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「より持続可能な方法でどう生産性を高めるか」がカギ 農業アウトルック2012    

 米猛暑の影響で、大豆ミール、大豆、トウモロコシの価格が史上最高値。小麦も1年ぶりに8ドル台。穀物在庫の減少、食料危機などの報道が続く。
11日付けでアップされたOECD、FAOの「農業アウトルック2012」は、「2050 年までに生産を 60%増やす必要がある」が「耕作地の拡大余地は限られている」「全農地の25%が非常に劣化」しており、「生産性の向上による増産」が必要だが「持続可能性の改善が極めて重要」としている。

 同報告で触れている農業用水不足の深刻化については3月に、国連が農業用水も「2050年までに19%増加する必要がある」が、「増加分の大半は、既に水不足に見舞われている地域で必要」と「不足が悪化する見通し」としている。

 そんななか日本の一次産業を壊滅させるTPP参加を表明しようとする野田政権。人類的な犯罪行為と言える。

【OECD-FAO 農業アウトルック2012 日本語要約 7/11】
【世界の農業用水不足が深刻化か、食料需要拡大で-国連報告書 ブルームバーグ3/12】

【OECD-FAO 農業アウトルック2012 日本語要約】

本報告書は「農業アウトルック」の第18 版で、国連食糧農業機関(FAO)との共著となって第8 版である。
• 本報告書は、OECD とFAO の農産物、政策、国別の専門知識と、協力を得ている加盟各国からの情報を結集したものである。本報告書では、バイオ燃料、穀物、油糧種子、砂糖、食肉、魚、乳製品の2012~2021 年における世界市場動向が掲載されているほか、これらの農産物市場における最近の動き、主要な問題、及び不確実性などの評価も盛り込まれている。
• OECD のAGLINK モデルとFAO のCOSIMO モデルを基にして共同開発されたモデリングシステムによって、予測の整合性が促進されている。今年の報告書では、持続可能な方法で農業生産性の伸びを高めるという課題が特集されている。

【アウトルックの概要】

 価格は最近のピークを下回っているものの、開発途上国では食品価格の高騰が依然として懸念材料となっている近年の「OECD-FAO 農業アウトルック」は、高水準かつ変動しやすい農産物価格に注目し、価格は市場の反応に伴い低下するが、根強い需要が続き一部の投入財コストが上昇していることによって、高い状態が続くと強調している。予想どおり、価格は下がり始めたが、依然として比較的高い水準にある。小売レベルの食品価格インフレは2008 年のピーク時から大幅に低下しており、全面的なインフレへの寄与度は弱まっている。
 それでもなお、食品価格インフレは多くの開発途上国で高い水準にあり、大半の調査対象国では今もインフレ全体の上昇ペースを上回っている。

◆持続可能な生産性の向上が需要増に応える鍵

 価格変動は引き続き懸念材料となっており、在庫が今後も低水準で推移する限り、気候による生産量の変動が主な脅威となる。穀物生産の回復に伴い、在庫水準はいくぶん改善しており、2012 年の市場は落ち着いてきている模様である。世界の農業が直面している主要な問題は、食料、飼料、燃料、繊維の需要増に応えるべく、より持続可能な方法でどのように生産性を高めるかである。

◆価格の高い状態は続くと見込まれる

 本アウトルックで取り上げられている農産物の名目価格は、向こう10 年間にわたり上昇傾向が見込まれる。実質ベース(インフレ調整済み)の価格は横ばいか現行水準から低下すると見られるが、過去10 年間の価格を平均で10~30%上回る見込みである。

◆エネルギー価格の上昇が予測の主な基礎を構成

 世界の農業は、エネルギー市場との連動性を強めている。マクロ経済の想定に含まれている石油価格の予測は、昨年用いられた予測より平均で約25 米ドル高い(予測期間にわたり1 バレル110~140 米ドル)。こうした石油価格の上昇は、石油関連の生産コストに影響を及ぼすだけでなく、バイオ燃料やその生産に使用される原材料農産物の需要を増やすものとして、予想される農産物価格が高くなる基本的な要因となっている。

