電力供給、負担増について~ ISEP、気候ネット
ISEPが、5月7日の需給検証委員会に提出した資料。また気候ネットも、需給、料金負担などに短時間の解説映像を配信している。
【電力 供給と需要の精査 ISEP 5/7】
「原発のこれからをどう考えるか」気候ネット
「夏の電力は足りるか」気候ネット
「原発停止で負担は増える?」気候ネット
【電力 供給と需要の精査 ISEP 5/7】 「供給力まとめ • 揚水未活用が、東電、関電、九電などで大きい。 • 揚水は需要にあわせて出力を決めればよい。全部の時間同じ出力にする必要がないが、電力会社の説明にはそのような記載がある。 • 火力の夏季の停止、出力の低下が多数ある。これには説明責任がある。 • 自家発を昨年夏や今年冬より減らしている会社もある。 • 追加対策で自家発の活用増、自社火力の出力増、需要減など様々な対応があり、昨年なみの節電をスマートに実施すれば十分な対応が可能。」
「対応は十分可能」な内容として、資料などから引用すると
①スマートな節電策。東京都の報告では、昨年、照明対策や空調対策・業務部門で25%節電を実現。村上憲郎さんの試算ではデマンドレスポンス市場の活用で関西電力管内で500万kW・16%もの節電の可能性がある。
いづれにしても問題は、夏場の数日、日に数時間のピーク時の対応。2010年は過去一番の暑さだったが、昨年も史上4番目の暑さだった。その中で、大きく節電した実績を過小評価している。
②西日本の電力会社6社の電力融通可能性はピーク時でも900万kWある。自家発電で2〜300万kW追加の可能性。揚水発電も全体の需給の改善で、ピーク時において昨年並みの465万kWが利用可能。
☆気候ネットの解説〜 一番厳しい関電を例に、政府は、昨夏~今冬の9.5%の不足と予測していたが、実際は7%の余力と指摘している。
【3負担は増えるか 気候ネット/メモ】
・政府は、原発停止で3兆円アップ、一世帯1000円の負担増と言っている
・原発は安い5.4円/kWと言っていたが、再試算で8.9円以上に
しかも損害賠償・除染費用は一部だけ。使用済み燃料処理・廃炉費用は過少。事故はまだ収束しておらず、一回事故がおきると際限なく負担は上がることが事実で示された。
(メモ者 → この損害費用の大きさから、その損害をまるまる引き受ける損害保険はない。ドイツの試算では、事故の被害額は680兆円。キロワットあたり7千円の保険料の上乗せが必要となる。
「安い」「高い」以前の問題。市場ルールでなりたたない。
【原発は投資家から見放されている レスター・ブラウン氏 2011/10】 )
・燃料費アップ分の半分は、燃油価格の上昇
天然ガスの価格設定の問題もある(石油と連動した価格設定で高買い。アメリカの6倍、EUの2倍)
・燃料費アップで赤字
→価格上昇が自動的に電力料金に反映する燃料調整費があるり、すでに価格上昇分はかなりの部分吸収している。福島事故をうけた対策、原発賠償費の負担などもある。原発がとまったら赤字という説明には不透明な部分がある。
(メモ者 そもそも総括原価方式というブラックボックス。利益を算出するもとの営業資産には、使用済み核燃料も「資産」として算定されている。電源開発税など3000億円以上の原発推進賦課金もある。家庭や小規模の事業所の規制料金と違って、超低価格、赤字もあり、という大口の自由料金の不透明な内容などなど・・・)
・中長期的には化石燃料の依存度を下げる努力がいる
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