オスプレイ欠陥証明 「人為ミス」で簡単に墜落
オスプレイが4月にモロッコで起こした墜落事故について、人為的ミスだったという見解を米政府が防衛省に示したが、簡単に「人為ミス」で墜落するというという構造的欠陥の証明。通常事故調査には1年かかるのに、二ヶ月でまとめあげた拙速調査。そんなものを鵜呑みにして配備を押し付けるなら、「防衛省」は「対米従属省」に名前を変更した方がよい。と琉球新報社説。
【墜落「人為ミス」 事故防げぬことの証明だ 琉球新報6/4】
【墜落「人為ミス」 事故防げぬことの証明だ 琉球新報6/4】これで安心だと思う人が世の中に存在するだろうか。垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが4月にモロッコで起こした墜落事故について、人為的ミスだったという見解を米政府が防衛省に示した。
事故はあくまで人為的ミスであり、機体に問題はないから普天間飛行場への今夏の配備計画は変更しないという。こんな状態で市街地の真ん中へ配備するとは、住民の生命軽視そのものだ。即座に配備予定を撤回しない限り、米軍は沖縄のすべての基地を失うことになりかねないと知るべきだ。そもそも、「人為的ミス」というが、操縦士の操作の失敗か、判断の誤りなのか、あるいは整備技術の問題か、どんなミスかは明らかにされていない。
かねて事故の多発が指摘されている機種なのに、これほど簡単に「人為的ミス」で墜落するのなら、逆に事故防止が非常に困難であることの証明ではないか。ほんの小さなミスが命取りになるという、構造的欠陥の証明ではないか。オスプレイは、エンジン停止時に回転翼が風圧で自動的に回り、揚力を得て着陸する「オートローテーション機能」を持たない。米国の国防分析研究所元主任分析官レックス・リボロ氏はその点を突いて「安全性に深刻な穴がある」と指摘し、「人為的ミスに脆弱(ぜいじゃく)だ」と述べていた。ちょっとしたミスが即、墜落になってしまうという指摘だ。今回の「人為的ミス」という言葉の意味がよく分かる。
通常、航空機の事故は報告書をまとめるのに1年はかかる。だがモロッコの事故から2カ月もたっていない。沖縄に7月に配備する日程がまず先にあり、それと整合性を持たせるために急いで「人為的」と発表したと見るのが普通だろう。そんな拙速調査が信頼できるのか。オスプレイ配備容認は住民の生命を預けるに等しい行為だ。こんな拙速調査をうのみにし、配備変更を求めないのなら、防衛省は何から何を「防衛」するのか。住民の生命を守らず、米軍の都合やメンツを優先するなら、自らの組織の名前を「対米従属省」に変更した方がいい。
仲井真弘多知事は「安全な機種なら日比谷公園や新宿御苑に持って来られるか。非常に無理がある」と憤りをあらわにした。多くの県民が共感するその言葉の重みを、政府はよくかみしめるべきだ。
« 浮足立った強硬路線も国を滅ぼす 産経コラム | Main | 世界的経済危機と多国籍企業(メモ) »
「米軍基地」カテゴリの記事
- 米軍機低空飛行訓練 県全域で発生、異常事態(2020.05.08)
- 年金改定、検察人事介入、スーパーシティ、種苗法、辺野古設計変更 … コロナ禍に乗じ悪法次々(2020.04.27)
- 秋田・イージス見直し だったら、辺野古も見直しを(2019.12.12)
- オーストラリア 米軍機を厳しく規制 全国知事会で沖縄県報告(2019.11.11)
- 岩国米軍機 手放し操縦、薬物乱用…違反横行 日本の空を飛ぶな(2019.11.03)
Comments