◆価格の上昇傾向にもかかわらず、資源逼迫とコスト高が生産の伸びを抑制

 価格高にもかかわらず、生産は伸び悩むと予想されている。世界農業生産の伸びは、過去数十年にわたり年率2%を超えているが、今後10 年間は年率1.7%へと鈍化する見込みである。資源逼迫の高まり、環境配慮への圧力、一部投入財のコスト上昇が、ほぼ全ての地域で供給を抑える見込みである。こうした状況から、本アウトルックは持続可能な農業生産性の伸びを高めることに一層注力するよう提案している。

◆開発途上国が引き続き市場動向を支配
 
 農地拡大と生産性向上への潜在力が強いことから、2021 年までの世界生産の伸びの主要な源泉となるのは開発途上国である。開発途上国の生産伸び率(年率)は、先進国の1.2%に対し、平均で1.9%となる見込みである。地球の人口は2021 年までに6 億8,000 万人増加する見込みであるが、最も人口伸び率が高いのはアフリカとインドである。所得の増加と都市化によって食生活が変化し、加工食品、脂肪、動物性蛋白の消費が増える。これによって、より高価な食肉や乳製品が好まれるようになり、家畜飼料向けの粗粒穀物や油糧種子への需要が間接的に高まることになる。

◆拡大する世界農業貿易で新興国がシェアを高める

 拡大する世界農業貿易で新興国がそのシェアを高める。シェア拡大が最も顕著なのは、農業生産力の拡大に向けて膨大な投資を行っているブラジル、インドネシア、タイ、ロシア連邦、ウクライナなどの国である。2021 年までには、開発途上国がコメ、油糧種子、植物・パーム油、オイルミール、砂糖、牛肉、家禽肉、魚、魚製品の輸出で大半を占めるようになる。


 【主な農産物について】

◆バイオ燃料の生産と貿易が拡大

 バイオエタノールとバイオディーゼルの世界全体の生産は2021 年までにほぼ倍増する見込みであるが、その生産はブラジル、米国、欧州連合(EU)に極めて集中する。バイオ燃料は主に農産物を原材料としているが、今後、バイオ燃料向けが世界生産に占めるシェアは上昇し、2021 年にはサトウキビ(34%)、植物油(16%)、粗粒穀物(14%)となる見込みである。

◆米国とブラジルの二国間エタノール貿易は増加する見込み

 政府による指令を受けて、米国とブラジルの間のバイオ燃料貿易は増加する見込みである。本アウトルックの予測によれば、米国は先進的バイオ燃料の使用義務化によって創出された国内需要に応える一助として、主にブラジルからサトウキビ由来のエタノールを輸入し、ブラジルは大量のフレックス燃料車による需要を満たすため、主に米国からトウモロコシ由来の低価格エタノールを輸入する。

◆黒海地域の役割が増す

 穀物の使用量に対する在庫量の比率は今後も過去の平均を下回り、将来の価格変動リスクをもたらす。ロシア連邦、ウクライナ、カザフスタンは、2021 年までに小麦輸出国としての重要性を格段に高める見込みであるが、この地域における生産が大幅に変動しやすいことは、世界貿易と世界的な価格変動に影響を及ぼす可能性がある。コメは、アジアの後発開発途上国からの輸出拡大とアフリカの輸入増が見込まれる。

◆中国は油糧種子の主要輸入国

 油糧種子の生産と輸出では、今後も今までと同じ供給国が支配的な地位を占めるが、ウクライナやパラグアイなどの新興輸出国も世界輸出の伸びに対する寄与度を高める見込みである。最大の輸入国である中国が、世界輸入全体の半分以上を占める。ブラジルの油糧種子の生産伸び率は、予測期間に年率4.9%から2%未満へと減速する見込みである。

◆ブラジルが世界砂糖市場を支配

 甘味資源作物の食品とエタノール向け需要は中期的には現状が維持され、砂糖価格は高止まりする。生産サイクルが今後もアジア砂糖市場の特徴となり、時折、大幅な貿易変動や価格変動をもたらす。ブラジルが砂糖市場で支配的な地位を占めているため、ブラジルがサトウキビ作物をエタノール向けと砂糖生産向けにどう配分するかが今後も市場を大きく左右する。

