できない」も1割超
 消費税率が10%に引き上げられた後、自社ではどの程度、税率引き上げ分を販売価格に転嫁できると思うか尋ねたところ、「すべて転嫁できる」と回答した企業は1万637社中3,304社、構成比31.1%と3割程度にとどまった。以下、「8割程度」(同15.9%、1,695社)、「5割程度」(同12.8%、1,357社)、「3割程度」(同5.4%、573社)、「まったく転嫁できない」(同10.1%、1,073社)となった。3社に1社が税率引き上げ分の一部しか価格に転嫁できないと考えており(同34.1%、3,625社)、まったく転嫁できないという企業も1割超にのぼる。
 価格転嫁について「分からない」も24.8%あり、見方は分かれている。ただ、税率引き上げ分を価格に転嫁できない企業では、利益の縮小で吸収せざるを得ないケースが多く生まれる可能性がある。政府は、消費税率引き上げ時における便乗値上げの防止とともに、価格転嫁要請の拒否といった不公正取引への対処を万全に行うことが肝要である。
 大規模設備投資、企業の26.1%が前倒しで実施する一方で3.7%が「中止」、小規模投資は8%への税率引き上げ前に前倒しする企業が多い
 消費税率の引き上げに際して、自社の事務所や工場、商用車など大規模な設備投資計画を前倒しして実施する場合の時期について尋ねたところ、1万637社中2,772社、構成比26.1%が「設備投資の前倒しを実施」するという結果となった。また、「消費税率の引き上げは設備投資の実施時期に影響を与えない(前倒ししない)」は同14.7%(1,562社)の企業が回答した。一方、消費税率の引き上げによって「設備投資を中止する」という企業も同3.7%(392社)あった。大規模設備投資が前倒しされるなかで、設備投資をやめる企業も一定程度あり、中長期的にみて生産活動の下押し要因として働く可能性がある。
 他方、事務機器(PCなど)や備品といった小規模な設備投資について、いずれかの時期に小規模な設備投資を前倒しして実施すると考えている企業は33.9%と3社に1社に達する。小規模投資は大規模投資より前倒しして実施する企業が多い。

◆国内消費、8割超の企業が税率引き上げ後に「縮小する」と認識
 消費税率引き上げ後の国内消費動向について尋ねたところ、「やや縮小する」と回答した企業は1万637社中5,971社、構成比56.1%と半数超となった。また「大幅に縮小する」も同29.9%(3,183社)と3割近くになっており、税率引き上げ後に国内消費が縮小すると考えている企業は9割近くに上った(同86.1%、9,154社)。逆に、「拡大する」は同1.0%(109社)と非常に少なく、「影響はない」も同4.4%(472社)にとどまった。
 企業からは、「消費税は先取り税なので、増税分だけ購買力が低減し、マクロ経済にブレーキがかかる」(金物卸売、東京都)など税構造にともなう消費への影響や「不景気なときに増税をすると間違いなく消費は低迷する」(スポーツ用品卸売、大阪府)、「可処分所得が減少するなかで、これ以上増税すると、消費マインドがさらに冷え込む」(中古品小売、静岡県)といった消費マインドの悪化を懸念する声が多く挙げられた。
 消費税率の引き上げにともない、業績への悪影響を懸念する企業は多く、価格への転嫁を完全に行える企業は3割程度にとどまる。また、税率引き上げ後の消費縮小への懸念も大きい。本来、消費税は業績に対して中立的であるものの、厳しい経済環境が続いているなかで現実にはさまざまな問題が生じるうえ、二段階引き上げというこれまで経験していない新たな要素もある。企業からは「段階的な税率アップは零細企業にとってシステム改修など大きな負担になる」(出版、東京都)といった意見も挙がっており、政府は消費税率引き上げを円滑に進めるためにも企業の実態を把握し、適切な施策を実施していく必要がある。


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