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「歴史の見方と今の情勢をどうみるか」学習会(メモ)

 7日、高商連事務局交流会で、学習協の立場で、「歴史の見方と今の情勢をどうみるか」ということで、約1時間話す機会があった。
科学的社会主義の理論に触れたことのないメンバーもいるということで注文を受けた。ざっくりとした話、また私自身が先輩から教わった「組織とは」をアレンジし、かなり自由な話となった。

 その話用のメモ

 レジュメ・資料は
 201207071

201207072

「歴史の見方と今の情勢をどうみるか」 

                                     高商連事務局交流会2012.7.7

はじめに

 消費税増税法案と社会保障解体推進法案の衆院可決、大飯原発再稼動、オスプレイ配備など、国民の多数が反対の声を無視する民主、自民・公明の暴走。「国民生活が第一」という政権交代から、3年間で、より悪い政治が復活した。

*情勢「今、物事がどのように動いていて、今後どうなっていきそうかという、状況の流れや方向」のこと。
 「歴史の見方」とは、大きな流れをつかむことで、その歴史の中に今がある。と言う関係。
運動団体の情勢の見方 「眺める」のではなく、どこに運動の未来の芽があるか、実践的な見方。


Ⅰ 視野を「時間的」「空間的」に広げてみると・・・

(1)この100年余の巨大な変化
 (おじいさん、ひおじいさんの生きた時代、手の届く感じのする時代だが) 

①国民主権が当たり前に
  ・20世紀はじめ 実質的独立国は20あまり。 現在193カ国
  ・女性参政権 1カ国       184カ国

② 働くルール、社会保障
  ・19世紀 イギリス工場法 労働時間を制限
  ・20世紀初頭  イギリス 失業保険、無拠出の年金
  ・ロシア革命   8時間労働、男女平等、社会保障 /ILO設立「人たるに値する労働」   
  ・1930年代   フランス人民戦線内閣  有給休暇 4-5週間
  ・戦後      国際人権規約、女性差別撤廃条約 

③地球温暖化対策、持続可能な社会づくりの合意(92年 地球サミット) 

(2)今…世界の変化

①アラブの春など市民主導の民主化運動 (サハラ以南の民主化が土台)  
②南米の左翼政権  アメリカの裏庭    中南米カリブ機構の誕生
    IMF路線(緊縮・規制緩和)による貧困拡大、経済財政破たんへの抵抗運動
③欧州 反緊縮路線での政権交代
   イタリア、アイルランド、ポルトガル、スペイン、スロベニア、スロバキア、ギリシャ、フランス
④アメリカ  軍事費削減 10年間で34兆円 富裕層増税 10年間で117兆円
⑤G7から、G20、G193へ  

(3)この100年余 ざっくり言っていえるのは・・・

①個人の尊厳・自由、各国の平等 民主主義は普遍的に前進
②働くルール、社会保障の大局としての前進
③多国籍企業を中心として80年代からの「逆流」(規制緩和、緊縮財政)
そのゆきづまり(リーマンショック、欧州金融危機)、路線転換のたたかいの高揚

 〜 これらの変化は自動的におこったのではなく、悪政に対し、人としての尊厳、当たり前の生活を求める人々の大きな運動を通じて一進一退をくりかえしながら勝ち取ってきたもの。
 
★失業保険、年金のはじまり・・・ 
・19世紀末から長期の不況。貧困が拡大し、イギリスで労働運動、社会運動が高揚
・これにあわてた資本家側うった対策  〜 「貧困は怠け者だからではない」という調査結果
・障害者、高齢者の非正規雇用 「生きるためにどんな条件でも働く」「かわりはいくらでもいるぞ」
・失業保険、職業紹介所、無拠出年金 〜 労働力の安売りの防止。労働市場を労働者側に有利にした。

→ 生活保護はじめセーフティネットの充実は、国民がたたかう土台。     


Ⅱ 情勢の現局面をどう見るか

(1)世界的に、市場原理主義のゆきづまり   
・企業は競争に勝つために人件費(直接給与)や税と社会保険料負担(間接賃金)の削減に血道
  一企業の行動としては「正解」だが、社会全体では「購買力」の低下、不況の拡大という「過ち」
・貧困の拡大と金余り・投機マネーの横行という矛盾

【ダボス会議会長】
・「金持ちクラブ」と言われる「ダボス会議」(1月)創始者のシュワブ会長は、金融危機が繰り返され、失業や貧富格差が解消しないのは、「時代遅れの資本主義」が背景にあると指摘。雇用や食料、気候変動など幅広い問題に対処する「新たなモデル」構築を呼び掛けている。

【財界系シンクタンク】
「春闘は4%の賃上げを目指せ 富士通総研2010/11 「不可欠な消費者の購買力の向上」
日本に必要な成長戦略とは「賃上げターゲット」政策だ 日鉄技術情報センター 20110/10
「デフレと賃下げの悪循環」脱却に向け 日本総合研究所 2011/2

