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「遅くとも2030年に原発ゼロ」 4つの視点提起 府市エネ戦略会議  

 府市エネルギー戦略会議の「中間まとめ」。脱原発、供給サイドから需給サイドへ、国から地方へ、再生エネの推進で、国、自治体、民間の果たす役割を整理している。
なお、今夏の西日本の電力需給については過去最高値が6社で同時に起こるという現実にはありえない想定となっており。府市エネ戦略会議は、「西日本の電力需給は約マイナス3%との試算があるが、需要ピークが同日同時間帯に発生するものではないため、不等率を考慮して再精査するべき」(需給委員会への申し入れ5/7)としている。「西日本で融通すれば全体5%節電で足りる」(共同通信試算)の指摘もある。
さらに東京都は、暮らし・経済に無理を強いることなく、「賢い節電」で、西日本に100万kW融通できる方針を発表している。「原発ゼロ」にこそ「決められる政治」が必要。そうしてこそ知恵が出る。
 【エネルギー戦略(中間とりまとめ)6/26】
【「30年に原発ゼロ」了承=有識者会議の中間まとめ―大阪府・市 時事6/23】

【「30年に原発ゼロ」了承=有識者会議の中間まとめ―大阪府・市 時事6/23】
大阪府と大阪市は26日午後、市内で府市統合本部(本部長・松井一郎知事、副本部長・橋下徹市長)を開き、「エネルギー戦略会議」(座長・植田和弘京大大学院教授)が報告した中長期的なエネルギー戦略の中間とりまとめを了承した。とりまとめは、政府に対して遅くとも2030年までに原発の稼働をゼロにするよう求める提言などが盛り込まれた。
 橋下市長は会合後、記者団に対し「そういう方向(原発稼働ゼロ)になるよう、具体案を作ってもらいたい」と同戦略会議への要望を表明。「実現可能かどうかというところもチェックしないといけない」とも指摘し、社会・経済活動への影響も考慮した案の策定を求めた。 

【エネルギー戦略(中間とりまとめ)6/26】


◆ 原発再稼働に対して

 東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓(※)から、我々は、これまで、目の前にある経済的利益を世界の人々の安全に優先し、また、現在世代の利益のためにリスクと経済的負担を将来世代に先送りをして来たことをはっきりと自覚した。このことは、倫理的に許されることではない。
原発を稼働するには、技術的な制御可能性と核のごみ処理を含む社会的制御可能性が満たされなければならないが、我が国においては、そのいずれもが満たされていなかった。当エネルギー戦略会議は、これまでも関西電力大飯原子力発電所再稼働の8条件(別添1)及び同原発再稼働に当たっての緊急声明(別添2)において、原発の稼働の前提となる条件を具体的に示してきた。これらを踏まえた原発に関する基本方針は以下の通りである。

・原発の再稼働については、引き続きこれらの条件を満たさない限り認めるべきではない。
・大飯原発3、4号機は仮に再稼働したとしても上記の条件を満たしていない以上、節電要請期間終了後直ちに稼働を停止すべきである。
・中長期的には、仮に上記の全ての条件を満たす原発が存在することとなった場合であっても、原発稼働は、最も安全なものから順に必要最小限の数に抑えて広域融通を行うとともに、遅くとも2030年までに原発稼働ゼロを目指すべきである。
・なお、将来において、現在とは全く異なる技術の出現等により、原発の危険性が、通常技術の危険性と同質、同程度のものとなった場合には上記の考え方を見直すことは否定しない。

(添付1)
1 国民が信頼できる規制機関として3条委員会の規制庁を設立すること
2 新体制のもとで安全基準を根本から作り直すこと
3 新体制のもとで新たな安全基準に基づいた完全なストレステストを実施すること
4 事故発生を前提とした防災計画と危機管理体制を構築すること
5 原発から100キロ程度の広域の住民同意を得て自治体との安全協定を締結すること
6 使用済み核燃料の最終処理体制を確立し、その実現が見通せること
7 電力需給について徹底的に検証すること
8 事故収束と損害賠償など原発事故で生じる倒産リスクを最小化すること


◆4つの視点

〈視点1〉原発への依存からの脱却

 昨年3月の東京電力福島第一原子力発電所の事故によって安全神話は完全に崩壊した。可能な限り早期に原発依存からの脱却を目指して欲しいというのが住民の意思である。この意思を反映した政策を実現していく必要がある。

〈視点2〉供給者目線から需要家・生活者目線へ(国・電力会社による計画経済から市民が選ぶ市場経済へ)

 これまで電気は当たり前に使えるものとして国と電力会社に任せきりで、全てのシステムが供給者の論理で構築されてしまった。その結果、安全に関し脆弱で経済的に無駄の多いシステムとなり、需要家に選択の自由がなく消費者が常に受け身の存在となっていた。これを、需要家目線のシステムに変革し、需要サイドの活性化とスマートコンシューマーが主導権を担う新たなエネルギー社会を実現することによって、柔軟で多様、安心・安全、かつ効率的なシステムが実現する。原発のリスク・コストも全て市場を通じて内部化(顕在化)するような仕組みを作ることも必要である。

〈視点3〉国から地方へ

 原発から脱却した場合、電力需要をいかに賄うかは、市民自身が市場を通じて選択して行くべきであり、市民により近い存在である自治体も国と同様に大きな役割を積極的に果たすべきである。特に税財源を国に集中していたことによって、歪んだバラマキ政策が蔓延し、消費地と生産地が分断され、柔軟にエネルギー需給構造を変革することが極めて困難になってしまったことの反省に立って、財源の大半は地方に移譲し、地方独自の原発の安全確保政策(避難計画を含む)や再生可能エネルギーを中心とする分散型電源の振興政策などを主体的に推進できるようにすることが必要である。

