ガレキ 県外処理は必要なし 日本共産党宮城県議
県処理分としていた1107万トンが精査の結果676万トンに。削減された約4割431万トンは、県外処理が必要とした354万トンを上回る。ここには「命の森の防潮堤」50キロ・150キロ建設に、瓦礫を利用することは入ってない。「県外処理は必要ない」と横田県議のブログ。
県議会環境生活・農林水産常任委員会では“少なくとも“放射能まみれの宮城の瓦礫”については、県内処理での自己完結を追究すべきとする意見が相次ぎました。”とのこと。
花木則彰仙台市議は、仙台でも焼却飛灰(フィルターでキャッチされたもの)は1500㏃程度まで高くなるとのこと。「わざわざ汚染されていない地域に持っていくことは基本的には避けるべき」とし、ゼネコン丸投げの方式の問題点をとりあげ「広域処理を、お願いする前に、域内処理、県内処理、東北内での協力についてもっと検討を深めるべき」「広域処理は本当に必要かあいまいなまま不毛な対立を持ち込んでいる」と指摘している。
【瓦礫は県外処理354万トンを大きく上回る431万トンの圧縮へ。県外処理は必要ありません。横田有史 5/21】
【がれき広域処理問題 北九州で逮捕者…無用の対立を持ち込んだのは誰か 仙台市議・花木則彰 5/23】
追記5/27 【「がれき広域処理」への疑問 新潟県が国に再質問5/21】
岩手は、また別の事情があるようだが・・・
なお同常任委員会では“自民党議員からも、「がれきは復興の障害にはなっていない。2014年3月までという、政府が打ち出している処理期限にも、こだわる必要はない」と、疑問視する発言がありました。”(党宮城県委員会ブログより)
【瓦礫は県外処理354万トンを大きく上回る431万トンの圧縮へ。県外処理は必要ありません。横田有史 5/21】昨日は、一日中定例の県議会常任委員会。環境生活・農林水産常任委員会では、放射能汚染対策を巡る諸問題と瓦礫処理問題をメインに6時間以上の議論。
瓦礫処理では県処理分とされていた1,107万トンの約4割、431万トンが圧縮され、676万トンになることを発表。その一方、広域処理が必要とされていた354万トンを大きく上回る圧縮にも拘わらず、東京・山形・青森の13万トンを除いても更に114万トンの県外処理が必要という発表で、国の162万トン広域処理に数値あわせでは無いか。
「復興の遅れを広域処理の遅れに。その遅れを反対市民のせいにする。と言う思惑ではないか」とつい主張せざるを得ませんでした。
委員会では「処理ブロックごとの数値の変化」などの資料を改めて提出させること。更に、今回の見直しに加味されていない「命の森の防潮堤」50キロ・150キロ建設への瓦礫の活用などで、少なくとも“放射能まみれの宮城の瓦礫”については、県内処理での自己完結を追究すべきとする意見が相次ぎました。
【がれき広域処理問題 北九州で逮捕者…無用の対立を持ち込んだのは誰か 仙台市議・花木則彰5/23】宮城県石巻からのがれき受け入れを巡って、北九州市で抗議の市民が逮捕されたというニュースが流れています。この問題では、受け入れを是とするのか否とするのか、求められた全国各地の住民の間、行政と住民の間、被災地と各地の間で、対立が生まれ問題が複雑化しています。
これは、どちらかが正しく、一方は間違っているという対立ではなく、別の形の矛盾が持ち込まれたものです。根本の矛盾の原因を明らかにして、解決の方向を示さなければなりません。
「がれき処理問題」と、「放射性物質の処理問題」2つの側面をきちんと整理◆震災がれきの処理という側面
たとえば、原発事故がなければ、単純に「震災・津波によって発生したがれきをどう処分するか」を考えればよい課題です。がれきの処理能力や方法を考え、被災地以外で活かせる施設や能力があれば協力してもらうことも大切です。復旧・復興のために早く処理するという側面と、がれき処理自体を地域の雇用の受け皿として地域経済の再生のステップに位置付けることも大切だと思います。とりわけ、遠くまでがれきを「運ぶ」ことのコストと、それで儲けようとする被災地以外の大きな企業の存在を考えておくべきです。
宮城県は、21日県内のがれき総量1800万トンのうち、県が処理をしなければならない分は減少する見込みだと発表しました。(1107万トン→676万トン)県外自治体に要請する広域処理量も減る見通しです。(354万トン→114万トン ※根拠はあやしい、もっと減らせるのでは?) [河北新報5/22付より↓]一方で岩手県は、がれき総量は525万トンの見込みから90万トン増え、広域処理量も56万トンから119万トンに増えるとしています。
つまり、震災から一年たってまだ、被災地域内でどこまでやれるのか十分検討されていないということです。◆震災ゴミは一般廃棄物 だけど中身は産業廃棄物
震災ゴミは、一般廃棄物として行政に処理が任されます。しかし、その中身は、建築廃材などと同様、産業廃棄物の処理方法で処分すべきものが大半です。一般廃棄物処理の仕事(家庭ごみの収集・焼却・埋設、ビン・缶などの選別)しか扱ってこなかった行政にとって、途方に暮れる課題であったことは事実です。
そこに実際は産廃処理のノウハウもないゼネコンが、県に助け舟を出し、仕事が丸投げされた・・・今、起きている困難・矛盾の一つはここにあります。ゼネコンの作った処理計画は、大量のがれきを遠くへ運んで処理する、運送費に大きな費用をかけそこで儲ける、という中身でした。その数字を、県や環境省がそのまま「広域処理が必要な量」として発表していたのではないか・・・今回の見直しで、さらにその疑いが強まっています。
仙台市では、市域内のがれき処理を市で行うことにし、ゼネコンではなく産業廃棄物処理業者に委託をしました。がれきを仮置き場に運ぶ時から、分別を行い焼却するもの、埋め立てるものをできる限り減らす、危険なものの管理を徹底する方法がとられています。
宮城県内でも、石巻ブロックを除けば、それぞれの地域内での処理が可能だとされています。広域処理を、お願いする前に、域内処理、県内処理、東北内での協力についてもっと検討を深めるべき課題だと思います。参考 赤旗4/23付「宮城県ゼネコン丸投げ がれき処理進まず」
◆放射性物質としての側面
仙台市のがれきの放射性物質の濃度は高くありません。しかし焼却施設で燃やせば、その飛灰(フィルターでキャッチされたもの)は1500㏃程度まで高くなります。濃縮されたものをどう扱うのか、危険を広げないように、きちんと管理するよう方法を定めるべきです。
本来原子力施設などに閉じ込められていなければならない放射性物質が、大量にばらまかれてしまった責任は、東京電力と政府にあります。がれき処理に対する、困難や放射性物質の処理に関する責任も、東電と政府が負うべきものです。
放射性物質の人体への危険性については、私は繰り返し発言をしていますが、「安全か危険か」で済むものではなく、それぞれのレベルによってどのくらいの危険度なのか理解し、それぞれが判断できる方向に進むべきだと思います。(これもばらまかれてなければ必要のないことですが)
放射線管理の立場からは、分散させない、集中してしっかり管理することが原則です。わざわざ汚染されていない地域に持っていくことは基本的には避けるべきです。どうしても、必要な場合は、処理方法、管理方法が徹底されることと、危険度の理解が十分できて住民が自ら判断できる状態にしなければなりません。これは、被災地でも相当困難なことですから、他の地域ではほとんど不可能だと感じます。
いずれにせよ、広域処理が本当にどれだけ必要なのかあいまいなまま、住民理解を得ようとしても不毛な対立を生むばかりです。
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