◆開発途上国の食肉消費量が拡大

 食肉需要は、主に、所得の大幅な伸びが見込まれるアジアの大国、原油輸出国、中南米で増加する。最も安価かつ入手しやすい肉蛋白質源としてこの予想される伸びを牽引するのは家禽肉で、予測期間末までに豚肉に代わって食肉部門の最大品目となる。

◆養殖が捕獲漁業を上回る

 魚肉生産は最も急成長している動物性蛋白質源のひとつである。世界の漁業・養殖生産は、予測期間に15%増が見込まれる。ただし、養殖生産は33%増が見込まれ、2018 年までに捕獲漁業を上回り最大の食用魚供給源となる。

◆開発途上国が最大の牛乳生産者となる

 先進国では、乳製品の消費はチーズと生鮮乳製品を除き小幅な増加が見込まれる一方、開発途上国では、全ての乳製品の消費が2021 年までに約30%増加すると予想される。開発途上国は、2013 年には牛乳生産で先進国を追い抜くと予測されているが、大幅に増加するのは中国とインドである。


 【変革の時 ― 長期予測】

◆2050 年までに生産を 60%増やす必要がある

 食料需要の増加に応えるには、今後40 年間で農業生産を60%増やす必要がある。これは、2050 年までに、2005~2007 年平均で穀物の年間生産量を10 億トン、食肉の年間生産量を2 億トン増やす必要がある、ということである。拡大するバイオ燃料生産向けの原材料についても生産を増やす必要がある。

◆生産性の向上による生産増が必要である

 世界的に、耕作地の拡大余地は限られている。総耕作地面積は、2050 年までにわずか6,900 万ヘクタール(5%未満)の増加にとどまる見込みである。過去50 年と同じように、生産性の向上によって生産を増やす必要がある。生産性を引き上げることは、資源制約が強まる中で食品価格を抑制していく上で極めて重要になるとともに、世界的な食料不安を軽減していく上でも主な要因となる。中期的な生産性の向上は、主に、開発途上国の生産性格差の縮小によってもたらされるかもしれないが、定型化されたシナリオによれば、原材料用作物の生産増加分の大半はバイオ燃料向けとなる見込みである。

◆持続可能性の改善が極めて重要

 同時に、有休地、水、海洋生態系、水産資源、森林、生物多様性の持続可能な利用を改善する必要性も高まっている。全農地の約25%は非常に劣化している。多くの国にとって、農業用水不足も現実に極めて深刻になっている。多くの水産資源は乱獲されているか、乱獲のリスクに晒されている。気候変動や極端な気象事象が増えるという意見も増えている。

◆政府は有効な環境を整備する必要がある

 本報告書で極めて重要な政策課題として特定されているのは、小農特有のニーズへの対応策を含む、作物栽培慣行の改善奨励、適切な商業・技術・規制環境の醸成、農業イノベーションシステム(研究、教育、普及、インフラなど)の強化などである。食品の無駄や廃棄物の削減策も、需要の増加に応え、供給網の生産性を改善する上で重要である。


【世界の農業用水不足が深刻化か、食料需要拡大で-国連報告書 ブルームバーグ3/12】

 3月12日(ブルームバーグ):世界の食料需要の拡大に対応するためには、農業用水が2050年までに19%増加する必要があるとの見通しを、国連が示した。増加分の大半は、既に水不足に見舞われている地域で必要とされる見通しだ。
12日発表された、4回目となる国連世界水資源開発報告書は「多くの国々で農業用水資源の供給は既に限られ不安定であり、不足が悪化する見通しだ」と指摘。「食料不足への懸念は世界中で強まっており、水資源はさらに多く必要とされるだろう」としている。
国連食糧農業機関(FAO)によると、世界人口は現時点の約70億人から2050年までに約93億人に増加すると予想されている。新興国の富裕層の食肉消費が増えているため、食料生産は70%拡大する必要がある。世界の農地の約25%は水資源の枯渇につながる集約農業により「大幅に劣化」しており、土壌の質の低下や浸食の悪化につながっている。
第6回世界水フォーラムが12日からフランスのマルセイユで始まり、各国の閣僚や産業界の代表、民間非営利団体(NPO)が資源管理や廃棄、健康上のリスク、気候変動について話し合う。 

 

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