日本原電、電気販売量9割減で黒字 大株主は電力会社
日本原子力発電の昨年の稼働率は4.6%。しかし、電力会社との契約の多くは電力量と関係ない「定額制」のため、売り上げ高は、87%を確保して89億円の黒字。
日本原発の大株主は、東電、関電はじめ9電力会社、日立、三菱重工の原発メーカー、電源開発、みずほ銀行で、92%を越える。日本原電への支払いは、当然、電気料の収入(多くは家庭部門)であろう。
日本原子力発電株式会社 有価証券報告書より
原発がトラブルでとまっても、利益を確保・還流できる仕組みにしているのではないか。
【日本原電、電気販売量9割減でも黒字 定額制のおかげ 5/25】原発でつくった電気を電力会社に売っている「日本原子力発電」は25日、2012年3月期決算で、本業のもうけにあたる営業利益が89億円になったと発表した。原発を止めて販売電力量が前年同期比94%も減ったが、電力会社との契約は、日本原電が売った電力量に関わらず同じ代金を受け取る「定額制」の部分が大きいため、売り上げが落ちなかったからだ。
日本原電は、東海第二(茨城県)と敦賀(福井県)1、2号機の計3基の原発を持ち、発電した電気を東北、東京、中部、北陸、関西の電力5社に売っている。ただ、12年3月期は、東日本大震災で被災した東海第二と震災時点で定期検査中だった敦賀1号機がまったく稼働せず、敦賀2号機も昨年5月にトラブルで止まった後に定期検査入りし、止まっている。3基の平均稼働率はわずか4.6%にすぎなかった。
このため、東北と東京に売った分はゼロで、ほかの3社を合わせた合計の販売量は11年3月期の161億キロワット時から10億キロワット時に激減した。だが、「定額制」の契約部分が大きかったため、5社はほとんど電気の供給を受けなかったのに日本原電に計1451億円払った。このため、日本原電の売上高は前年同期から17%しか減らなかった。
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