〈視点4〉再生可能エネルギーの推進

 原発依存度の高い日本、特に関西で、再生可能エネルギーの成長センターになることを目指し、将来の経済発展の軸とすべきである。既存の原発予算の財源の大半を地方に移管し、再生可能エネルギーの普及を目指す。


◆主体ごとの取組み

<視点1>原発への依存からの脱却

【国】
・外国人を含む人材によって、独立性をもった世界標準の規制機関の下、世界標準の規制を行う。
・推進機関(経産省等)へのノーリターンルールは例外なく直ちに実施。原子力関連企業への再就職規制などにより原子力村との完全断絶を実現。
・安全規制の徹底的見直し。バックフィットを例外なく適用。
・40年廃炉の例外を廃止
・国、地方と電力会社の緊急時対策の見直し、原子力損害賠償の抜本見直しを行う。
・もんじゅや再処理は即時撤退し。
・原発を稼働する場合は、使用済核燃料の総量抑制と場所に関して国民的合意をはかる。使用済核燃料は現実的な責任貯蔵を行う。
・脱原発に対応するための電力会社の経営健全化策を策定
・電力会社の破綻処理スキームを創設

【自治体】
・国の原子力規制機関が、信頼に足る安全基準の見直しなどに十分取り組まない場合には、当面の間、自ら創設する『関西原子力安全監視庁』において、代替できる機能を確保。
・使用済核燃料の責任貯蔵を国が十分に取り組まない場合には、国が取り組まない必要最小限の間、財源ごと地方に移管し、責任貯蔵を代行する。
・国の定める緊急時対策に基づき、広域的避難訓練など万全な準備を行う。国の対応が不十分な場合には、上乗せ的な対応を行う。
・脱原発依存の実効性確保のため、必要に応じて安全規制に関する条例(大阪に被害を及ぼす可能性のある原発に関する規制)を制定する。

【民間】
・電力会社は徹底した情報公開。安全及びコスト両面について。
・国の定める緊急対策に基づき準備を行うとともに、原子力損害賠償に備えた保険・基金など創設。その対応が終わるまでは稼働しない。
・原発コストは、過酷事故の場合の損害賠償等全てのコストや廃炉費用などを全て上乗せして評価する。(市場において内部化することでリスク・コストが評価される)


<視点2> 供給者目線から需要家・生活者目線へ
 (国・電力会社による計画経済から市民が選ぶ市場経済へ)

【国】
・2年以内に、発送電分離・電力完全自由化で、競争による低コスト・創造的なエネルギー市場の実現。
・送配電網は発電会社からの影響力を一切排除して独立性を担保し、公正な開放を確保。
・ナショナルグリッド化(日本全国一体の送電会社)の促進など、広域化と透明化及び送配電網拡充による安定供給体制の実現。
・一般電気事業者保有のベース電源の開放、卸供給規制の撤廃、卸電力取引所の活性化等により、発電・小売部門での競争を促進。
・エネルギー産業の振興官庁である資源エネルギー庁から電力・ガス規制を分離。競争政策、消費者保護の観点から規制を行う3条委員会を創設して移管。
・振興政策は経産省の産業政策部門に吸収して資源エネルギー庁は解体。
・ネガワット取引に係るガイドラインの作成など、デマンドレスポンスの普及振興。

【自治体】
・地域の実情を踏まえて節電・省エネ運動を展開し、スマートコミュニティを実現する。
・消費者保護の観点からの規制導入。(国から地方の項参照)
・自らデマンドレスポンスに取り組み、経費削減を図る。

【民間】
・小売り全面自由化の下、需要家が電力会社や電源、料金メニューの選択肢を持つ。
・デマンドレスポンス、ネガワット取引など新しい取り組みに積極的に参入する。
・国の政策転換を先取りした新たなビジネスモデルの推進。
・旧来の護送船団方式に決別し、入札改革、透明な取引慣行構築などによる徹底した競争によるコスト削減及びサービス充実を図る。
・スマートメーターの仕様の国際標準化と国際調達による非ガラパゴス化と低コスト化の実現。


<視点3> 国から地方へ

【国】
・原子力関連予算、電促税の抜本的見直しにより財源の地方移管。
・エネルギー供給に関して、競争制限的な行為が行われていないかどうか、公益事業委員会(新設)で監視。

【自治体】
・移管された財源を元に、地域エネルギー安全保障体制を確立。
・消費者保護の観点から、シェアの高い(当面50%以上)電力会社の料金などについて強力な規制を行う。
・その他規制権限のうち、地方でできるものは地方で行う。
・原発安全基準の策定などに積極的に関与。
・防災計画の策定や安全協定の締結を行う。
・地域の実情を踏まえた再生可能エネルギー、コジェネレーション等の振興を図る。
・地域の実情を踏まえた節電・省エネ運動の展開とスマートコンシューマー主体のスマートコミュニティの実現を図る。


<視点4> 再生可能エネルギーの推進

【国】
・エネルギー基本計画の見直し。再生可能エネルギーの比率で欧州諸国並みを目指す。
・再生可能エネルギーの推進を阻害する規制の撤廃。
・補助金、優遇税制

【自治体】
・再生可能エネルギーで、関西を世界の成長センターとする。
・再生可能エネルギー・省エネルギー導入支援(条例、助成措置等)
・関連産業集積促進策の推進。

【民間】
・技術開発、実証事業等。
・住民参加型の再生可能エネルギー導入。
・再生可能エネルギー普及までの経過期間におけるガスシフト及び石炭利用などによる安定供給の確保。

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