廃炉、安全対策でも雇用創出 再稼動に反対した福井県議、おおい町議
原発維持する仕組みは、原発依存の地域経済においこんだことにある。一次産業の衰退による雇用の場の減少、また交付金による箱モノ行政(建設業の仕事づくり)と維持費の増加によるさらに増設へという… ますます依存を強めていく仕掛け。この問題をどうするか、原発ゼロに向かう上で、実は大きな問題。
「原発が止まったら、町は真っ暗になる」という推進側の宣伝。その点で、廃炉、安全対策で雇用を創出してる浜岡原発の例などを深める必要がある。再稼動に反対したおおい町議、県議の主張から・・・
また、県議会で再稼動に反対したさとう正雄県議は、3月1日の質問で、雇用の問題で以下のように質問している。
「二つ目に、原発政策の大転換期の中での雇用確保の問題です。
以前の質問でも指摘しましたように、原発立地自治体の電力などに偏った雇用構造からの脱却を、県も市町も真剣に考えなくてはならない時期が到来いたしました。しかし、当面どうするかと。
県議会厚生常任委員会では、浜岡原発と静岡県庁を視察しましたが、原発がすべて停止していても、雇用の悪化はないという回答に意外な気持ちがいたしました。その要因は、浜岡原発1号機・2号機の廃炉工事、そして福島原発事故を受けた対策工事としての土木事業などでありました。
そこで40年を超える老朽化原発は、運転再開が認められない状況があるわけですから、敦賀1号機、美浜1号機については、廃炉工事による雇用創出の観点からも、県として積極的に廃炉を求めていくべきであると考えますが、知事の見解をお尋ねします。」
【再稼働反対 町議会で一人 廃炉でも雇用創出 おおい町 猿橋巧議員に聞く 6/15】関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を容認する決議を5月14日に採択した、おおい町議会で、ただ一人反対した日本共産党の猿橋巧町議(58)に再稼働反対での奮闘ぶりを聞きました。(矢野昌弘)
おおい町議会での私の再稼働反対討論はインターネットの動画サイト・ユーチューブでも2000件以上視聴されて「よくいってくれた」の声が多く寄せられました。
◆安全第一
再稼働の議論にあたっては、安全性が一番の問題です。ところが議論は、雇用問題、経済問題、町財政へと当初の話からずれてきました。安全問題が何よりも前面に出て、話し合わなければならないのに、脇にながれてしまいました。
4月の住民説明会では大方の発言者が「安全性に不安がある」ということと「もっと慎重に」という意見でした。ところが議会は、住民の声を聞くと言いながら、実際には国と県の方ばかりみて、聞いていません。
この町では、原発関連で働く人がずいぶんおり、再稼働容認という意見の方もいます。
だけども、どなたも話の枕ことばに「安全性が確実に保たれてから」という言葉が共通します。それが確保できていないのに、再稼働するのは大問題です。このままでの再稼働はやめてくれという声が圧倒的です。◆対案あり
再稼働を推進する側は「原発が止まったら、町は真っ暗になる」という宣伝を広めました。住民の不安をあおるやり方です。それに対して私は具体的な対案をもって、わかりやすい反論を心がけてきました。
たとえば町の財政でいえば、電源3法交付金の補助金は、原発が停止中でも設備能力の8割を交付することが決められています。町の年間予算は約140億円です。同規模の自治体なら、40億円や50億円といったところです。おおい町は例えば2割減ったとしても110億円以上あるのです。たちまち町財政がゆきづまるというわけではないのです。
雇用にしても、使用済み燃料がサイト内にある限り、管理、運営する職員はいるのです。雇用ゼロなんてありえません。
雇用が創出されて働く場所があれば、あえて原発はいらないというのが住民大多数の本音です。
廃炉にしても、おおい町の雇用を支える展望はあります。一つは、廃炉ビジネスです。1基あたり800億円から1千億円と言われています。廃炉を決断すれば、その日から始まる事業です。2基の廃炉を決めた静岡県の浜岡原発では、すでに廃炉ビジネスが始まっていて、雇用も生まれ、財政効果が出ています。
私は町議7期目です。この間、一貫して原発の危険性を指摘してきました。たくさんの困難も経験しました。今後も、廃炉後の町づくりといった展望もしめしながら、再稼働中止の世論をつくっていきたいと思います。
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