防災教育 災害に「立ち向かう」?
高知市6月議会にむけて、議会の勉強会が開催されている。教育委員会から「防災キャンプ」「実践的防災教育」が提案される。その説明に「災害を恐れるだけでなく災害に立ち向かっていく『防災力』を身に付ける」とある。違和感がある。
「釜石の奇跡」で有名になった片田敏孝教授が“自然の恵みを受け続けるために、50年、100年に一回の自然の大きな動きをやり過ごす「その地域に住む作法」と語っているからである。(2011年「子ども白書」より)
共生の思想というか、地域の愛着がないと、防災教育は効果を発揮しない、というのが言葉も印象的である。
片田先生は、おおむね次ぎのように語っている。
・子どもたちに話をする時に、「津波の話」からは始めるのは避けている。
・「津波は恐い」「過去あんな被害が出た」という話をしてしまうと、子どもたちは、自分が住んでいる釜石のことを嫌いになってしまう。こんな地域は早く出で行こうとなってしまう。訓練も身がはらない。
・だから「先生は釜石が大好きだ」という話から始る。
「先生は岐阜県の生まれで、今は群馬に住んでいる。海のない所で育ち、今も海のないところに住んでいる。だから釜石に来ると、海はきれい、景色もきれい、食べ物もおいしい。君たちは、こんな素晴らしい場所に暮らしている。ここで暮らすということは、自然に近づいて、自然の恵みをもらっているということ」
・だがその恵みをもたらしている自然は、時々、「大きな動き=津波」をして、被害を与える。
・この大きな動きをやり過ごすことができれば、この地で住み続けられる。
・だから、この地に住み、恵みを受け続けるためには、50年、100年に1回とかの「自然の大きな動き」をやり過ごす『作法』を持っていないといけない。「今から、そのお作法を勉強しよう!」
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