【南米、ASEANの教訓】
・ブラジル 「貧困層に現金を配り、最低賃金を引き上げて貧富の格差の問題に挑んだ。3割を占めた貧困層が10%台に減り、中間層が人口の半分に。約2億人の国民が買い物を始めた。」 ~ 89年国家破たんの危機、2400億ドルの対外借金をかかえていたが、07年に返済。初の債権国に転換した。(「躍動するブラジル/街中にあふれる好景気」 朝日2011/9/13夕刊)

・「東南アジア諸国連合の主要国が、個人消費や投資など内需を成長のエンジン役に据え始めた。人口の多いインドネシアは堅調な個人消費が寄与し高成長が続く。逆に輸出主導のタイやシンガポールは経済成長率が前期比でマイナスに陥った。タイやマレーシアは最低賃金の引き上げで消費を底上げし、成長の持続を狙う。」(日経2011/9/1)

【ILO 2012レポート】  「緊縮の罠」から抜け出せ
「多くのユーロ圏諸国が財政緊縮に狭い焦点を当てていることが雇用危機を悪化させ、欧州の新たな景気後退を導く危険性があるのに対し、仕事を中心に据えたマクロ経済政策を選択した国は経済・社会面でより良い結果を達成している」。

【国連 2009年スティグリッツ報告】 
「今日の危機を招いた根元が公共経済の弱まり(社会福祉の削減、雇用の不安定化による総需要の縮小等)にあり、その克服のためには公共経済を強めてゆくことが喫緊の課題となっている。」
「危機は、自由な市場は必ずしも効率的でも、安定的でも、自己修正的でもないことを明らかにした。これらの信念に基づいた自由化と規制緩和の政策は、危機をもたらし、危機をあっという間に世界に拡げた。」

〜 「わかっちゃいるけどやめられない」  利益第一の企業の魂 /社会が強制する

(2)「原発安全神話」崩壊 ~ 浮き彫りにした政治の構造

①「財界」という存在
・分野別委員会を持って政策提言  1603人 70~80の各種委員会
・3割以上が外国資本       

② 国民主権のもとで、「財界いいなり」政治をどうつくってきたか

◇政治  献金、ぐるみ選挙、政財官ゆ着。 選挙制度改悪
・自民支持の長期低下 民主党 03年に自由党と民主党の合併、京セラ稲盛会長 
・「優先政策事項」10項目による5段階での「財界通信簿」献金の斡旋。

◇マスコミ、教育・御用学者  
・労働基本権・社会権などを教えない

・「原発安全神話」  
 電気事業連合会広報部長『電力産業の新しい挑戦』(1983年)
  巨額の広告料を武器に大手マスコミを、「安全神話」を浸透させる舞台として抱き込んだ

・中学校教科書・育鵬社版『新しいみんなの公民』(今年4月から使用)
      「エネルギー供給は、原子力発電が約3分の1」「温暖化の原因となる二酸化炭素をほとん    
      ど出さず、原料となるウランをくり返し利用できる利点があり」「安全性や放射性廃棄物の  
      処理・処分に配慮しながら、増大するエネルギー需要をまかなうものとして期待されています」
        →テストに出れば、原発は「期待されて」いると回答しなくてはならない。
・消費税増税 「決められない政治」と叱咤激励 
       高額所得者が優遇されている税の実態は一切報道しない。

  〜テレビはすべて企業がスポンサー、新聞の収入の半分は広告代(政党助成金も、還流)

(3)ツィッターデモ 「あじさい革命」

・再稼動反対 15日、1万人 22日 4.5万人 29人 10数万人
    「マスコミにだまされない」〜 自ら情報を得て、つながって、自ら行動、市民の怒り    

    再稼動は電力会社救済のためが大きな認識に 〜 財界中心の政治へのめざめ

・オスプレイ反対、TPP反対  〜 アメリカ言いなり政治(大型店の規制緩和〜 アメリカの要求)
  「反対もできない」政府〜沖縄と本土の連帯の芽 沖縄知事「全基地閉鎖に向かう」、渉外知事会
  TPP オール北海道などの運動。農協、医師会の反対
       〜 政権交代でぐるみ選挙の枠がなくなった

・消費税増税   減らない反対の声/生活の実感  、

【日本チェーンストア協会】、【全国商工会連合会】
  6/26 「税率の引き上げにあたっては、経済状況の判断を行うこととなっているが、地方の商工業者、生活者にも十分に景気回復の実感が行き届かない状況で実施することは避けるべきである。」(全商連)

【日本弁護士会】  「社会保障制度改革推進法案に反対する会長声明」 6/25
 「国の責任を、「家族相互及び国民相互の助け合いの仕組み」を通じた個人の自立の支援に矮小化するものであり(2条1号)、国による生存権保障及び社会保障制度の理念そのものを否定するに等しく、日本国憲法25条1項及び2項に抵触するおそれがある。」「財源の確保は、憲法13条、14条、25条、29条などから導かれる応能負担原則の下、所得再分配や資産課税の強化等の担税力のあるところからなされなければならない」

【医師会】 国民皆保険が崩されることに懸念。「給付範囲の縮小、国民が受けられる医療の格差拡大につながらないよう、日本医師会としてしっかりと注視します。」

・さまざまな可能性
 民主党分裂(国民の声の反映)内閣不信任の可決で増税法案パーの事態も…/ 51人に対し47人
 参院、可決しても実施までに約2年   〜 郵政民営化では、「凍結法」が可決。

(4)激動期、大きな模索 〜 3つの政治体験

   ①「自民もだめ、民主もだめ」「小沢新党も期待できない」〜 新たな道の模索
      閉塞感から維新の会、石原新党への期待も… 
   ②3.11後、政府やマスコミは信用できない  
   ③様々な問題の根幹に 財界中心、アメリカいいなりの政治があることが浮き彫りに
 
Ⅲ 求められる組織者の役割 〜 明るく元気で本気で

(1)怒りを組織する「本気」 〜  いま普通の市民がたちあがっている

・「怒り疲れ」から、あらためて新鮮に
・自信と誇りをもって
   その土台は、民商さんをはじめ地道に運動してきた運動。
   その方向は、くらしを応援し、経済を再生させ、財政再建の展望ひらく運動、日本を救う運動 
  
(2)楽しくないと人は集まらない /ただでさえ厳しい日常  

 ・笑うのもたたかい、工夫
 ・共同性は人間の本質 〜 人間だけが白目を持つ

◇NHKスペシャル「ヒューマン なぜ人間になれたのか」
 考古学・人類学・動物学・脳科学・心理学の最新研究から「人間を人間たらしめているものは何か」をさぐったものだが・・それは「協力する力」「助け合う力」にあるというもの。

・「相手の気持ちを読む」という特異な能力  笑顔の力 イラク戦場での経験
イラクの宗教的指導者に和解を求めるために来たアメリカ軍を民衆が指導者が殺されると勘違いして,一触即発の危機に。/米兵司令官は「Everybody,Smile!!」/笑顔を見て,敵意がないと理解し平和的な解決に。

 〜言葉も通じない他人同士が,笑顔で敵味方を悟るのも人間の特徴。

・戦後にアメリカで示された論文(1952)
 「親のいない幼児」を育てる施設。91人の赤ちゃんのうち3人に1人以上(37%)が2歳まで死亡した。
栄養と衛生環境は完璧。原因は「lack of all connect(つながり感の欠如)」。施設中では、幼児への「話しかけ」はほとんど行われておらず、「孤独」であった。
 人間は、「孤独」に耐え切れない。協力してしか生き抜くことができなかった人類の歴史の所産である。

◇多数のビジネス書や講演をしているプラチナビジネス塾の古川ひろのりさん
経済人とし「まさに開花を続ける人には同じ特徴があると思う」と、「あいうえお」に整理。
 (あ)明るく
 (い)活き活きと
 (う)上を向いて
 (え)笑顔で
 (お)おもしろい  
 
 これには、いきいきとした組織をつくるという点で共通する特徴がある (他にも様々な例あり)。

 ついでに「かきくけこ」人間にはなりたくない
 (か) かたくなで
 (き) きまぐれで
 (く) 暗くて
 (け) ケチで
 (こ) こわい
 

(3)展望を語る力
 
  ①未来があるから人間 「明日がある」の歌 アウシュビッツ 「夜と霧」心理学者フランクル
  
  ②本気でおこる、笑う・・・持続した情熱を支えるもの
      喜怒哀楽 〜 右脳の機能  「対応発現」、左脳によるモノの認識がスタート
        幼児「今泣いたカラスがもう笑う」/「今、ここ」の認識
       対象への深い認識.が、喜怒哀楽の質を深める。
      情勢の見方が大事になる   学習、討論、実際の行動(自分の狭さの克服)
   
  ③地域が注目される時代に  例えば・・・         
    7月 自然エネルギー固定価格買取制度がスタート 小規模地域分散  
    原発ゼロのたたかいが生み出した地域経済再生の枠組み~ 
    ドイツの1/10  世界の投資10年前1兆円、今25兆円、10年後200兆円
        高知県 四国電力に払っている電気代805億円  /市民ファンド

 (4)情報革命に対応を  
 
  中東やアフリカの民主化、「ウォール街占拠」運動でも大きな役割発揮

 おわりに

・展望つかみ、勇気・元気を与え、仲間とつながる。だまされない力をつける〜組織・機関紙の重要な役割

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